2021/02/24 19:00
2019年5月11日の2期BiS解散後【でんぱ組.inc Jr.オーディション】を経て結成されたアイドルグループ・meme tokyo.(みーむとーきょー)のメンバーとして再デビュー。ミュークラブからMEWに改名し、新規ファンも増やし続けている彼女がヒルネ逃避行なるバンドプロジェクトを新たに発足した。
すでに3作のデジタルシングル『Float!!』『わたしじゃない』『ループホリック』をリリース。そして、満を持して初のミュージックビデオを完成させたタイミングで、Billboard JAPAN.comとしては1年7か月ぶりとなる再会インタビューを敢行。2期BiS時代から言葉数の少なかったMEWだが、めまぐるしく環境が変わっていく日々の中でどんなことを想い、悩み、考えてきたのか。その胸の内を明かしてもらった。
※このインタビューは、緊急事態宣言前に行われたものです
◎MEW ヒルネ逃避行デビュー記念インタビュー
<2期BiS解散以来1年7か月ぶりのインタビュー……いきなりボロ泣き>
--インタビューさせて頂くのは、2期BiS解散以来1年7か月ぶりとなります。今日はヒルネ逃避行についてはもちろん、その大きな転換期となった期間についてもお話を伺えればと思っているのですが……どうして話を聞く前から泣いているのでしょうか?
MEW:(涙を溢れさせる)……………………。
--長いことインタビュアーの仕事をしていますが、冒頭からボロ泣きパターンは初めての経験です(笑)。その涙の理由から話してもらえますか?
MEW:…………秘密。
--では、そこには触れないでおきますね。2期BiS時代も単独インタビューはしたことがなかったし、MEWのことをまだ知らない人へ向けた記事にもしたいので、そもそもの話から聞かせて下さい。MEWって何でアイドルになりたいと思ったんでしょう?
MEW:…………秘密。
--おい(笑)! ぜんぶ「秘密」で終わらせようとしてないか!?
MEW:…………(笑)。
--ゆっくり時間かけていいから思い出してみて。
MEW:……………………なんか……分かんない。
--今泣いている理由にも直結しちゃうような質問だったのかな?
MEW:(涙を溢れさせる)……………………。
--じゃあ、別の話題にしてみましょうか?
MEW:……すみません。
--MEWと同じく2期BiSメンバーだったハナ(ARCANA PROJECT・花宮ハナ)にインタビュー(https://bit.ly/2YyaIm4)したとき「2期BiSの解散って重かったじゃないですか。戦争で全滅して敗戦した的なムードというか(笑)」みたいな会話をね、今だから笑い話にできる感じで交わしてきたんだけど、あの解散から新天地・meme tokyo.に加入するまでMEWがどんな想いで過ごしてきたのか。聞かせてもらうことってできます?
MEW:…………………………すみません、ごめんなさい。
--よし、提案があります! 今から飯食いに行きましょう!
MEW:(笑)
※事務所の会議室でのTHEインタビューよりは、食事しながらフランクに会話したほうが言葉も出やすいと判断し、近場の韓国料理屋さんへ移動することに――
<今も解散時の映像とか見ると落ち込んだりはしますよ>
--何、頼みます?
MEW:ユッケジャン、食べたい。あと、青りんごジュース。
--じゃあ、ユッケジャンとカムジャタンとチヂミと青りんごジュース。あと、生ビールください。
店員:注文ありがとうございます!
--(ドリンクが届いたところで)かんぱーい! 元2期BiSメンバーとはちょくちょく会っていたりするの?
MEW:会ってます。ずっと一緒にいて戦ってきた仲間だし、なんでも話せる関係性なので、よく相談に乗ってもらったりしています。
--2期BiSの解散自体は悲しかったと思うんですけど、そういう話を聞くと「よかったな」と思います。
MEW:でも、今も解散時の映像とか見ると落ち込んだりはしますよ。上手く言葉には出来ないんですけど、私たちにしか分からない気持ちというモノはあって……
--なるほど。それなのに「BiSとして過ごした1年はどんな日々でした?」なんて聞いてくる奴がいたら、何にも答えられなくなっちゃうよね(笑)。
MEW:(笑)。もちろん、そういう質問があることは覚悟していたんですけど、いざ答えようとしたら言葉が詰まってしまって……。元々インタビューが苦手なのもあるんですけど。ちょっと前にペリ(元2期BiSメンバー)と平賀さんで原宿を長時間練り歩く配信があったじゃないですか。見知らぬ人に話しかけて宣伝したり、CDを手売りしたりする企画。あれを私のお母さんが観ていて「ペリちゃんは偉い。MEWには出来ないでしょ?」って言われて。私ももっと話せるようにならなきゃいけないんですけど……。
--その練習として今日のインタビューは利用して下さい(笑)。
MEW:BiS時代のインタビューもほとんど喋っていなかったし、それはmeme tokyo.になっても変わらないんですけど、他のメンバーが話してくれるから成り立っているんですよね。私は一言二言ぐらいしか喋れなくて……
--meme tokyo.全体インタビューはまだ未経験だから分からないですけど、BiS時代のミューはその一言のインパクトが強かったんですよ。心の内に秘めていた想いを振り絞って放つから。ボロボロ泣きながら本音を吐き出してくれていたから、こちら的には物凄く重宝にしていました。
MEW:うれしい。今日は何も話さずにボロボロ泣いていたけど……(笑)。
--ディアステージ(meme tokyo.所属事務所)には、2期BiS解散時のFAで声を掛けてもらって所属することになったんですよね?
MEW:いろんなところから声を掛けてもらっていたんですけど、その中で悩みに悩んだ末にディアステとお話しさせてもらうことにして。……私は2期BiSの解散が決まっても諦めがついていないところもあって、でもグループだから私の一存だけではどうにも出来ないじゃないですか。それで徐々に受け入れていったタイプだったので、すぐに別の道へ進んでいくことに対して気持ちが追い付かなくて(涙を溢れさせる)だから悩みに悩んだと思うんですけど……でも今は前を向いています。
--具体的にはどう変わったの?
MEW:meme tokyo.に入ってから「将来的にこういうことをやりたい」みたいなことも考えらるようになったし、実際にやりたいと思っていたバンドプロジェクト・ヒルネ逃避行も動き出しているし、まだ誰にも言いたくはないんですけど、わりと目の前のことだけじゃなくて「数年後にこれをしたい、こうなっていたい」みたいなヴィジョンは持っているんですよ。
<バンド結成秘話~MEWの本質「全然マジメじゃないんです!」>
--注文いいですか? サムゲタンとコッチョリ。あと、おかわりください!
店員:ありがとうございます!
--ヒルネ逃避行は、MEW発案のプロジェクトなの?
MEW:最初は「meme tokyo.でバンドしたら楽しそう!」みたいな話をメンバーとしていたんです。でも、ペリのライブをムロ(葉菜子)と観に行ったときにプー・ルイさんと偶然会って、その帰りにいっしょにご飯食べながら「ひとりでも何かやってみたら?」ってプー・ルイさんがアドバイスしてくれたんです。それをもふくさんに話してみたら、私が元々「バンドをやりたい」と言っていたこともあって「だったら、バンドが良いんじゃない?」みたいな感じで提案してくれて。そのあとにヒルネ逃避行のプロジェクトが立ち上がった感じですね。まさかここまでガッチリとバンドやることになるとは思わなかったから「どうしよう?」って最初はなりましたけど(笑)、嬉しかったです。
--「え、本当に始まっちゃった」ってやつですね(笑)。
MEW:本当にそんな感じ(笑)。ヒルネ逃避行は、私以外のバンドメンバーがみんな凄いから、私がそのレベルに追いつけなくて迷惑かけることも多くて。私はひとつ作詞するのにもめっちゃ時間かかるし、でも浅野さん(浅野尚志/ベース)は1日で3曲ぐらい作るんですよ。
--元々その道のプロですからね。そこに追いつけなくて苦悩するのは、前向きな試練じゃないですか。
MEW:そうですよね。なので、今の私はいろんな面でめちゃくちゃ恵まれていると思います。だからこそ、頑張らなきゃいけないことがたくさんあるなって……。
--唐突な質問になるんですけど、MEWって幼い頃はどんな女の子だったの?
MEW:幼い頃は「めっちゃやんちゃだった」って言われます。木登りとかするタイプの女の子。フラフープをやっている人がいたら、お店に置いてあるフラフープを勝手に持ってきて、隣で一緒になってやったりしていたみたい(笑)。そう考えると、昔はめちゃくちゃ社交性があったんですよね。いつから変わってしまったのか……
--いつから変わってしまったんですか(笑)?
MEW:自分で意識的に変えたつもりはないんですけど、中学生になったらまわりから「変わったね」って言われるようになって。例えば、学校の卒業式ってみんな泣くじゃないですか。でも私だけ泣けなくて。むしろ「やっと通わなくて済む。うれしい」と思っていたんですよ。友達と遊んでいるのは楽しかったんですけど、勉強がイヤだったというか、授業中にずっと座ってなきゃいけないことがイヤだったから。私、たぶん、つまらないことがとにかく耐えられないんですよ。
--あんまりこういうイメージ持たれていないかもしれないけど、MEWって常にバカ騒ぎしていたいタイプなんだよね。
MEW:あー、そうかも!
--マジメな子じゃないよね(笑)。
MEW:そうなんですよ、全然マジメじゃないんです! あんまりベラベラ喋れないから大人しいマジメな子だと思われがちだけど……
--大人しいときは「つまんないなぁ」と思っているだけなんだよね(笑)。
MEW:それだけじゃないと思うんですけど(笑)、感想が出てこない。
--でも、本当に楽しいと思えることをやっているときは……
MEW:あ、そうです! めっちゃ喋ります!
一同:(笑)
<つまらない現実から抜け出したかったんです>
--本質的に「常に楽しいことをしていたい」人間だから、授業中も耐えられなかったし、マジメにしていなきゃいけない状況下では言葉数も減るし、自分の本質の真逆にあるモノを求められる度に悩むし……あ、だからこの世界に入りたいと思ったの?
MEW:そもそもの理由は「現実がつまらなかった」から。オーディションでは「私は変わりたい」みたいなことを言っていたと思うんですけど、つまらない現実から抜け出したかったんです。だからイチかバチかでオーディションを受けようと。
--合格する為に死ぬほどスクワットしていた姿が印象的でしたけど、その理由も「つまらない現実から抜け出したかったから」なんですね。
MEW:当時、高校3年生だったんですけど、とにかく学校には戻りたくなかったし、普通に就職するのもイヤだったんですよ。私、デスクワークとか絶対にできないから。
--デスクワークよりスクワットのほうが得意だったと。
MEW:そうですね(笑)。
--「つまらない現実」が好きな人なんていないと思うんですけど、でもそこまで命懸けで「つまらない現実」から抜け出そうとしたのは、本当に楽しいことや好きなことに人生を費やしたい想いが異常に強いからだと思うんですよね。
MEW:そうだと思います。
--そういう意味では、meme tokyo.もそうですけど、MEWの好きなことを純度高く表現できるであろうヒルネ逃避行の存在は重要ですよね。今後、どんな音楽をやっていきたいなと思っていますか?
MEW:個人的には結構ガチャガチャしていてポップな音楽も好きで。ヒルネ逃避行の楽曲で言うと『Float!!』みたいな感じ。さっきの話とも繋がるんですけど、私って何に対しても「楽しければok!」と思うタイプなので、聴いてくれる人たちも「楽しければok!」と思ってくれるような音楽をやっていけたらいいなって思います。
--ちなみに、BiS時代は「CHANGE the WORLD=世界を変える」といった裏コンセプトありきで活動していた印象もあるんですけど、MEW個人としても今もそういう想いは抱いていたりするの?
MEW:具体的に何をどうしたら「世界を変える」ことになるのか分からないんですけど、漠然とそういう気持ちは今もある。何かをひっくり返してしまいたい想いみたいなモノ。でも、そんなに重々しく捉えたり掲げたりする感覚じゃなくて、好きな人たちや楽しい人たちと面白いことをたくさんやって「世界、変えっから」みたいな(笑)。私は喋るのも苦手だし、ダンスも得意じゃないし、歌詞を書くのも遅いし、今日みたいにいろんな人に迷惑かけちゃっているダメ人間なんですけど、だからこそ、そういう真っ直ぐな気持ちだけは忘れちゃいけないのかなって思うんですよね。
--最初はどうなることかと思いましたが(笑)、最終的に有意義なインタビューになりました。ありがとうございます。かんぱーい!
MEW:本当にすみませんでした……かんぱーい(笑)!
Interviewer:平賀哲雄
Photo:MEW(1枚目)
◎イベント情報
meme tokyo.単独LIVE【NEW SUGGEST】
2021年03月13日(土)代官山UNIT
OPEN 17:30 / START 18:00
優先入場+集合チェキ付きVIPチケット(Official Funclub限定)8,000円(tax in)
一般チケット 4,000円(tax in)
※ドリンク代別
※オールスタンディング
https://www.memetokyo.com/
ヒルネ逃避行単独LIVE【1st ONE-MAN LIVE「HATSUYUME」】
2021年03月27日(土)渋谷TSUTAYA O-nest
チケット 4,000円(tax in)
※ドリンク代別
※オールスタンディング
◎ヒルネ逃避行 公式Twitter
https://twitter.com/hirune_info
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