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2021/01/03 10:00

『ソウルフル・ワールド』ハービー・ハンコックのメッセージにインスピレーションを受けていた

 生まれる前の魂<ソウル>の世界を描く『ソウルフル・ワールド』が、ディズニー公式動画配信サービス ディズニープラスで現在配信中だ。

 ジャズ・ミュージシャンになりたいという夢を持つ音楽教師のジョーと、やりたいことがないとソウルの世界に留まっているソウルの女の子22番が出会い、人生において大切なことは何かを探す奇跡の大冒険を繰り広げる。劇中でジョーは、人生に楽しさを見つけられない22番に「地上の生活は価値がある」ということを伝えるのだが、制作当初ピート・ドクター監督はジョーの職業をサラリーマンや役者、研究者などどんなキャラクターにしようかと試行錯誤していた。そんなとき運命的に出会ったのが、ジャズの第一人者でありながら多彩なジャズ・スタイルの最先端を走る80歳のベテラン・アーティスト、ハービー・ハンコックの音声が入ったビデオだった。そのビデオを見たピート・ドクター監督はハービーのジャズに対する考え方にインスピレーションを受け、ジョーのジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師という設定の参考にしたという。

 ドクター監督は「僕たちはジョーにどんな情熱があって、22番に何を教えてあげられるのかということを考えていたんだ。科学者を参考にするべきか、ビジネスマンか一生懸命模索していた時に、まるで運命みたいにジャズ界の伝説バービー・ハンコックのビデオと出会った。『批判しないで、自分に与えられたものを何か価値のあるものに変えよう』というメッセージはまさにジャズを象徴し、これはまた僕らが作ろうとしている映画のメタファーであると思ったんだよ」と明かしている。まさにジャズは、何もない一の状態から周りにインスピレーションを受けて作り上げる自由な音楽。一瞬一瞬の出来事を大切にするジャズという音楽性は、本作のメッセージにも精通していて、たわいもない日常こそが人生において大切だと気付かせてくれるのだ。ジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師のジョーというキャラクターにも反映されており、ジャズの奥深さを知れば知るほど楽しくなる本作にぜひ注目してほしい。

 ピクサーの原点『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』、『ウォーリー』、そして監督作として<アカデミー賞長編アニメーション賞>を獲得した『カールじいさんの空飛ぶ家』、『インサイド・ヘッド』など、ピクサーの感動作に欠かせないピート・ドクター。現在はピクサーのトップ(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)となったピート・ドクターが「23年の歳月をかけて製作した」と言う自信作は、ディズニープラスにて独占配信中。


◎作品情報
『ソウルフル・ワールド』
ディズニープラスで独占配信中
監督:ピート・ドクター
オリジナルキャスト:ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイほか
日本語吹き替えキャスト:浜野謙太、川栄李奈ほか
(C)2020 Disney Enterprises, Inc./Pixar