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2020/12/25

Mr.FanTastiC「コロナ禍で時代が変わったんだったら、その時代でしっかり遊びたい」2021年爆走宣言インタビュー公開

 メガテラ・ゼロ(vo)中心に2018年6月結成。それから僅か1年でメジャーデビューを果たしたMr.FanTastiC(ミスターファンタスティック)が12月16日に待望のニューシングル『&』をリリースし、憧れのMR.BIGの領域へと更に踏み込んだこの新作についてバンドを代表してメガテラが語ってくれた。コロナ禍で活動制限を強いられた2020年だからこそ生まれた攻めの発想、今後ファンやリスナーを圧倒していく爆走宣言等々、ぜひご覧いただきたい。

◎Mr.FanTastiC メガテラ・ゼロ(vo)単独インタビュー

<よりMR.BIGの領域へ「ギターソロは絶対にないとダメ」>

--MR.BIGに憧れて結成されたMr.FanTastiCですが、コロナ禍で活動制限を強いられた2020年を経て今どんなバンドになっていると思いますか?

メガテラ・ゼロ:改めてまたMR.BIGのDVDを今観ています(笑)。

--どれだけ好きなんですか(笑)!

メガテラ・ゼロ:サンフランシスコのライブDVDを最近よく観ているんですけど、その中でメンバーと「音源ですらギターとドラムの凄さを見せよう!」という話をしていて。なので、多分これからはボーカルの量を減らして、楽器隊ソロパートを増やしていくと思います。

--よりMR.BIGへ近付いていくんですね。

メガテラ・ゼロ:本当にそうなんですよ! 結局はそこに憧れて始まったバンドなので、例えばポップな曲を作ったとしても「ソロは絶対にないとダメ、ギターやドラムが目立つ瞬間は必ず入れよう」と。そういう意識のもとで改めて曲を作り始めましたね。

--ライブでは、ツインギターのギターバトルがあったり、ドラムソロがあったり、MR.BIG的なアプローチはされていましたけど、そこでのオーディエンスの反応も見ながら「もっと振り切ってしまってもいいんじゃないか」と思えたところもあるんですかね?

メガテラ・ゼロ:ありますね。やっぱり最初はやってみなきゃ分からないことだからだったんで、模索するしかなかったんです。ライブ始めた頃のギターバトルなんて、お客さん「ポカン」としてましたからね(笑)。そこでギターのふたりが「どんなギターソロだったら楽しんでもらえるのか」研究し始めたんです。その結果としてだんだん受け入れられてきた。

<ビリー・シーンにゲストで来てもらう(笑)>

--HR/HM全盛期に音楽を聴いていた世代は、今現在の日本のロックシーンにおいてMR.BIG的なアプローチをするバンドが出てきただけで嬉しいわけですけど、Mr.FanTastiCは若いオーディエンスが支えているバンドじゃないですか。そうなると「そもそもMR.BIGって何ですか?」と思われる。

メガテラ・ゼロ:「MR.BIG? あ、大きい存在になりたいんですね!」って言われたことがあります(笑)。まぁでもファッションと同じなのかなと思っていて、昔のファッションが一周まわって最先端になったりする。で、僕らは「MR.BIGが最先端になる時代がまた絶対やってくる」と思っているわけですよ。だって、あんなソロを弾くバンドなんて今いないじゃないですか! それを信じてるからこそ僕らはずっとこのスタイルで音楽をやっていくし、この先もっと追及していきたいと思っているんです。

--それこそギターソロすらライブで聴いたことがない世代を相手にしているわけで、でも彼らにとっては「こんな面白い音楽があるんだ!」と新鮮に楽しめる音楽になる可能性がある。そこはすごく有意義ですよね。

メガテラ・ゼロ:今、ギターソロを弾いてる若手のバンドなんてほとんどいないですからね。だからこそ、やっぱりソロの気持ち良さというモノは味わってみないと分からない。なので、やり続けるしかないですよね! というか、みんなに「MR.BIGのDVDを観てくれ!」と言いたい(笑)。あのソロの世界観を味わって、ソロの凄さというモノをまずは知ってほしい! 音楽について何も知らない人が観ても「めちゃくちゃ巧い」って分かる瞬間しかないから!

--そしたら「Mr.FanTastiCはこれがやりたかったんだ!」と分かってはもらえますよね。もうMr.FanTastiC主催でMR.BIGのヒアリングパーティーとかやったら(笑)?

メガテラ・ゼロ:やっちゃいますか! ライブDVDを流しながら「これ! これ! 俺たちがやりたいのこれ!」みたいな。で、ビリー・シーンにゲストで来てもらう(笑)。

<もっともっとワガママにやってくれ! 格好付けてくれ!>

--ちなみに、コロナ禍で活動制限を強いられた2020年は今振り返るとバンドにとってどんな1年になったなと感じていますか?

メガテラ・ゼロ:年末年始にファンのみんなとビールで乾杯するライブをやったんですけど、あのタイミングでやっておいて良かったなって。あれが一番やりたいことだったんで(笑)。コロナ禍では絶対にやれないことでしたから、思いついたらすぐやっておくことって大事だなと思いました! まぁでも本当に凄い時代になっちゃったんで、それ以降はライブも全然出来ませんでしたし……ただ、そこで思ったんですよ。だからこそ「あの3人(つっくん(g)、ナナホシ管弦楽団(g)、ふじゃん(dr))の凄さを見せられる音源をどんどん作っていこう」と。そこで「音源ですらMR.BIGに近付こう、凄い奴らがいると思わせよう」という意識になれたんですよね。

--真の技巧派集団を目指そうと。

メガテラ・ゼロ:それがMr.FanTastiCの美学みたいになっていると思うんですよね。やっぱりバンドの長所をもっと伸ばしていきたいし、いつまでも凄くなっていきたい。目標としているMR.BIGがあれだけ人間離れしているんで、まだ伸びしろは全然あると思うんですよね(笑)。その人間の進化をライブで体現できないんだったら、音源で表現していけばいい。なので、今回のニューシングル『&』以降、2021年はバンバン音源を出してやろうと思っているんです(※実際にクリスマスに次なる新作『ooh』を来年2月17日にリリースすると発表)。元々ネットの世界で曲作りまくっていた連中なんで、ライブももちろん大好きなんですけど、かと言って「ライブが出来なくなったから、音楽たのしくない」みたいな感覚は全くないんですよ。

--そのリリースラッシュの火蓋を切るニューシングル『&』は、自身ではどんな作品に仕上がったなと感じていますか?

メガテラ・ゼロ:それこそMR.BIGの尖っている感を意識して、演奏でも尖り、歌詞の内容でも尖り、歌い方でも尖り、とにかく尖りまくっている。原点回帰ですね。本来、俺たちがMr.FanTastiCでやりたかったことを躊躇なく表現している。これまではメンバーがちょっと「ボーカルをもっと聴かせなきゃいけない、前に出させてあげなきゃいけない」みたいな感じで遠慮してくれちゃっていたんですよ。あと、楽曲全体を綺麗に見せる為にドラムをちょっと単調に叩いてみたり。でも「そんな遠慮はしなくていいから、もっともっとワガママにやってくれ! 格好付けてくれ!」と言い続けて、いよいよみんなが前に出てきてくれた楽曲群が『&』ですね。

<時代が変わったんだったら、その時代でしっかり遊びたい>

--歌詞も振り切ってますよね。BPMが速いからみんな気付かないかもしれないですけど、凄いこと歌っちゃってますよね(笑)。

メガテラ・ゼロ:特に1曲目の「Night & Day」は「ダッチワイフ」とか言っちゃってるし(笑)、だからミュージックビデオには出来なかったんですよ。ヤバい曲ってバレるから! 歌詞は読まれたくない曲なんです! それで代わりに「HOWEVER」でミュージックビデオを作ったという。

--いや、その「HOWEVER」も含めて、SNSで様々な思想や価値観が可視化されて突きつけられてくる時代に「よくこの3曲をリリースしようと思ったな!」と感じましたよ(笑)。

メガテラ・ゼロ:アハハハハ!

--でも「こういう時代だからこそ」という想いがあるんでしょうね。

メガテラ・ゼロ:そうですね。最近って浮気を正当化するような曲が多かったりとか、元カノのことをまだ「好きだよ」とか言わせているような歌詞がめっちゃ多いじゃないですか。「いいかげんにしろ!」と思って(笑)。

--「いつまで引きずってんだよ!」みたいなね。

メガテラ・ゼロ:そういうムードが蔓延している感じは気持ち良くないんで、とりあえず殴ろうと思って書いたのが『&』の歌詞たち(笑)。

--で、先程仰っていた通り、楽器隊も大暴れしています。

メガテラ・ゼロ:「HOWEVER」なんて楽器隊の殴り合いですからね。今、レコーディングで出来る限りの殴り合いをしてもらっている。歌詞もボーカルも減らして、その分、ドラムソロも入れて、ギターソロもバチバチに入れて、とにかく「おまえらが目立ってくれ、おまえらが格好良いんだから」という意識で作り上げている。

--そんな『&』を皮切りに始まるMr.FanTastiCの快進撃、今日の話を聞く限りでは期待しかないです。

メガテラ・ゼロ:コロナ禍で時代が変わったんだったら、その時代でしっかり遊びたい。なので、2021年は、2019年の2,3倍ぐらい、2020年の10倍ぐらいの音源をガンガン発表していきたいと思っています。とにかく新曲を作ってリリースしまくって、その熱量で「ライブをやった気でいよう!」みたいな(笑)。で、またライブが出来る状況になったら「ぜんぶ新曲じゃん! ライブ初披露の曲しかないんだけど!」みたいな感じにしてやろうかなと。みんな、初めてだらけでノリが分からない(笑)。でも、400曲ぐらいあるアーティストもいるんだから、あと380曲ぐらいは作らないと!

Interviewer:平賀哲雄

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