2020/10/12
ハロー!プロジェクトで伝説的な活躍をしてきたBerryz工房、Buono!のメンバーである夏焼雅が、2016年に小林ひかると二瓶有加と3人で結成したボーカル&ダンスユニット・PINK CRES.。来年にデビュー5周年を控えた今、最高傑作と呼んで過言じゃないアルバム『Soleil』を完成させた。
そんな傑作と彼女たちの物語を世に広めるべく、Berryz工房やBuono!の話からPINK CRES.への想い、各メンバーの魅力、アルバム『Soleil』で届けたかったものについて3人揃い踏みで語ってもらった。ポップでキュートな3ピースながら伝えたい確かな想いを持つPINK CRES.からのメッセージ、ぜひ受け取ってもらいたい。
◎PINK CRES.(夏焼雅、小林ひかる、二瓶有加)インタビュー
<夏焼雅にとってのBerryz工房、Buono!、PINK CRES.>
--来年2021年に結成5周年を控えた今、PINK CRES.はどんなユニットになっていると感じますか?
二瓶有加:それぞれの役割やキャラクターがすごくハッキリしてきたなと感じていて、三者三様の魅力や面白さを初めて観た人にも分かりやすく伝えられる。そういうグループになってきているんじゃないかなと思います。
小林ひかる:今回のアルバム『Soleil』もそうなんですけど、1曲1曲ごとに各メンバーのその子らしさが出ていたりするので、そこにも注目してもらいたい。
--夏焼さんは、これまで3組のグループで活動しています。PINK CRES.の個性を明確にする為にも、それぞれ自身にとってどんなグループだったか聞かせてもらってもよろしいでしょうか?
夏焼雅:Berryz工房は友達でもあり、姉妹でもある。年齢も性格もバラバラだったんですけど、みんな同じ学年みたいな気分でいられる存在で、楽しいことはみんなで楽しむし、苦しいときはみんなで苦しむし、全部を共感し合う。なので、私の人生で他に出逢ったことのない人たちだったと思います。あと、ハロプロの中でもすごく歪だったというか、性格的にも「他のグループにはいないんだろうな」と思われる子たちの集まりだった気がしていて、無期限活動停止後もBerryz工房のメンバーみたいな性格の人に会ったことがないので、本当にオリジナリティの凄い女の子の集団だったんだと思います。我が強い。それでよくあんなに長くグループ活動を続けられたなと思いますよ(笑)。でも、今でも、ずっとどこかで繋がっているんだろうなって気がします。大切だし、不思議な存在。
--長いアイドルシーンの歴史の中でも、Berryz工房みたいなグループって他に存在しないですよね。個性派アイドルが星の数ほどデビューしている時代になっても、ポストBerryz工房は出てこない。
夏焼雅:そうなんですよね。探してみても、不思議と居ないなとはずっと思っていて。私がハロプロを卒業してからも、いろんなアイドルの子たちを見ているんですけど、何故か「Berryzっぽいなぁ」と思うようなグループが全然いないんですよ。それは凄いなと思います。そういう人たちがいないからこそ、私は復活ライブとかしたいなと思っているんですけど(笑)。
--あくまで無期限活動停止。解散はしていないですからね。
夏焼雅:なので、希望はちょっとはあるのかなって。
--小室哲哉さんも引退したけど、復活しましたし。
夏焼雅:そうですよね。何が起きるかは分からない(笑)。
--では、続いて、Buono!はどんなグループだったなと思いますか?
夏焼雅:Buono!は、これまた不思議で、プライベートで出逢っていたらそれぞれが違うジャンル過ぎて、お友達にもなってなかったのかなって(笑)。それぐらいバラバラの性格だなと思っていたんですけど、でもライブになると物凄い一体感を発揮したり、歌も声質が全然違う3人なのに、1曲になるとすごくマッチし合う。ハロプロにいるときの2人(鈴木愛理/嗣永桃子)ってぶりっ子も似合うような可愛いアイドルだったので、そこに私がいるってずっと不思議だったんですよ。「かわいい、かわいい、急にギャル」みたいな(笑)。だから最初は「これ、どうなっていくんだろう?」って不安しかなかったし、ファンの人たちもきっとそういう風に思っていたと思うんですよね。でも、バンドが入って、そこでライブをしたらガールズロックバンドみたいな、急にクールな印象になって、すごくしっくり来たんです。
--いわゆる「かわいい」アイドルグループとは一線を画しましたよね。
夏焼雅:音楽的に言うと、ハロプロはずっとオケでライブをしていたんですけど、Buono!はバンドでぜんぶ生演奏。なので、すごく勉強にもなったし、Buono!での活動があったからこそ「歌い方や表現の仕方が変わったね」とすごく言われるようになって、それまでそんな風に言われることって全くなかったので、自分でもビックリしたし、それだけいろんなことを経験できたグループだったんだなって思います。
--そして、今現在はPINK CRES.で活動されている訳ですが、そもそもBerryz工房、Buono!に続いて第3のグループを組もうと思ったのは何故だったんでしょう。ソロで活動していく選択肢もきっとありましたよね?
夏焼雅:そうですね。でも、私は人と競ったりすることがすごく好きで、近くに誰かがいるとより「頑張ろう」って気持ちになれるんですよね。ソロという選択肢もたしかにあったんですけど、グループで活動できる時期って年齢的に限りがあると私は思っていて、その中で「今できることをしたい」と思ったときにメンバー同士で何かを共有し合ったりとか、お互いの良いところも悪いところも見せ合って刺激し合ったりとか、そういうことを今は大切にしたいと思ったんですよね。それでオーディションを開催したんですけど、1回目が合格者ゼロだったんですよ。なので、ひかると二瓶は2回目のオーディションの合格者だったんですけど、実は1回目も受けていて、リベンジだったんですよね。
<PINK CRES.のオーディションを2度も受けたメンバー>
--1度落ちてもリベンジに臨んだ。どうしてそこまで夏焼さんのグループに入りたいと思ったんでしょう?
小林ひかる:私は元々ハロー!プロジェクトさんのファンで、よくライブに行ったりもしていたんですけど、同世代の女の子がすごくキラキラしながら頑張っている姿ってめちゃくちゃ格好良いなと思っていたんです。そんな中、ファッション雑誌でオーディションがあることを知って、私はファッションも大好きなんですけど、「ファッションに関連するグループで、雅ちゃんのグループ。私の好きなモノしかない!」と思って人生で初めてオーディションを受けたんです。それで1回目は落ちてしまったんですけど、2回目のオーディションの前に「武道館でのBuono!のライブに新グループが出る」という情報を事前にキャッチして、それには絶対に出たいと思って、もう一度受けることにしたんです。
--その結果、PINK CRES.のメンバーとして活動することになった訳ですね。
小林ひかる:最初は何にも分からない状態だったんですけど、自分の知らないことを知っていける喜びもありましたし、2人にたくさん支えてもらったから今日まで頑張ってこれた。私が1人で落ち込んでいたりすると、2人が本当にさりげなく助けてくれるんですよ。本当にマイナスからのスタートだったので、2人のおかげで「これが出来るようになった」とか……もう赤ちゃんですよね(笑)。それをファンの皆さんもスタッフの方も温かい目で見守ってくださって、本当に環境に恵まれて活動できているなと感じています。
--ということは、小林さんは今4才ってことになるんですね。
小林ひかる:もうすぐ5才になります(笑)。
夏焼雅:ひかるは天然というか、不思議ちゃんというか、急に突拍子もないことをやってくるんですよ。ライブのMCとかでも「人間は……」みたいなことを急に語り出して……
二瓶有加:突然、哲学を語り出す(笑)。
夏焼雅:なので、そういうところにも注目してもらいたいと思います(笑)。
--元々ハロプロのファンだったということは、夏焼さんがBerryz工房やBuono!で活動している姿をファンとして観ていたということですよね?
小林ひかる:観ていました! ライブはよく行ってましたし、ハロコンにもよく行ってました。なので、雅ちゃんと初めて会ったときは、ファンとしての感想をめっちゃ言ってしまった記憶があります。合格したときに「おめでとう!」ってハグして下さったんですけど、そのときに心の声が漏れちゃって「かわいい~!」って言っちゃったんですよ! 特典会みたいになっちゃいました(笑)。
--二瓶さんはどうして夏焼さんのオーディションを受けようと思ったんでしょう?
二瓶有加:私は小さい頃からずっとダンスをやっていて、とにかくステージに立つことが大好きだったんですね。なので、10代の頃からいろんなオーディションを受けたりしていたんですけど、ぜんぶ落ちてしまって……気付いたら20代になっていたんですよ。でも、私も元々ハロー!プロジェクトさんが大好きで、雅ちゃんのことはもちろん知っていたんですけど、Berryz工房さんが無期限活動停止をされて、雅ちゃんが新しいグループを結成するという告知があったときに「私、絶対に受ける!」と思って。そんなに深くいろいろ考えずに「絶対に受かりたい!」という想いだけで次の日には応募したんです。ただ、あと1,2年もしたら就職活動も始まってくる状況だったから「これがラストチャンスだ!」とは思っていました。そしたら、落ちちゃって(笑)。
--ラストチャンスを逃したわけですね(笑)。
二瓶有加:オーディション会場へ行ったときに「あの子もこの子もかわいい!」みたいな状況で、私は劣等感のカタマリになっていたんですよ! それで「もうダメだ!」と思っていたことはよく憶えています。でも、ダンスには自信があったので、ダンス審査のときだけは、審査員の人をめちゃくちゃガン見しながら踊っていました(笑)。それでも落ちるんですけど、ひかると同じ理由で2度目のオーディションを受けたんですね。そしたら、そのときは気持ち的に吹っ切れていたのか、変な緊張もせず、謎に自信スウィッチが入って。あとからオーディション映像を見ても、ひかるに対して「負けねぇ!」みたいなバチバチ感が出ているし、自分でもビックリするぐらい堂々としていましたね。
--そのオーディションに合格して4年。自分では、PINK CRES.においてどんなメンバーになれているなと思いますか?
二瓶有加:良い意味でも悪い意味でも私は勢いの人なんですよ(笑)。切り込み隊長的な感じになれたらいいなと思っていて、PINK CRES.の……
夏焼雅:爆弾です。
--それって褒め言葉ですか(笑)?
夏焼雅:何か困ったときにポンってしたらバーン!ってなる。
一同:(笑)
夏焼雅:それは二瓶の良いところだと思います。
二瓶有加:あと「意外と取っ付きやすいんだな」みたいな、親近感を感じてほしいなとは思いますね。「PINK CRES.の二瓶ちゃん、話しやすい。近く感じる!」みたいに思ってもらえたら嬉しいなと思うし、その分パフォーマンスでみんなをビックリさせたい気持ちもすごくあります!
<再び出逢えるまでこのアルバムで元気になってもらいたい>
--そんな2人と歩んできたPINK CRES.。夏焼さんから見てどんなグループになっているなと思いますか?
夏焼雅:やっと私も自分らしさを出せるようになってきたというか、リーダーを務めるのはPINK CRES.が初めてだったので、それはもちろんプレッシャーだったし、自分で立ち上げたグループだからこそワガママは言えない感じもあって。それで学ばせてもらったモノは多かったんですけど、最初は「2人を引っ張らなきゃ」っていう気持ちだけで精一杯になっちゃって、なかなか「楽しもう!」って感じにはなれなかったんですよね。それより「PINK CRES.を知ってもらう為には何をしたらいいんだろう?」みたいなことばかり考えちゃっていたんですけど、ようやくメンバーそれぞれのキャラも立ってきて、役割分担も出来てきたことによって、ライブとかラジオでも「私が引っ張る!」というより、それぞれに自分らしく話したり振る舞えたりするようになってきた。だから、今は私も楽しんで活動できているなと思います。
--ちゃんとトライアングルとして成立するようになってきた。それが今回のアルバム『Soleil』には顕著に反映されているなと思います。
夏焼雅:それぞれの個性や主張が明確に表現できていますよね。あと、今回のアルバムは、私自身もすごく挑戦した作品になったなと思っていて。どの新曲もハロプロ時代には歌ってこなかったジャンルだったので、そういう意味でもすごく変化を感じてもらえるんじゃないかなって思います。
--スウィングジャズからカフェミュージック、トランス、バラードまで多種多様ですもんね。1枚1枚シングルとして出しても良いぐらい主張の強い楽曲になっている。ゆえに何回でも聴ける、リスナーやファンの間口も広げられる傑作だと思うのですが、そんな作品のタイトルに『Soleil』と名付けたのは?
夏焼雅:今、コロナ禍でお仕事が今まで通り出来なくなっちゃった人も多いでしょうし、私たちもライブが無くなっちゃったり、ファンのみんなと会えなくなっちゃったりしているんですけど、でもだからこそ音楽を届けたいなと思ったんですよね。私たちも今回のレコーディングで歌うことですごく元気になって、気分が晴れたりもしたし、音楽って人に力を与えられるモノなんだなって改めて感じたんです。アルバムタイトルの『Soleil』は「太陽」という意味なんですけど、太陽も見ているだけで元気になるし、浴びなきゃいけないモノだし、人間にとって本当に大切なモノじゃないですか。私たちの音楽もみんなにとってそんな存在になれたらなと思って『Soleil』と名付けました。なので、まだしばらくなかなかファンの人とも会えないんですけど、再び出逢えるまでこのアルバムで元気になってもらいたいです!
取材&テキスト:平賀哲雄
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