2020/10/05 17:00
マシン・ガン・ケリーの新作『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』は、昨年7月にリリースした前作『ホテル・ディアブロ』から約1年ぶり、5枚目のスタジオ・アルバム。TOP10には5作連続でランクインしているが、首位獲得は意外にもマシン・ガン・ケリーにとって初の快挙となる。
1st『レースアップ』(2012年) 4位
2nd『ジェネラル・アドミッション』(2015年) 4位
3rd『ブルーム』(2017年) 8位
4th『ホテル・ディアブロ』(2019年) 5位
5th『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』(2020年) 1位
マシン・ガン・ケリー自身はヒップホップにカテゴライズされているが、本作はパンクを中心とした内容で、ブリンク182のドラマー=トラヴィス・バーカーもプロデューサーとして参加している。こちらも意外であるが、2020年度のチャートでロック・アルバムが首位を獲得するのは本作が初で、2019年9月14日付チャートでトゥールの『フィア・イノキュラム』が獲得して以来、約1年ぶりとなる。
『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』の初動ユニットは126,000で、そのうちアルバム・セールスが63,000、アルバム・ストリーミング(SEA)が60,000、楽曲単体によるユニット数(TEA)が3,000程度だった。週間視聴回数は8,110万再生で、今週最大のアルバム・ストリーミングを記録。売上には、公式ウェブサイトで販売されたグッズのバンドルも含まれている。
発売5日後の9月30日には、6曲が追加されたデラックス・エディションが再リリースされ、ストリーミング、セールスが更に上昇した。主にはストリーミングの強いヒップホップ系のアーティストだが、今年は6位にダウンしたジュース・ワールドの『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』やダベイビーの『ブレイム・イット・オン・ベイビー』など、同様の手法でヒットしたアルバムが多数ある。
今年は、本作『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』と、その『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』、『ブレイム・イット・オン・ベイビー』を含む計6作が、<Interscope Records>系列からリリースされたアルバムとして首位を獲得している。
1月25日 セレーナ・ゴメス『レア』
2月1日 エミネム『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』
5月2日 ダベイビー『ブレイム・イット・オン・ベイビー』
6月13日 レディー・ガガ『クロマティカ』
7月25~8月1日 ジュース・ワールド『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』
10月10日 マシン・ガン・ケリー『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』
そのうち<Bad Boy Records>から発売されたアルバムとしては、2008年4月12日付チャートでDay26の『Day26』が獲得して以来、12年半ぶりの首位獲得となる。
続いて2位に初登場したのは、K-POPグループSuperMの1stフル・アルバム『Super One』。初動ユニットは104,000で、101,000がアルバム・セールス、アルバム・ストリーミングはわずか3,000だった。売上には、公式ウェブサイトで販売されたグッズのバンドルや、特典違いのパッケージ・セールスなどが含まれている。昨年10月にリリースした1stEP『SuperM』は、初動168,000ユニットを記録して1位にデビューした。
3位にデビューしたのは、メディア・プラットフォーム<88rising>所属のアジア系ヒップホップ・アーティスト=Joji(ジョージ)の新作『ネクター』。2018年に発表した1stアルバム『バラッズ1』から約2年ぶり、2作目のスタジオ・アルバムで、最高3位を記録したその『バラッズ1』に続き、2作連続のTOP3入りを果たした。
本作『ネクター』の初動ユニットは92,000で、アルバム・ストリーミングが50,000、アルバム・セールスが41,000といずれも安定したポイントを獲得している。週間視聴回数は7,113万再生で、『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』に迫る高ストリーミングを記録した。前2作同様に、セールスには公式ウェブサイトで販売されたグッズのバンドルが含まれる。なお、本作のCDは一般販売されておらず、公式サイトのみで購入できるため、CDセールスはわずか2,000枚程度だった。
初登場作品が続き、5位には米カリフォルニア出身のロック・バンド=デフトーンズの『オームズ』がデビューした。初動ユニットは49,000で、そのうち43,000がアルバム・セールス、アルバム・ストリーミングはわずか6,000だった。週間セールス43,000のうち14,000枚がLPによる売り上げで、今週のビニール・アルバム・チャートでは1位でデビューしている。
『オームズ』は、2016年4月にリリースした前作『ゴア』から約4年半ぶり、9枚目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りは6作目のランクインとなる。
3rd『ホワイト・ポニー』(2000年) 3位
4th『デフトーンズ』(2003年) 2位
5th『サタデイ・ナイト・リスト』(2006年) 10位
6th『ダイヤモンド・アイズ』(2010年) 6位
8th『ゴア』(2016年) 2位
9th『オームズ』(2020年) 5位
2012年リリースの7thアルバム『恋の予感』はTOP10入りを逃したが、最高11位を記録している。
8位には、キャリー・アンダーウッド初のホリデー・アルバム『マイ・ギフト』が初登場。アルバム・ストリーミングはわずか1,000ユニットで、総ユニットのほとんどをセールスが占めた(41,000)。キャリー・アンダーウッドは、これでデビュー作『サム・ハーツ』(2005年)からすべてのスタジオ・アルバムをTOP10にランクインさせている。
1st『サム・ハーツ』(2005年) 2位
2nd『カーニバル・ライド』(2007年) 1位
3rd『プレイ・オン』(2009年) 1位
4th『ブローン・アウェイ』(2012年) 1位
5th『ストーリーテラー』(2015年) 2位
7th『クライ・プリティ』(2018年) 1位
8th『マイ・ギフト』(2020年) 8位
現時点では唯一TOP3入りを逃したアルバムだが、ホリデー・アルバムはクリスマス時期が近付くにつれ順位を上げる傾向にあり、12月までに最高位を更新する可能性は高い。次週以降、過去の名盤~新作含むホリデー・アルバムがランクインし始めるだろう。
10位にデビューしたのは、ラッパー/シンガーのトリー・レーンズによる新作『デイスター』。初動ユニットは36,000で、そのうち34,000がアルバム・ストリーミング、アルバム・セールスはわずか2,000だった。週間視聴回数は4,770万再生を記録している。本作は、昨年11月に発表した4thアルバム『Chixtape 5』(2位)から1年経たずしてリリースされた5枚目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りはミックステープ含む6作目のランクイン。本作には、今年「サヴェージ」が初の首位を獲得したフィーメール・ラッパー=ミーガン・ジー・スタリオンの発砲事件に言及した曲も含まれており、話題を呼んだ。トリー自身は事件への関与を否定しているが、真相は不明。
今週は、TOP10に6枚の新作がデビューした。2020年度としては最多ランクインで、6枚の新作が同日付チャートで初登場したのは約2年ぶりの記録となる。Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、10月9日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』マシン・ガン・ケリー
2位『Super One』SuperM
3位『ネクター』Joji
4位『シュート・フォー・ザ・スターズ、エイム・フォー・ザ・ムーン』ポップ・スモーク
5位『オームズ』デフトーンズ
6位『レジェンズ・ネヴァー・ダイ』ジュース・ワールド
7位『フォークロア』テイラー・スウィフト
8位『マイ・ギフト』キャリー・アンダーウッド
9位『トップ』ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン
10位『デイスター』トリー・レーンズ
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