2020/09/09 16:45
故アヴィーチーが生きていれば31歳になっていた2020年9月8日に、父親のクラース・バークリングがSirius XMのEDMチャンネルBPMに出演し、生前息子に何度もツアーを休むよう説得を続けていたことを明かした。
Sirius XMのEDMプログラミング責任者であるジェロニモ(Geronimo)とのリモート・インタビューで、クラースは“毎日のように、毎年のように”息子に声をかけていたと述べ、「ティムが経験したような大きな成功を手にすると、音楽業界は、ご存知の通り、人を飲み込んでしまう。多くの時間を移動と音楽制作に費やしながらも、当時はそれでとても幸せだったのだろう、浮き沈みやいろいろなことを経験しながらも。彼は幸せで、プロデュースをし、創造していた。親としてはここストックホルムにいながら、もちろん息子に帰ってきて休んでほしいと思っていた」と語っている。
アヴィーチーことティム・バークリングは、依存症や心の病との闘いの末、2018年4月20日にオマーンのマスカットで自殺した。クラースは息子の苦悩に気付いていたと振り返っているが、一方で家族としてどう手を差し伸べればいいのか苦慮していたとも語っている。「特に晩年は。心の病はうつ病ともつながっている。見えるし、感じるし、“この人は助けが必要だ”と言いそうになる。ティムはこれらのサインを正式には出していなかったけれど、私たちは彼のマネージメントと彼を2回止めた。だがそれは(晩年のことだった)。もちろん家族はそれまでに何回も彼を心配することがあった」と彼は述べている。
「“何故何もしなかったんだ?”と思うかもしれない。私たちはたくさんのことをしていた。それは確かだ」とクラースは続け、「ティムは大人だった。それも理解すべきことだ。彼は自分で判断していた。彼を閉じ込めておくわけにはいかなかった。そうやって対処できることではない。あと彼は常に制作もしていたから、とても奇妙な状況だった。今こうして別の角度から見れば、当然ながら“止めてあげればよかったのに”と言うのは簡単だが、私たちは彼を止めていたんだ」と、複雑な心境を語っている。
アヴィーチーの本質を最もとらえていると感じる楽曲はあるかとジェロニモに聞かれたクラースは、「私は彼の音楽をずっと何度も何度も繰り返して聴き続けている。妻のアンキもそうだ。とても難しいな。例えば、“ウェイク・ミー・アップ”を初めて聴いた時、好きじゃなかった。何回か聴いているうちに理解できるようになった」と答え、1曲だけ選ぶことはできないと語っている。
また、いつ頃から息子が特別だと気付いていたかと聞かれると、クラースは込み上げる涙をこらえながら、「とても幼い頃からと言えるだろうね。音楽制作を始めるずっと前からだよ。子どもの頃からとても優秀だった。絵もうまかったし、想像力がとても豊かだったし、学校で非常に独特な物語を書いてきた。言語を学ぶ際にちょっとした物語を書かなければならないのだけれど、彼は才能があり、ユーモアもあり、ドラマチックだった。あと彼はとても真面目だった。とても幼い頃から真面目な一面を見せていた。神経質だった。冗談ばかり言うことを嫌った」と振り返っている。
このインタビューは、全米自殺予防週間に合わせてBPMチャンネルが13日まで開催している【Avicii Birthday Tribute for Mental Health Awareness】の一環として行われ、アロー・ブラック、アーミン・ヴァン・ブーレン、Bonn、デヴィッド・ゲッタ、Joe Janiak、レイドバック・ルーク、マーティン・ギャリックス、ニッキー・ロメロ、ナイル・ロジャースなど、アヴィーチーとゆかりのある人々が、彼の思い出や自分自身の心の病との闘いなどについて率直に語っている。
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