2020/08/26
サザビーズが、2020年9月15日に開催する初のヒップホップ・オークションで、故ノトーリアス・B.I.G.と故2パック(トゥパック・シャクール)関連の貴重なアイテムが出品される。
1980年代半ばから90年代半ばまでの“ヒップホップ黄金時代”を回顧するこのオークションでは、象徴的な品々、コンテンポラリー・アートや芸術品、唯一無二の体験、このジャンルに特化した写真、ファッション関連アイテム、歴史的価値のあるものや現代のジュエリーや高級品、貴重なチラシやポスターなど、全部で120ロットが出品される。アフリカ・バンバータ&ソウルソニック・フォース、クイーン・ラティファ、デ・ラ・ソウル、ノーティ・バイ・ネイチャーなどを世に送り出したトミー・ボーイ・レコードで90年代に社長を務めていたモニカ・リンチがオークションを共催している。
中でも注目の2大スターに関連したアイテムは、ノトーリアス・B.I.G.の最後のフォトシュートとなった有名な“King of New York”(KONY)のポートレートで実際に使われた王冠と、2パックが高校時代に綴った当時の恋人宛の22通のラブレターだ。
“KONY”は、1997年3月6日に写真家バロン・クレイボーン(Barron Claiborne)によって撮影され、ビギーはその3日後に米ロサンゼルスで撃たれて死亡した。王冠は長年クレイボーンが所有していたが、チャリティーの側面も持つこのオークションで手放す決断をした。王冠の内側には“Crown from Biggie KONY Shot NYC 3-6-97”と書かれており、ビギーとクレイボーン双方のサインが入っている。このロットは王冠だけでなく、“KONY”の36 x 40インチプリント3枚(全てクレイボーンのサイン入り)、“KONY”の10周年記念プリント、そしてコンタクト・シートがセットになっており、推定落札価格は20~30万ドル(約2,100万円~3,200万円)となっている。
一方、2パックの手紙は、共にBaltimore School for the Artsの高校2年生だったキャシー・ロイ(Kathy Loy)宛に、1987年3月から1988年4月にかけて書かれたものだ。二人の交際は2か月程度だったが、2パックは実に24枚、裏表で計42ページ分も思いの丈を綴っており、その内容は交際中に書かれた詩的なラブレターがほとんどと、翌年に後悔の念を綴った手紙が1通、そしてグリーティング・カードも1通含まれている。これらのラブレターの最後は、"Love, Tupac”、"4 Eternity(永遠に), Tupac”、"With Passion(情熱を込めて), Tupac”、"Forever Yours(永遠に君のもの), Tupac”、"With All My Heart(一途に), Tupac”など、数々のロマンティックな表現で締め括られている。
手紙には、高校時代からの友人でクラスメイトだったジェイダ・ピンケット・スミスに言及する箇所や(「俺が君のことをどれだけ愛しているか分かるってジェイダに言われたよ」)、母アフェニ・シャクールに付いて書かれている箇所もある。また、当時まだ駆け出しだったラッパーという職業を本格的に続けるべきか悩んでいることを告白している。高校生の彼は、「昔のマネージャーが来て、ラップから引退しないでって言ってたけれど、俺は却下されるのが苦手だし、時間もないから(引退しようかな)と思っている」と綴っている。2パックのロットの落札価格は6万~8万ドル(約640万円~850万円)と予想されている。
このオークションの収益の一部は、米ニューヨークで暮らす低収入やマイノリティーの若者に、DJや音楽制作ワークショップを通じて起業家精神、リーダーシップ、生活技能などを教えるNPO Building Beatsに寄付される。
9月11日から9月15日のオークション当日にかけて、出品アイテムがサザビーズ・ニューヨークで展示される(予約制)ほか、ネットでもデジタル・ギャラリーが閲覧可能になる。
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