2020/07/14
米ビルボード・チャートにおいて、商品やコンサート・チケットとセットでバンドル売りされるアルバムのカウント方法が再び変更されることになった。2020年1月3日からルールが改正されたばかりだったが、今回の新ルール適用後はバンドル売りされたアルバムはカウントされなくなる。
今年1月から適用されていたルールでは、アルバムが商品とバンドル売りされていたとしても、同時にその商品が個別に購入できるようになっていればアルバム・セールスとしてカウントされていた(商品単体の価格はバンドルより低く設定されていなければならない)。また、アルバム・バンドルはアーティスト直営のオンライン・ショップで販売されなければならず、第三者サイトを通じて販売されたものはチャートに反映されないというルールも適用されていた。
それ以前はほぼ野放し状態だったバンドル売り商法のチャートへの影響を制限し、アルバムそのものを入手したいという消費者の意向を反映させる目的で開始された新ルールだったが、さほど効果がみられなかったため、バンドル売りそのものを除外する運びとなった。
開始日は未定だが、今後チャートに反映されるためには、アルバムを商品やコンサート・チケットと同時購入する場合、アルバムは追加物として販売促進されなければならない。アルバム価格が提示されずに、バンドルの一部としてのセット価格で販売された場合はカウントされなくなる。こうすることにより、消費者の意向がより明確に反映されると米ビルボードは期待している。
今回はさらに、フィジカル・アルバムやシングルにデジタル・ダウンロード・コードが付随している場合、これをデジタル・セールスとしてカウントしない方針を固めた。これは初週売上を促進するために、まだ生産されていないアイテムを利用する慣習に歯止めをかけるためで、今後はそのアイテムが実際に出荷された時に米ビルボードのチャートに反映されるものとする。
米音楽業界では、生産または出荷されるのが実際には数週間から数か月先になる見込みのアナログ盤やCDを含むフィジカル・リリースに、デジタル音源を即日ダウンロードできるコードをつけて販売する戦術が広く実践されている。最近もジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデ、そしてシックスナインなどのアーティストが、チャートで上位を狙うためにこの手段を選んだ。
米ビルボード・チャートでは、発足時から一貫して消費者の意向を正確に反映することを目標としてきた。年々増加傾向にあるバンドル販売を巡っては、購入する消費者の目的が明確でないことから、アルバム数としてカウントすることに懸念を示す声が多かった。米ビルボードでは、これらの新ガイドラインの適用により、全てのアーティストの条件を公平化し、より正確に消費者の意思を反映するチャートにしていくことを目指す。
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