2020/07/09
一部の自宅隔離命令が全米で緩和される中、ニールセン・ミュージック/MRCデータによる新型コロナウイルス調査第5弾の結果で、消費者は屋外でより多くの時間を過ごし、ソーシャル・メディア、テレビ、ビデオゲームなどに費やす時間が少なくなったことが分かった。また、近いうちにライブ・イベントに行くことにますます興味を持っており、経済活動再開でショップが営業したことで音楽の売り上げが大幅に増加した。何万人もの米国人が参加したBlack Lives Matter (ブラック・ライヴズ・マター、黒人の命は重要)の抗議活動により、オーディオとビデオのストリーミングは著しく落ち込んだ後、回復している。
以下、13歳以上の米国消費者1050人の代表的なサンプルから6月10日~14日に収集されたデータに基づいた最新レポートの5つのキーポイントとなる。
1. 6月初旬の鈍化後、ストリーミングは正常レベルまで上昇。カントリー・ミュージックが根強い人気
全米でのBlack Lives Matterの抗議活動に合わせて6月上旬は、ストリーミングが全体的に低下したが、オーディオとビデオのストリーミングは通常時まで回復している。特にカントリー・ミュージックは上昇を続けており、パンデミック開始以来、オーディオ・ストリーミングは毎週13%の著しい利益を上げた。実際、カントリー・ミュージックはパンデミックからこれまでの期間、上昇している唯一のジャンルで、R&B/ヒップホップは5.8%、ダンス/エレクトロニックは5.9%減少している。それでも18か月以前にリリースされたカタログ音楽が減少分を補っているように見え、ストリーミング全体の数字を落とさせないでいる。
2. 米国内での経済活動再開で、ビデオ・ストリーミングの新規加入は減少
パンデミック開始以来初めて、NetflixやHuluのようなビデオ・ストリーミング・サービスへの新規加入は減少した。この原因は屋外活動の増加と経済活動再開の結果の可能性が高い。そうは言っても、サブスクリプション・ストリーミングにおいて、依然とビデオが最も人気のある選択肢であるのは変わらない。新しいサービスの追加を報告した人の中で、72%がビデオ・ストリーミングのプラットフォームに加入し、音楽ストリーミングの加入は45%だった。
3. ライブ・イベント参加への意欲がますます増加するが、観客数が懸念される
消費者が通常の生活に戻り、マスク着用に慣れるにつれ、マスク着用や検温などの強化された安全対策のもとでのライブ・イベントの復帰を、人々は喜んで受け入れているようだ。回答者の26%がパンデミック後1か月以内にライブ・イベントに参加する可能性が高いと答え、前回の調査から5%上昇した。その中で、10代の回答者が最も増加したグループで、31%がコンサートに参加する可能性が高いと述べ、前回の調査から7%増加した。しかし、ライブ・イベントが再開してもアリーナよりも小さい会場を好むようで、パンデミック後1か月以内にライブ・イベントに参加する可能性が高いと答えた回答者の中で、63%の多数派が収容人数250人以下の会場でのライブ・イベントに参加する意思があると答えた。
4. ライブ・ストリーミングは依然と人気
パンデミック発生以来、ライブ・ストリーミングへの関心は安定している。最新の調査で、回答者の22%が、過去2週間でバーチャル・コンサートやライブ・ストリーミングを視聴したと答え、37%は今後2週間でバーチャル・コンサートやライブ・ストリーミングの1つを視聴するだろうと答えた。現在、ブランドがライブ・ストリーミングの人気を活用しようとしのぎを削る中、スポンサー付きのヴァーチャル・ショーは支持するが、広告の使用については消費者の意見は分かれると今回の調査は示唆する。少なくともツアー収入の損失によって収入が減少しているアーティストを支援するのであれば、消費者は熱心である。調査結果によると、回答者の59%がライブ・ストリーミングでアーティストをサポートできるなら、ブランドを好意的に見ると答え、前回より4%上昇した。
5. 小売業は回復中
米国各地の音楽店の営業が再開しただけではなく、消費者も店舗での買い物を熱望している。独立系およびチェーンの音楽ショップの両方で、パンデミックの過程においてアルバムのフィジカル・セールスが一貫して増加しており、小売業者全体の1週間のフィジカル・セールスは98万200枚に増加し、コロナウイルス危機が始まった74万2900枚から32%増加した。
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