2020/06/13 11:00
今週の洋楽まとめニュースは、BTSに関する話題から。BTSが、所属事務所のBig Hit Entertainmentとともに、Black Lives Matter (ブラック・ライヴズ・マター/BLM、黒人の命は重要)運動へ100万ドル(約1億900万円)を寄付したことが明らかになった。先週、BTSは「私たちは人種差別に立ち向かいます。私たちは暴力を非難します。あなたも私も皆、尊重される権利があります。私たちは団結します。#BlackLivesMatter」とBLM運動への連帯を表明するメッセージを英語と韓国語で公式SNSに投稿していた。そしてこれを受けて、ファンのA.R.M.Yも一丸となりBLMや人種的平等に取り組む団体へ同額を寄付したことが明らかになった。ファンによるチャリティ・プロジェクトOne In An ARMYは「私たちもBTSのように、警察の蛮行に対して抗議して逮捕された人々のための保釈金、構造的な不平等と戦う黒人による権利擁護団体、ブラック・コミュニティーの肉体的、精神的ケアのための資金調達を支援するために100万ドルを寄付することができました」という声明を発表している。
BTS、Black Lives Matter運動へ約1億円を寄付
BTSのBlack Lives Matterへ1億円寄付を受けて、ファンも同額の寄付金を集める
ジョージ・フロイドの殺害を受けて全米から全世界へと抗議運動が広がる中、全米国内における新旧プロテスト・ソングのストリーミング回数が急増していることが、ニールセン・ミュージック/MRCデータの調べによって明らかになった。6月2日に、#TheShowMustBePausedと#BlackOutTuesday運動の一環として、Spotifyが全58曲入りのBlack Lives Matter (ブラック・ライヴズ・マター/BLM、黒人の命は重要)プレイリストを公開したこともあり、これらのタイムリーな楽曲の再生が特に急増した。中でも、プレイリストをキックオフする、ジェームス・ブラウンによる1965年の「Say It Loud - I'm Black and I'm Proud」のオーディオとビデオの再生回数が最も伸びており、前週の火曜日(5月26日)の総再生回数2,000から6月2日は375,000となり、15,740%増となっている。また、ケンドリック・ラマー「Alright」、チャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」の2曲が、6月2日に100万再生を突破した。
全米各地で続く抗議運動を受けて、プロテスト・ソングのストリーミング数が急増
米大手コンサート・プロモーターのAEGが、7月1日より大幅な人員削減を実施する。6月8日、同社最高経営責任者のダン・ベッカーマンは、今回の従業員とコスト削減は新型コロナウイルスの感染拡大により世界的なコンサートやイベント中止の長期的な影響が原因であると、メールで発表している。一時解雇、一時帰休、給与削減の組み合わせで実施され、AEGプレゼンツ、【コーチェラ・フェスティバル】、【ファイアフライ・フェスティバル】などのイベントやエルトン・ジョンやセリーヌ・ディオンなど世界的スターによるツアーを担当するコンサートとフェスティバルのプロモーション部門を含め全部門が対象となる。同社は4月に従業員全体の給与削減を発表し、解雇は回避していた。しかし、コンサート業界の営業停止や所有する会場が使用されていない状況、フェスティバルと世界的なツアーが延期および中止されたため、収益を上げることができなかった。
米大手コンサート・プロモーターAEG、大規模な人員削減を実施へ
さて、今週の米ビルボード・ソング・チャートでは、ダベイビーの「ロックスター feat.ロディ・リッチ」が自身初のNo.1を獲得した。ダベイビーがソング・チャートで首位を獲得するのは初の快挙で、「ロックスター」以前の最高位は昨年リリースした「Suge」の7位だった。先週3位に上昇した「ロックスター」は、週間3,480万回を記録してストリーミング・チャートで3週目の1位をマーク。11,000ダウンロードを記録して、デジタル・ソング・セールス・チャートでは5位から4位に、前週から22%増の2,000万回までオンエア数を伸ばし、エアプレイ・チャートでは44位から36位にそれぞれ順位を上げ、首位に到達した。これを受けて、ダベイビーは自身のTwitterで「俺は何もないとこから、ここまでやってきた」と綴り、「いや、マジで、何もなかった。俺は全く完璧ではないけれど、どんなことも乗り越えてきたし、今後もたくさんのことを乗り越えなきゃいけないと思う。それでも一緒に来てくれるんだったら、俺の手を握って、さあ行こう。そうじゃないんだったら、ファック・ユー。幸運を祈ってるよ」と黒いハートの絵文字を添えて、投稿している。
【米ビルボード・ソング・チャート】ダベイビー&ロディ・リッチ首位浮上、セイント・ジョンが初のTOP10入り
ダベイビー、初のHot 100首位獲得にコメント
そしてアルバム・チャートでは、レディー・ガガの新作『クロマティカ』が自身6作目のNo.1デビューを果たした。Billboard 200での首位獲得は、『アリー/スター誕生』を含む通算6作目で、最高2位を記録したデビュー作『ザ・フェイム』(2008年)以外すべてのアルバムが、首位を獲得している。アルバムの初週ストリーミングは8,716万回で、今年リリースされたポップ・アルバムの週間最高視聴回数を打ち出した。なお、2020年度(2019年12月~)としては、ハリー・スタイルズの『ファイン・ライン』が2019年12月28日付チャートで記録した1億8,700万回がポップ・アルバムの週間最高ストリーミングで、全てのジャンルを含むと、3月21日付チャートでリル・ウージー・ヴァートの『エターナル・アテイク』が記録した4億4,000万回が、現時点での週間最大ストリーミングとなる。そして10位には、エル・P、キラー・マイクによるヒップホップ・デュオ=ラン・ザ・ジュエルズの3年半ぶりとなる新作『RTJ4』が初登場した。本作は、最高13位をマークした前作『ラン・ザ・ジュエルズ3』に続く4枚目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りは意外にも本作が初となる。
【米ビルボード・アルバム・チャート】レディー・ガガ6作目の首位、アニュエルAA/ラン・ザ・ジュエルズ初のTOP10入り
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