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2020/05/29

新型コロナ禍で音楽ストリーミングは堅調、最新米調査発表

 ニールセン・ミュージック/MRCデータによる新型コロナウイルス調査第4弾の結果は、ボブ・ディランの「The Times They Are A-Changin'」の歌詞を彷彿させる。つまり、進行中のコロナウイルスの中で、アーティストは泳ぎ始める必要があり、今泳がなければ石のように沈んでしまうのだ。バーチャル・コンサートは、生ライブの代役にはならないが、ファンはヴァーチャル・コンサートの視聴にますます興味を示している。

 アメリカ連邦議会は、失業者を支援するよう呼びかけを行っているが、アーティストは物販商品を購入する余裕があるファンにリーチしなければならない。レコード会社にとっての朗報は、消費者のサブスクリプション・サービスの利用が、パンデミックの時代から繁栄する時代へと、堅調に推移するようだ。MRCデータの新型コロナウイルスに関する最新のレポートでは、今年3月以降の時間の変化の詳細が説明されている。

1. 音楽は復活、キッズはさらに音楽を欲している
 最初の減少後、5月7日までの週のオーディオ・プラットフォームでの音楽ストリーミングは、前週の-2.1%から0.9%に上昇した。音楽ストリーミングは3月26日までの週に平均から9.4%下回った後、着実に成長している。ミュージック・ビデオも順調で、過去7週間は毎週増加し、5月7日までの週は平均の12.5%を上回っていた。新型コロナウイルス流行の期間の視聴の仕方はジャンルによって異なる影響を与え、ビジネスや学校の閉鎖により人々が自宅待機するようになって以来、カントリーは爆発的に増加している。5月7日までの1週間で、カントリー音楽のストリーミングは平均よりも21.4%上回った。学校が閉鎖され、家族が自宅で過ごす時間が増えたため、子供向け音楽のストリーミングは1月中旬から5月初旬まで毎週平均を上回っている。レコード会社はツアー延期に合わせて新作リリースの日程も遅らせるのは再考すべきだ。パンデミックの期間、自宅スタジオで数多くの作品を作ったアーティストは、新しい音楽を出し惜しみするべきではない。なぜなら、42%の回答者がこれまでに聴いたことのないアーティストの新しい音楽を聴いていると答えているからだ。

2. パンデミックによる経済的影響の中、消費者は音楽サブスクリプションへの支払いを継続
 MRCデータによると、過去2週間に新しい音楽サブスクリプション・サービスを追加した人(「サブスクリプション追加者」)のうち84%が、新型コロナウイルス以降も支払い続ける可能性が高いと回答した。これは、これまでの3回の調査結果だった79%、76%、78%から増加している。同時に、財政的に厳しい中で消費者は支出に対してより識別するようになり、サブスクリプション追加者のうち29%は他のサブスクリプションをキャンセルしたと回答し、3回前の調査から17%増加した。

3. ツアー・ビジネスが成立しない中、消費者はよりアーティストをサポートすることを望んでいる
 ミュージシャンは2020年に恐ろしい財政的課題に直面している。ツアーでの収入がなくなっただけでなく、米議会のCARES Act(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act)を通じて行われるローンの一部は日雇いミュージシャンは利用できない。最新の調査では、消費者の43%はアーティストの物販商品や音楽を購入することでアーティストをサポートしたいと回答しており、3月23日の週の36%から増加した。データによると、Tシャツ、アルバム、他の商品など、ファンはアーティストに利益をもたらす限り、商品を購入することを示している。新型コロナウイルスの最中、マーケティングを行いたいブランドについては、55%の人がアーティストをサポートする方法を見つければ、そのブランドを好意的に捉えると述べ、3月23日の週の47%から増加した。

4. 消費者はヴァーチャル・コンサートを歓迎
 ヴァーチャル・コンサートの長期的な見込みは不明だが、過去2か月に関してはヴァーチャル・コンサートの偏在が、パンデミックにおいてアーティストの認知度を高めるのに役立った。MRCデータによると5人に1人がヴァーチャル・コンサートを鑑賞している。ライブ・ストリーミング技術が発展すれば、消費者はヴァーチャル・コンサートの体験にさらに満足するだろう。現在、ライブ・ストリーミングの財政的な可能性は不明である。一般人の29%と10代のわずか17%がヴァーチャル・コンサートに料金を支払うと回答した。しかし、ヴァーチャル・コンサートはアーティストの印象を改善したり、ライブ・コンサートへの渇望を刺激することになると調査で明らかになっている。

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