2020/04/26
新型コロナウイルスの感染拡大により4月7日に感染者の多い7都府県に出された緊急事態宣言は4月16日には対象が全国に広げられた。不要不急の外出が困難となり、多くの商業施設に営業自粛が求められているが、そんな中、人々がどのように音楽に接しているのか、ここでは音楽ソフトのセールスが、以前とどのように変化しているのかを調査してみた。
最初に、4月7日に7都府県に緊急事態宣言が出た週(2020年15週:4月6日~4月12日)及びその次の週(2020年16週:4月13日~4月19日)を比較する事により、CDアルバムセールスの販路や地域にどの様に影響があったかを検証してみる。
まず、15週及び16週と、コロナウィルスの影響が出ていない2019年(年間)のEコマース及び店舗での、CDアルバムの販売比率をSoundScanJapanのセールスデータを元に調査し、グラフ化したのが図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/87330/2)である。また店舗売上については各地域別にグラフに載せている。
グラフを見ると15週の時点でかなり店舗(Eコマース以外の部分)の比率が減少し、Eコマースの比率が増加しているのがわかる。15週の時点で緊急事態宣言の対象となった都府県を含む関東(黄)・近畿(茶)・九州(濃紺)は2019年と比較して大きく下がっている。そして16週になると緊急事態宣言は対象が全国に広げられ、関東・近畿は更に縮小し、15週では影響をあまり受けていなかった中部(青)も減少する結果となり、逆にEコマースは更に伸びる結果となっている。
時期的な背景であるが、7都府県に緊急事態宣言が出された4月7日(火)までは、通常通り営業していた店舗が多く、4月8日(水)以降に営業自粛し、休業に入る店舗が多くみられた。近年のCDショップにとっては、一週間のうち最もCDが販売される曜日は新譜のフラゲ日である火曜日であり、緊急事態宣言の当初対象都府県の店舗であっても、15週においては新譜フラゲ日の4月7日(火)は稼働していた。対して16週は月曜から日曜日まで休業している店舗の多い16週に比べると影響は少なかったため、関東や近畿は2段階に減少し、4月7日の緊急事態宣言に含まれた県がなかった中部は1週間遅れて影響を受けているのが見て取れる。
16週の時点では4月16日(木)までは営業をしていた店舗も含まれるため、17週以降は更に店舗での販売比率は下がるかもしれない。一方コロナウィルスはまだ収束の気配をみせておらず、我々はかつてない危機の中にいるが、その様な時にこそ音楽は我々を元気づけてくれる物だと信じている。一刻も早くコロナウィルスを克服し、元の社会に戻るよう切に願う。
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