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2020/04/22

新型コロナで延期になったチケット返金を巡り、ファンが米ライブ・ネイションを集団訴訟

 全米の野球ファンが開幕戦の中止に落胆し、未だに今シーズン試合が行われるか先行きが不透明な中、メジャーリーグと大手チケット販売サイトが、チケット返金を求めるファンによる数億円の集団訴訟に面している。

 デイヴィッド・アザール弁護士は訴状で「倒産の危機に直面しながらも、米国では多くのビジネスがパンデミックの中、中止されたイベントの返金に応じるなど、消費者に対し合法的かつ倫理的に対処しています。その反面、米国の娯楽である野球は、同様の正しい対応をファンに対して行っていません」と述べ、「数か月先までスタジアムは空のままで、経済危機の中、ファンは、高額で開催される目処が立たない試合のチケットを抱えている状態です。”試合延期”という言い訳のもと、メジャーリーグ・ベースボールの指示で、球団とチケット業者は予定通り行われない試合のチケット返金を拒否しています。仮にもし今年試合が行われることがあったとしても、それは無観客試合になるでしょう」と訴えた。

 ニューヨーク・メッツの2020年シーズン・チケット購入者とニューヨーク・ヤンキース対ボストン・レッドソックスの5月に行われる6試合のパッケージ購入者によって起こされた訴訟は、メジャーリーグ、それぞれの球団、チケット業者のスタブハブ、チケットマスターとその親会社であるライブ・ネイションが訴訟対象である。代表原告人はいずれも米ニューヨーク州在住だが、弁護人は、ライブ・ネイションやロサンゼルス・エンゼルスとロサンゼルス・ドジャース同様に、米カリフォルニア州を拠点としているため、この裁判の結果は同州の居住者にも影響する可能性がある。

 今回の集団訴訟は、通常のシーズン・チケットを球団から直接購入した人々と二次流通でのチケット購入者という2つの集団に分類される。彼らは、不正な競合、共同謀議、不当利益を訴えており、満額の損害賠償と被告が消費者に権利を通知すること、パンデミックに関連した返金を拒否することへの禁止命令を求めている。

 スタブハブは、進行中の告訴についてはコメントできないとし、メジャーリーグベースボールとライブ・ネイションからはコメントの要求に返答がなかった。

 先週金曜日、ライブ・ネイションとチケットマスターのコンサート・チケット返金方針に対して同じような訴訟が起こされた。“延期、日程変更、中止”の場合は返金可能としていたが、公演中止の場合のみ返金に対応すると3月14日に遡及的に変更を行ったことで訴えられ、振替日程発表から30日以内であれば、返金を行うという方針に再度変更されたばかりだ。