2012/11/29 19:45
業界関係者や同業者の中にも多くのファンを持つ日本屈指のロック・バンド、ソウル・フラワー・ユニオンの中心人物 中川敬が、アコースティック・ソロ・アルバム第2弾『銀河のほとり、路上の花』を11月23日にリリースした。
前作以来、約1年半ぶりの新作となる『銀河のほとり、路上の花』は、新曲「それでも私は海が好き」やソウル・フラワーのセルフカバー「海へゆく」「潮の路」と、海を題材にした楽曲タイトルが目立つ1枚に。思えば昨年末にソウル・フラワーとしてリリースしたシングルも『キセキの渚』だったが、それは意図したことではなくあくまで“結果的に”だと中川は言う。
今年だけで40回以上も反原発デモに参加している彼は、震災直後より被災地での出張ライブも何度となく行っている。「自分の中に刻みこまれた新たな原風景。それは女川の海であったり、南三陸の海であったり、南相馬の海であったり……。それらは俺の中で祝島や辺野古の海とも繋がっている。言語化するのは難しいんやけど、今曲を書くと海が出てきてしまうんやろうね」。
また、新曲として1曲目に収録された「それでも私は海が好き」については、こんなエピソードも教えてくれた。「被災地に行った時、“酷いことがあったけど、やっぱり私は海が好きなのよね”って言ってるお婆ちゃんに出会った。その表情が印象的で。いざ歌詞を書こうと思ったらすーっと出てきた言葉やった」。
一方、上記セルフカバーの選曲についても、昨年東北でのライブ後に被災したファンとの談話が与えた影響はあったそうだ。震災後のボランティアとして遺体の収容など厳しい仕事をやらざるを得ない中で、作業をしながら彼らが口ずさんで自らを励ましていた歌が「潮の路」や「そら ~この空はあの空につながっている」だった。そんな話を各地で訊いた中川は、これらの楽曲をアコースティックで録音しようと思い描いたそうだ。
こうして1年半のセルフポートレートとも言うべき1枚を完成させた中川敬だが、12月からはソウル・フラワー・ユニオンの年末恒例ライブを各地で開催。来年1月にはチャラン・ポ・ランタンをゲストに大阪、東京、宮城と巡るソウル・フラワー・モノノケ・サミットの新春ツアーも決定している。
◎ソウル・フラワー・ユニオン ライブ情報
【年末ソウルフラワー祭 2012】
12月8日(土) 名古屋 CLUB QUATTRO
12月9日(日) 大阪 umeda AKASO
12月11日(火) 広島 ナミキジャンクション
12月12日(水) 福岡 DRUM Be-1
12月15日(土) 東京 LIQUIDROOM ebisu
12月17日(月) 仙台 MACANA
【COUNTDOWN JAPAN 12/13】
12月31日(月) 幕張メッセ国際展示場1~8ホール、イベントホール
◎ソウル・フラワー・モノノケ・サミット ライブ情報
【モノノケ・サミット2013! 新春! 初踊りツアー】
<2013年>
1月19日(土) 大阪 SUNHALL
ゲスト:チャラン・ポ・ランタン
1月24日(木) 東京 下北沢GARDEN
ゲスト:チャラン・ポ・ランタン
1月26日(土) 宮城 石巻 La Strada
ゲスト:チャラン・ポ・ランタン
-----------------------------------
取材・文 杉岡祐樹
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像