2012/11/28 18:00
今年の2月に映画『荒川アンダー ザ ブリッジ』でまさかの主題歌大抜擢を受けた3人組 ザ50回転ズが、11月28日にロマンチシズムの結晶となるミニアルバム『Do You Remember?』をリリースした。
THE BLUE HEARTSやRC サクセション、SONHOUSEにクラッシュ、ピストルズ……。10代の頃、パンクロックに憧れた3人が結成したザ50回転ズは、ラモーンズ譲りのおかっぱ頭に揃いの衣装、コンバースを履いた両足で各地のライブハウスを行脚し、騒がしい一夜を届けているロックンロールバンドだ。
2010年のレーベル移籍以降、“ロックンロール3部作”と称して3枚のミニアルバムを発表。音楽不況の時代もあってセールス面では厳しい勝負が続いているが、骨っぽくも時にコミカルで、何処かいなたいサウンドを貫き通す姿勢は、シーンからの評価も高い。事実、先の映画主題歌に抜擢された際も、前々からファンだったという監督から直々にオファーを受けたほどだ。
<世界が驚嘆! 郷ひろみやAKB48とのコラボも>
過去を顧みれば、彼らの凄みをより理解してもらえるだろう。2004年にバンドを結成した彼らは、自主制作したCDを手に関西方面で活動を開始。そのアグレッシヴなライブパフォーマンスが評価され、翌05年には早くもテレビ初出演を遂げてしまう。
さらに、同年秋に本場NYでの初ライブを敢行すれば、帰国後にはフジテレビ『FACTORY』にまで初出演。オーストラリアやカナダのFM局でも高評価を獲得と、まるでレジェンドバンドのようなサクセスストーリーを持つ。他にも、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』での主題歌起用、『僕らの音楽』での郷ひろみとの共演、音楽番組でのAKB48とのコラボなどなど。節々で印象的な地上波進出を果たしている逸材なのだ。
<セールス面での苦戦>
しかし、前述通りセールス面については苦戦続きだ。2006年にメジャーデビューしたワーナーミュージック・ジャパン時代は、4年間でフルアルバム3枚、シングルとミニアルバムを2枚ずつリリース。その上、年に二度三度と続くツアーと活動は多忙を極めたが、ライブ動員数の増加がCDセールスに反映されていかない。結局、2009年1月の3rdアルバムを最後に、彼らはレーベルから契約を切られてしまう。
2010年の秋には、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズへ移籍。“新しい方向性を……”というレーベルからの要望に応えて、『ロックンロール・マジック』よりミニアルバム3部作を発表する。
中でも世界の音楽を題材にした『ロックンロール世界旅行』は、相当な自信作だったそうだ。ダニー(vo,g)は「世の中が変わるかもしれん!」と胸躍らせるほどの手応えをもって世に送り出したが、その反応はやはり厳しかった。
<止まったレコードが また回り出すように>
こうした波瀾万丈!?な軌跡を経て、ザ50回転ズが11月28日にリリースするのがミニアルバム『Do You Remember?』だ。“俺、あの頃嫌いだった大人になってないかな?”というキャッチがつけられている本作だが、一番の推し曲はやはり1曲目「あの日のロックンロール」。以下、ダニーの言葉だ。
「7~8年やってきて、音楽を離れていく友だちがいれば、お客さんの顔ぶれも変わってきて。俺たちはずっとココにいるのに、変わっていく環境があって。“俺たちは本当に変わってないのかな?”って、ふと立ち止まる瞬間もあったりするので、自然に出てきた歌詞なのかもしれませんね」
「あの日のロックンロール」では、誰の胸にも残る昔の青臭さを照れることなく、センチメンタルにロマンチックに歌い上げられていく。“止まったレコードが また回り出すように 何度も歌うんだ”というサビは、彼らのこれまでや現状を知った上で聴くと、なかなか泣ける歌詞だ。
ミニアルバム『Do You Remember?』には他にも5曲の新曲を収録。こちらはスタジオライブ録音という、彼らの醍醐味をそのままパッケージした音源になっている。発売日の11月28日からはこの作品を引っ提げての全国ツアーもスタートするので、“最近、骨のあるロックがない……”とお嘆きの人は、是非一度ザ50回転ズのロックンロールに触れてみては如何だろうか。
◎ザ50回転ズ 『あの日のロックンロール』
http://youtu.be/r7qp7U4zMvY
◎ミニアルバム『Do You Remember?』
2012/11/28 RELEASE
AICL-2459 1680円(tax in.)
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