2020/01/06
ニルヴァーナの元メンバーが、2020年1月4日に米ロサンゼルスのハリウッド・パラディアムで開催されたArt of Elysium主催の【Heaven is Rock and Roll】ガラで集結し、往年の名曲を数曲ゲスト・ヴォーカルを迎えて披露した。
Art of Elysium(アート・オブ・エリジウム)は、1997年から恵まれない人々、特に子どもたちを、ボランティアのアーティストとつなげる活動を続けている非営利団体だ。
ドラマーのデイヴ・グロール(現フー・ファイターズ)、ベーシストのクリス・ノヴォセリック、そしてギタリストのパット・スメア(現フー・ファイターズ)は、2014年に【ロックの殿堂】入りした際のパフォーマンス同様、故カート・コバーンの代わりにセイント・ヴィンセントをヴォーカルに迎えてミニ・ライブを披露した。今回はほかに、ニルヴァーナの大ファンを公言しているベックと、グロールの13歳の娘ヴァイオレットもヴォーカルで参加している。
元メンバーの3人は、2018年の【Cal Jam '18】でもニルヴァーナとして再結成していたが、団体の活動に感銘を受けて再びステージに戻ってきた形だ。Art of Elysiumのスタッフ、ボランティア、後援者、セレブ、そして入場が許された少数のファンからなる観客の前で、「あと4、5年は(再結成しない)って言ったけど、誘惑に勝てなかったんだ」とノヴォセリックは語った。
それぞれの現在の活動の中で、あえてニルヴァーナの曲を極力演奏しないことで有名な彼らだからこそ、時折訪れる再結成の瞬間が殊更特別に感じられる。今でもコバーンが意図したとおりの迫力で名曲の数々を演奏できる彼らのセットは、1秒たりとも無駄にならない勢いがあった。
まずセイント・ヴィンセントことアニー・クラークが、抑えつつも力強い「リチウム」でセットを開始すると、次にベックがギター・ソロ付きで「イン・ブルーム」、続いて『インセスティサイド』より「ビーン・ア・サン」を披露。彼は、「僕の人生で最も常軌を逸したモッシュ・ピットはここだった」と、1990年にニルヴァーナがソニック・ユースのオープニング・アクトを務めたライブを回想し、「終始持ち上げられていたことは覚えていて、終わったら両手から出血していたんだけど、何故だか分からなかった」といちファンとして参加した体験を明かした。そんな彼は、30年後に同じパラディアムのステージにメンバーと立てたことが嬉しくて仕方ないといった様子で、終始笑顔でパフォーマンスを披露していた。
そしてセイント・ヴィンセントとベックは、故デヴィッド・ボウイの「世界を売った男/The Man Who Sold The World」(伝説となった1993年の『MTV Unplugged』でニルヴァーナがカヴァーし、すっかり自分たちのものにしてしまった楽曲)のパフォーマンスを一緒に披露した。最後はグロールの娘ヴァイオレットが、低く悲しげな歌声で「ハート・シェイプト・ボックス」を堂々と披露し、ミニ・ライブは終了した。
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像