2020/01/13
FM802が毎年年末に送るロック大忘年会【FM802 RADIO CRAZY】。今年は主催のFM802開局30周年を記念して初の三日間開催。終幕を迎えた最終日、三日目の模様をレポートする。
毎年、大阪の年末を飾るロック大忘年会【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY】(以下、レディクレ)が、今年もインテックス大阪にて開催。第11回目となる今回は、主催であるFM802の開局30周年というメモリアルイヤーのラストを締めくくるもので、12月25~27日という初の3デイズで行われた。白熱のライブが目白押しだったDay1・2同様に、最終日の12月27日も、ウルフルズやキュウソネコカミ、BIGMAMAなど人気アーティスト全30組が音楽で来場者をおもてなし。さらに特設サテライトスタジオなどにもFM802のDJ陣らと姿を現して公開収録や弾き語りを行って記念すべき"開局30周年のレディクレ"を大成功に収めた。そんな1日を彩ったライブの様子を、「Z-STAGE」を中心に8組をピックアップして紹介しよう。
朝一番の「Z-STAGE」を沸騰させたのはgo!go!vanillas。昨年の交通事故から復活を果たした長谷川プリティ敬祐は元気な姿を見せると、昨年のレディクレでファンが作り贈った"千羽蝶ネクタイ"のことを"本当にうれしかった。そのおかげで去年の今日、意識を取り戻せたと思う"と語った。また最後には、サポートを迎えた昨年の出演のあとに観客が自発的に「おはようカルチャー」を歌い出したことを受け、FM802と企画・募集し、DJ陣も参加して結成した"おはカル合唱部"との大合唱も! この大きな感動と幸せに包まれた光景はメンバーにとってもファンにとっても一生忘れられない思い出になったことだろう。
一方「R-STAGE」では、SAKANAMON・東京カランコロン・マカロニえんぴつというレーベルメイトの3組から成るTALTOオールスターズがその絆を見せつけた。それぞれの持ち味や進化を感じさせるナンバーを2曲ずつセレクトし、マカロニえんぴつのターンではSAKANAMONのドラマー・木村が加わって盛り立てると、ラストには彼らのコラボナンバー「TALTOのレシピ」を…。舞台上ではメンバーが演奏中の長谷川(マカロニえんぴつ)を笑顔で取り囲んで歌い、実に楽しげ。また会場にも"ラララ…"のシンガロングが起こり、手が左右に大きく振られて一体感も抜群だった。
そして気温が下がりだした15:00過ぎ、力強いアクトで寒気を吹き飛ばしたのはSUPER BEAVERだった。"かかってこい!""飛び跳ねろ!""誰も置いてかないからな!"と、MCも曲も地続きでずっと煽り語り続けてアッパーチューンを連投。ファンも負けじと拳を突き上げ続け、歌い続け、大地を揺らすようなジャンプも連続させた。また、そんな前のめりの時間だっただけにバラード「人として」の威力は絶大で、同じ会場とは思えない静寂が訪れて観客は曲に没入。"信じ続けるしかないじゃないか"の問い掛けは、一人ひとりの胸に確かに突き刺さったはずだ。
また最終日には"FM802 DJ企画ステージ"も! それは"I'M FISH"~フィッシュマンズトリビュートだ。これは今年フィッシュマンズ・佐藤伸治没後20周年であることから、DJの土井コマキが提案したステージで、ホストバンドを実際にもフィッシュマンズのライブでボーカル経験のある蔡忠浩率いるbonobosが務め、福永浩平(雨のパレード)、三原健司(フレデリック)、牧達弥(go!go!vanillas)の3ボーカリストが参加した。時を経ても色あせることのないグッドメロディ&グルーヴは彼らの手でさらに鮮やかによみがえり、オーディエンスはその音世界に酔いしれた。
そして日没を過ぎた「Z-STAGE」は[Alexandros]の登場で入場規制に! 大観衆を気分よく跳ねさせるキラーチューンあり、アコースティックギターで綴る"まさに今日!"の曲ありと大満足のセットリストでライブを繰り広げて、最後列までみっしりのリスナーをメロディックかつ躍動感たっぷりかつのサウンドで魅了した。なかでもファンを喜ばせたのは、連ねた新曲2曲。タフに生き抜く姿勢を色濃く映し出した「Philosophy」の浸透力は高く、まだリリース前にも関わらずがっちりと観客の心をわしづかみ。フロアに大歓声とともに"ラララ"の歌声も響くほどだった。
そんな[Alexandros]の次に「Z-STAGE」に現れたのはクリープハイプ。チクリと刺す"尾崎節"を早々に全開させ"あのコール"が轟く代表曲や一昨年のFM802×TSUTAYA ACCESS! キャンペーンソングで作詞・作曲した「栞」などで会場のボルテージを高め切った。ちなみに「栞」はMCと同じく切れ味"鋭め"…かと思えば来年1月発表の新曲「愛す」ではどこか切なさも感じさせてドキリとさせてくれた。ちなみに尾崎は新曲についても"子どものようなもので、その後どこに託すのか?が大事。クリープハイプはいつもFM802に託してます。それで1か月ぐらいしたら立派に育ってます(笑)"とさすが!の表現だった。
19:30を超え、いよいよ「R-STAGE」は最終のフジファブリックへ! 実はFM802同様に2019年はメジャーデビュー15周年であり、志村正彦の逝去から10年が経つ区切りの年だった彼ら。それを物語るかのように今夜は新旧の楽曲がセレクトされ、そのサウンドで現在までのバンドの歩みを体感させてくれた。また山内は志村の急逝によりフィルムライブとなった10年前のレディクレを振り返り"(当時)ステージを見てたんですけど、その時の感情を忘れることはないです。で、10年経ってこのステージに立ってる。感動してます"と語った。熱量十分に奏でられたラストの「手紙」に、誰もが来年から始まる3人の新章に期待を高めたに違いない。
そして、3日間に渡る今年のレディクレも大トリのステージ、サカナクション! 彼らは超満員になった「Z-STAGE」の大空間に名曲を次々と放ちオーディエンスを踊りに踊らせ、歌いに歌わせ、全9曲の約40分間、最高潮をキープしたままだった。特に暗転から5人が並んでプレイする「ミュージック」では、ミクロとマクロが共存するような不思議な感覚に…。またどの曲にも通じる圧倒的なポピュラリティと遊び心とオリジナリティには、彼らの才能と無限の可能性を再確認せざるを得なかった。"2020年もみなさん、一緒に踊りましょう!"という締めくくりの山口の言葉。ぜひ早く実現させたい!
こうして3デイズで全85組もの豪華アーティストが熱いライブを立て続けた、FM802 30周年を祝う、記念すべき「FM802 30PARTY FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2019」は、熱狂と感動が渦巻くなか幕を下ろした。貴重な共演も多かった3日間のライブの模様はFM802の各番組内で随時オンエアされるほか、2020年1月13日(月・祝)19時からの特別番組「RADIO de LIVE CRAZY」でも放送決定。お聞き逃しなく!
文:服田昌子撮影:井上嘉和/阪東美音/田浦ボン/ハヤシマコ/松本いづみ/渡邉一生
◎イベント情報
【FM802 30PARTY FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2019】<終了>
12月25日(水)、26日(木)、27日(金)
会場:インテックス大阪
イベントURL:https://radiocrazy.fm/
◎特別番組情報
【FM802 RADIO CRAZY 2019 -RADIO de LIVE CRAZY-】
日程:1月13日(月・祝)
時間:第1部 19:00- 浅井博章、深町絵里
第2部 22:00- 落合健太郎、土井コマキ
第3部 25:00- 樋口大喜、板東さえか
【RADIO CRAZY】のライブ音源のみの9時間生放送。
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