2019/12/19
2010年から大阪を拠点に活動をスタートさせ、コンポーザー/プロデューサーの森善太郎を中心にペインターや写真家も含む11名の才人で構成されたコレクティヴとしてキャリアを重ねてきたSoulflex。最近ではシンガーのSIRUPがソロとして幅広い層から注目を集めてきた彼らだが、来年に活動10周年を迎えるのを目前に控え、西梅田のシャングリラにて初のワンマンライブを開催。よりアーバンな音楽性を示した今年リリースの2枚のアルバム『Collected 1』『Collected(2)』に収録された楽曲を中心に、見事にソールドアウトを記録して会場を埋め尽くしたファンとともに繰り広げられたライブは、これまでの歩みの集大成にして新たな始まりを予感させる熱い夜となった。
まずはバッキングを担当する5人のメンバーが登場し、ジャジー・ネオ・ソウルなインストを奏で始めると、フロントのSIRUP、ZIN、Ma-Nuの3人のシンガー/ラッパーが加わって心地よいグルーヴに求心力のあるMa-Nuのラップと両サイドのシンガーの歌声が絶妙に絡む「City Resort」へ。そこからは曲間の切れ目なくグルーヴをキープしながら、重心の低いベースラインからの「Testimony」や叙情的なピアノのイントロからバラード調でじっくり聴かせる「24」など。最新のR&Bから70年代ニューソウルのフレイバー、硬質なドラムブレイクを伴った生演奏ヒップホップまでと、変幻自在に様々な要素を繰り出しながらの多彩なグルーヴと楽曲で、序盤の6曲を一気に駆け抜けた。
ここで関西人らしい気さくさが顔を出すMCを挟んで、アーバンかつスペイシーなシンセのリフから「Honeysuckle」、フリースタイル調のラップから突入してすでに熱気が渦巻く場内のボルテージをさらに加熱させた「Free Ya Mind」など。初のワンマンとは思えない巧みなステージ運びで改めてライブバンドとしてのポテンシャルの高さを示すと、後半もアップリフティングなグルーヴを伴ってさらなる高みへと誘った「Like It」、祝祭的なサックスのリフも効果的な「Funner」、ファンキーなギターのカッティングから「Addiction」と、起伏に富んだ好チューンの連打で盛り上げた。
「こんなに来てくれてホンマにありがとう」とSIRUPが嬉しさを隠せないMCで集まったオーディエンスに感謝の意を伝えると、本編のラストは大阪を拠点にやっていくことを念頭に生まれたという初期の名曲「この街で」に続き、メロウな中に熱いメッセージが滲み出るような「Then」を。彼らの原点を示すような2曲で本編を締めくくると、アンコールでは流麗なエレピのリフとジャジーなフルートが映えるインストを挟んで、クリスマス・ソングの「This Christmas」、そして再びアーバンなグルーヴで盛り上げる「All Good」と最後まで緩急の効いたステージ展開で、関西発のグループとしては他に例のないクオリティの高さを演奏面でも楽曲面でもフルに発揮してくれた。来年の4月20日(月)には、SIRUPとの共演でも知られるギタリスト/プロデューサーのShin Sakiuraとの気鋭の2組でのツーマン公演が決定しており、ヒップホップ~R&B以降な日本発の次世代型グルーヴの新たな胎動を示す夜として、この組み合わせは見逃せない。
Text by 吉本秀純
Photo by Hanako Kimura (Soulflex)
◎公演情報
【Soulflex One-Man Live “Free Ya Mind"】
2019年12月18日(水)<終了>
大阪・梅田Shangri-La
詳細
https://soulflexofficial.tumblr.com/
◎公演情報
【Soulflex × Shin Sakiura
Re:flexion at Billboard Live OSAKA】
2020年4月20日(月)
ビルボードライブ大阪
出演:Soulflex、Shin Sakiura
イープラス最速先行受付
受付期間:2019年12月18日(水)21:00~2020年1月8日(水)23:59
※席抽選となります。
URL:https://eplus.jp/ss-bblo/
公演詳細:ビルボードライブ大阪
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