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2019/12/19

<インタビュー>『スター・ウォーズ』ジョン・ボイエガ&オスカー・アイザック 「希望を描いているのが今の世相を反映している」

 スター・ウォーズ最新作となるエピソード9『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が12月20日に日米同時公開される。1977年に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が全米公開されてから42年、遂に完結編を迎えることに多くのファンが興奮していることだろう。今回は、フィンを演じるジョン・ボイエガ、ポー・ダメロンを演じるオスカー・アイザックの2人にインタビューを敢行。短いインタビューではあるものの、冗談と真摯さを交えた、密度の濃い内容になっている。また、別の記事では、監督のJ・J・エイブラムスへのインタビューも公開している。


ーー先ほどの会見(12月18日に東京で行われたプレス・カンファレンス)で「このシリーズにお別れするのは寂しいな」と仰っていましたが、エピソード7でも見られた2人がバディを組むシーンも『スカイウォーカーの夜明け』にあると思います。そういうシーンで印象的だったところはありますか。

ジョン・ボイエガ:長い予告編で見れるファーストオーダーとのシーンの中で、フィンとポーとチューバッカが一緒に戦うところがあるのですが、あれは本当に撮影するのが楽しかったです。ポーが初めてコックピットから出て戦う状況で、それがすごく楽しくて。自分自身も童心に戻ったような感覚でした。

オスカー・アイザック:J・J(監督のJ・J・エイブラムス)は長回しで撮るんです。しかも、アクションシーンを全部ちゃんと振り付けていくので、ずっと撮りっぱなしで、廊下を駆け回ったり、ストームトルーパーがあっちこっちにいて火花が散ったり、そういう中でやらせてもらったので、ずっとテンションをキープできるんです。ですので、楽しかったですね。

ーーBB-8との共演シーンで1番印象的なエピソードはありますか。

オスカー:ないよ!

ジョン:あいつはパペットに過ぎないからね(笑)。修理中、頭を取った状態になって片隅に置いてあるのを見たときに脳が見えてて、デイジー・リドリー(レイ役)が「キャー!」って言ったことがありましたね。

ーーまた、会見ではレイの出自が明かされると発表されましたが、フィンの出自は明かされるのでしょうか。

ジョン:とても大きな物語がフィンにはあるのですが、今は明かすことが出来ません。

ーーそれを知ってジョン自身は驚きましたか。

ジョン:驚きはなかったです。エピソード7から感じていたことですが、フィンの遂げる旅路というのは、常に“恐れ”、人間の持っている人間らしい恐怖心を常に持っているキャラクターなんです。今まで自分が見てきた『スター・ウォーズ』では、登場してくるキャラクターは自然に爆発を起こしたり人を殺したりすることが出来る人たちですよね。つまり、戦争に対して躊躇しない感覚を持っています。でもフィンの場合は、私たちのような考え方や姿勢を持ってます。そういう人が急に銀河系のはるか彼方に連れてこられたみたいな感じなんですね。そして、色々なクリーチャーや権力に直面するのですが、どこかに恐れをフィンは持っていて。それでも立ち向かっていくのですが、自分だったらそういうものに直面するなら家にいたいなと常に思っていました。

ーー「フィンは私たちのような考え方や姿勢を持っている」とジョンは仰っていましたが、エピソード7以降の『スター・ウォーズ』の世界と現代の社会情勢で似ているところを感じますか。

オスカー:今回のトリロジー(エピソード7・8・9)だけでなく、たぶんオリジナルのトリロジー(エピソード4・5・6)から、その時代のストーリーを作品に反映させている部分はあったと思います。エピソード4・5・6が公開されたころはベトナム戦争が終わった頃だったので、その当時の世界では全体主義が台頭している地域もありましたし、それに対抗する動きもありました。そのような動きがオリジナル・トリロジーに反映されていたと思います。全体主義に関しては、今でもそういった側面が見られると思います。世界の中では色々なファシスト的なイデオロギーや極右政権が台頭しているところもありますし、他者や移民といった“違う”人が侵入してくるのではないかという恐れを利用して政治を司ろうとしている政治家もいます。だからこそ、このトリロジーでは「Hope」という言葉も出てきますけど、希望を描いているのが今の世相を反映している結果だと思います。ケリー・ラッセルが演じるゾーリ・ブリスのセリフで「彼らよりも私たちの方が、集まれば多いんだよ」というのがあるんです。つまり、思いを1つにした人たちがちゃんと結託すれば、相手に折れることなくチャンスを見出すことが出来るということなのですが、これはたぶん今の人たちが聴きたいセリフなんじゃないかなと思います。

<J・J・エイブラムス監督のインタビューはこちら>

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