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2019/12/09

<【SCOPES Tokyo】レポート>DJ KOCO a.k.a. SHIMOKITA/DJ松永/ANONYMOUSがトークセッションを開催

 11月22日~12月7日に東京・SO-CAL LINK GALLERYにて【SCOPES Tokyo】が開催され、12月2日には同会場内に設置されたSCOPES LoungeにてMCにNonkeyを迎え、DJ松永とDJ KOCO a.k.a. SHIMOKITA、そしてANONYMOUSとトークセッションが行われた。

 【SCOPES Tokyo】とは、ポルシェによる次世代向け独立型ブランドエキシビションで、過去にはベルリンやアムステルダムでも開催。日本における【SCOPES】は「Changing Perspectives -時代を牽引するパイオニアとポルシェの価値観が出会う場所-」をコンセプトに、アート、ミュージック、ファッションを中心としたコンテンツを多数ラインナップしていた。会場内では、藤元翔平(元チームラボ)が展示車である“タイカン”のコンセプトワード「Soul, electrified. それは、電動化された魂。」から着想を得てアートフォームへと昇華させた、ムービングレーザーを420個も同時に使用したインスタレーションを体感できた。

 トークセッションでは、まずDJ松永とDJ KOCO a.k.a. SHIMOKITA、そしてMCのNonkeyが登場。人前で話すのが初めてというKOCO。そんなKOCOと話が出来ることに興奮気味の松永はKOCOに様々な質問をぶつける。「KOCOさんが7inchのレコードでDJを始めたのはいつごろですか」と松永が尋ねると、「震災があった年なので、2011年です」とKOCOは回答し、続けて「それまでも7inchは使ってはいたけど、12inchに結構貼り付けてた」とコメントすると、松永とNonkeyは大きく「あ~!」とリアクション。つまり、12inchのレコードの方が大きく、クレジットなどが書いてあるセンターラベルという曲を再生する時には使わない面があるため、そこに7inchを貼り付けていたのだ。これによって、1枚のレコードで2曲使えるようになるため、レコードからレコードへと針を置き換える手間が省かれ、KOCOのようなクイックなプレイが可能になるのだと松永は解説した。

 さらに松永は「7inchのアダプターっていつもアレじゃないですか。何かこだわりがあるんですか。なぜなら、7inchのレコードってスクラッチとかジャグリングが難しいじゃないですか、単純に盤が小さいので。それに、レコードをターンテーブルの棒に刺すときに穴に遊びがあるとレコードが揺れるので針が飛びやすいんですよ。で、アダプターが一緒ということは穴を埋めるサイズも一緒ということなんですけど、個体によって穴の大きさは違うんです。ありがちなのはセロハンテープを貼って穴を小さくするということですけど、それをやっている様子もKOCOさんにはないんですよ。だからどうやっているんだろう」と質問すると、「あのー、飛ばない盤を探す」とKOCOはシンプルに回答した。

 また、NonkeyもKOCOに「パソコンでDJやってみようと思ったことはないんですか」と質問すると、「思ったことがないというか、僕パソコン持ってない」とコメント。さらに「僕はレコードを集めるのが好きだし、それをどう使うのか考えるのが好きです」と思いを述べた。そして、同じDJという括りでも、クラブDJであるDJ KOCOとターンテーブリストのDJ松永という違いがある両者。「ターンテーブリズム=不便性」と言って語弊がないと考えているDJ松永は、「完成された曲を普通に流せばいいのに、それをわざわざ破壊してつたない演奏でお届けするのがターンテーブリズムなんですよ。デジタルが台頭することでズルだと言う人がいますけど、特にターンテーブリズムにおいてはそんなことはなくて、選択肢が増えたんですよ。そして、どう回り道するか、その距離と美しさで採点されるのがターンテーブリズムです」とコメントした。

 それを受けてKOCOは「僕はレコードだけど、(アナログとデジタルは)両方使えた方がいいし、自分の武器は人それぞれ違っていていいと思います。その中で最大限できることを考えるのがベストなやり方だと思う」とコメント。また、アナログとデジタルを両方経た松永は、「アナログDJはかける曲に価値があって、その価値でDJスキルに加点される概念があるから、そこがデジタルとの大きな違いですね」とし、さらに「アナログ/デジタルというのを、クラブDJの土俵で比べるかターンテーブリストの土俵で比べるかで全然違います。ダブみたいなものは、アナログオンリーの時代からあったんですよ。つまりオリジナルの自分だけのレコードを作るんです。例えば僕は【DMC JAPAN FINAL】でR-指定の声を使ったんですけど、もしDVS(Digital Vinyl System)が大会で禁止されていたら、その音源をパソコンで作ってカッティング業者に送ってレコードにしてもらって、そのレコードでやるんですよ。それがしなくて済むようになったっていうのはありますよ」とコメントした。

 途中からは、2019年の【DMC JAPAN FINAL】シングル部門で初優勝したANONYMOUSも参加。「審査員の目、お客さんの目、自分の目、どれくらいの割合を意識していますか」と質問されると、「決めるのはジャッジなので、それを意識するのは大前提なんですけど、お客さんが反応してくれないと本当につまんないです。ただ、ジャッジには伝わってるけどお客さんに伝わってないものをやることはつまらないんですけど、お客さんの反応だけ意識しているとジャッジにはあまり評価されないので、バランスが難しいです」と回答。それに対しKOCOは、「自分が楽しいのが大前提だけど、お客さんの反応と同業者は気になる。ただ同業者も含めてお客さんです」とコメントした。また質問コーナーで本番前に緊張している時の対処法を聞かれると、ANONYMOUSは「酒を飲む」と回答。Nonkeyから「酒を飲むと手が震えない?」と言われると、「どっちにしろ震えるんですよ」とコメントし会場を沸かせた。「どっちも試しているんです。自分の中に怒りがあると酒はいらないんですけど、そんなことはまず一切ないんで…。怒りがあると一切緊張しないんです。酒飲んでも緊張はしますけど、幾分マシです」とコメントした。

 トークセッション終了後は、渋谷パルコ9FのSUPER DOMMUNEでロベルト吉野、DJ 諭吉、DJ SHOTAも加わってDJを披露した。なお、本イベントの映像はDOMMUNE 光へ有料契約することによって視聴することができる。

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