2012/11/04 04:41
恵比寿ガーデンホールから会場をZEPPダイバーシティ東京に移し、第三回目の開催となった【Hostess Club Weekender】。まずは、LAを拠点に置いて活動する、ボーカル/ギターのリンジー・トロイとドラムのジュリー・エドワーズの女性ユニット、ディープ・ヴァリー。現在話題の2人組で幕開け。ライブ前に見ていた映像の所為もあるが、グダグダな演奏を想像していたが、パワフルな演奏は観客の度肝を抜いていた。ギターボーカルとドラムの2人組というスタイルでこのガレージ・ロックをやられると、どうしてもホワイトストライプスを連想してしまうが、それにセクシーさが加わっているのだからある意味最強だろう。ドカドカ打ち鳴らすドラムと既にカリスマを備えたヴォーカルの二人はこれからどんどん人気がでそうだ。エロ格好良いとはこうゆうこと。
続いて登場したのは米フィラデルフィア出身、カリスマ的フロントマン、アダム・グランデュシエルを中心に結成されたザ・ウォー・オン・ドラッグス。軽くオーディエンスに挨拶をかわし、演奏がスタート。アンビエントな音像にブルージーなギターが響き、アクセントをずらして語るように歌う。それはサイケなバンドをバックに従えたディランが心地よく演奏しているようだった。泣きのギターとハープも良い。曲終りに「サンキュー」と言うアダム・グランデュシエルは少年のようで可愛らしい。まろやかな音なのに体の芯にズシンと響くステージだった。
アメリカはテキサス出身のロックバンド、…アンド・ユー・ウィル・ノウ・アス・バイ・ザ・トレイル・オブ・デッド。今回は2000 年代の幕開けを告げ、その後のインディーシーンの金字塔となった彼らの名盤『マドンナ』を中心とした全世界初となるスペシャル・セットでのパフォーマンスということで話題となっていた。近年、名作の再現ライブはよく行われているので珍しくもないかもしれないが、曲順もきっちりアルバムを再現していてそれだけで喜べるが、悶絶の轟音ギターをかき鳴らし、力いっぱいに叫ぶ姿はエネルギッシュでアクティブでクールだった。ファンも演奏も時間が経つにつれ熱量を高めていた。
本日ある意味一番サービス精神旺盛だったのはファックト・アップのステージだろう。カナダの新世代ハードコア・パンク・バンドは今年のフジロックでもやらかしてくれている。今回も同様にステージに登場するやいなや、ヴォーカルのダミアンは好き放題やっていた。シャツを脱ぎ捨て、ステージに降りたかと思えばフロアを一周する。そこまでは想像できたが、まさか扉を開けて廊下に挨拶するとは。ステージに戻ればケーブルさばきで好プレーをみせていたお嬢さんとハイタッチ。その後も3本の轟音ギターの中、マイクを首に、頭に巻き付け、歌ってはしゃぐ。しかし、バンドのメンバーもダミアンが好き放題やろうがお構い無しに淡々と演奏する様は格好が良い。ここまで会場中ハッピーな空気に変え、笑顔にするハゲでデブもそうそういないだろう。
そして、最後はオルタナティブ・ロックの巨星、ダイナソーJr。マーシャルの壁に囲まれたJ・マスシスのアンプセットに気持ちは昂るのを抑えれない。3人が登場するとステージ前には吸い寄せられるようにオーディエンスがすし詰め状態となっていた。早速、自信の歌声をかき消すような轟音のノイズ・ギターが炸裂し、ルー・バーロウもひたすら自分のソロとばかりに弾きまくり、マーフも豪快に太くドラムを叩きつける。ノイジーな爆音の中でけだるく歌い、だらっとしているダイナソーJrがそこにいた。新譜が中心のセットだったが、「Just Like Heaven」や「The Wagon」が組み込まれており、ファンが聴きたい楽曲のちりばめるバランス感覚は流石の一言。アンコールはダミアンが登場。Jが「What's You'r Name?」と聞いていたのは笑えた。
Photo:古溪 一道(コケイ カズミチ)
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