2019/09/14
【第76回ヴェネツィア国際映画祭】で最高賞となる<金獅子賞>を受賞した『ジョーカー』の監督と脚本を兼任したトッド・フィリップスが、「これまで監督してきた作品で、今回ほど音楽が影響を与えてくれた作品は無い」と本作における音楽の力を絶賛した。
フィリップス監督は、「通常の映画製作では、撮影した映像を見せて『これに音楽を付けて』と作曲家に依頼するが、本作では、撮影が始まる前に脚本を送って曲を書き始めてもらったんだ」と話し、本作で音楽を担当した【エミー賞】受賞経験を誇るヒルドゥル・グーナドッティルは脚本だけを頼りに曲作りを始め、撮影前の時点でサウンドトラックの一部をフィリップスに提出したという。一方で、グーナドッティルは「心に響くストーリーだったので、喜んで引き受けたわ。素朴だけど、多面性があり、素直な子供のようなアーサー(ホアキン・フェニックス)というキャラクターに衝撃を受けて、アーサーが必死に生きている姿、鬱屈した心情を音感で表現するようにしたの」と、素晴らしい脚本とそこに書かれたアーサーが興味深いキャラクターだったからこそ、通常とは異なるやり方をも歓迎できたと話している。
監督は「撮影中、ホアキンとふたりで行き詰まってしまった時があった。あるシーンをどうすればいいのか、アイデアが尽きてしまって」と撮影中、苦境を経験したことを振り返る。しかし、「45分くらい2人で悩んでいた時、ヒルドゥルから曲をもらっていたのを思い出したんだ。前の晩に聞いたばかりのすばらしい曲で、ホアキンに聞かせたら、彼もすっかり気に入って。ホアキンがその曲に合わせてスローダンスを始めたかと思ったら、突然アーサーから優雅な一面が出てきた。“影の分身”が現われたんだ。急いでカメラを回し始めたよ。あの瞬間が変貌の始まりになったんだ。彼女の音楽は、本当にあのシーンを決定づけた」と、アーサーがジョーカーへと変貌していく兆候が垣間見える大切なシーンにグーナドッティルの音楽が役に立ったという。
アーサー/ジョーカーを演じるフェニックスも「トッドが流してくれたチェロの曲は本当に効いたよ。『掴めるかもしれない』と言ったら、トッドは『僕がいたら邪魔になるだろうから、あとは任せた』と、その一言だけで打ち合わせはおしまい。撮影前に身のこなしを研究したり、リハーサルでダンスの練習もしたけれど、あの曲から掴んだインスピレーションがターニングポイントになったんだ。アーサーを理解する意味でもね」と、苦戦する役作りに意外にも音楽がヒントを与えていたという。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌してしまったのか? 2019年10月4日、世界は世紀の瞬間を目撃する。
◎公開情報
『ジョーカー』
2019年10月4日(金)より、日米同時公開
監督・製作・共同脚本:トッド・フィリップス
共同脚本:スコット・シルバー
キャスト:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM &(C)DC Comics
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