2019/08/01 13:40
1969年に開催された【ウッドストック・フェスティバル】の共同設立者だったマイケル・ラングが中心となり、数々のトラブルに見舞われながらも計画が進められていた【ウッドストック50】が正式に中止されることになった。
2019年8月16日から18日にかけて開催予定だった【ウッドストック50】の会場は、当初米ニューヨーク州のワトキンズ・グレン・インターナショナル・スピードウェイが予定されていたが、使用料未払いなどの理由からこの会場での開催が見送られ、1/3ほどに規模を縮小して競馬場/カジノ施設のヴァーノン・ダウンズに変更された。ところが7月下旬の段階でもヴァーノン市からの開催許可がおりなかったため、今度は元の会場から約560km南に位置しているメリーランド州コロンビアのメリーウェザー・ポスト・パヴィリオンで、さらに半分ほどに規模を縮小して開催される見通しだった。
ラングは2019年7月31日に声明を発表し、「想定外の一連の敗北により、我々がブッキングした素晴らしいラインナップと、期待していた社会貢献からなる、想像していたようなフェスティバルの開催が不可能になってしまった。(ワトキンズ・)グレンを失い、次にヴァーノン・ダウンズまで失ってしまった我々は、ただキャンセルするだけでなく、何かためになることをする方法を模索した。投票推進運動に従事しているHeadCountとコラボし、もっと小さなイベントをメリーウェザー・ポスト・パヴィリオンですることで、彼らの活動や、気候変動と闘っている別のNGOなどを支援する資金集めがしたかった」と説明した。
「(出演が確定していた)全てのアーティストを解放していたので、参加は任意だった。ワシントンD.C.エリアの“conflicting radius”(ライブが決定している会場から半径何km以内で、一定期間別の公演を同じアーティストに開催させないための契約条項)により、多くのアーティストが参加できなくなったほか、それぞれの理由で見送った者もいる。全てのアーティストにギャラは全額支払われているが、彼らやエージェントには平和の精神のもとにその10%をHeadCountか自分の好きな慈善団体に寄付することを勧めたい。【ウッドストック】は依然として社会改革にコミットしている」と彼は綴り、「逆境に遭っても我々の力になってくれたアーティスト、ファン、パートナーたちに感謝している。ベセルと、そこで開催される我々の50周年記念イベントに思いを馳せ、【ウッドストック】が尊重している思いやりや人間としての尊厳という価値観、そして我々の差異の美しさを強固なものにしていただきたい」と述べた。50年前に【ウッドストック】が行われた跡地にあり、米国国家歴史登録財であるベセル・ウッズ芸術センターでも、同時期にトリビュート・イベントが開催される。
「我々は深く失望しているが、メリーウェザー・ポスト・パヴィリオンのチームとハワード郡当局のカルヴィン・ボールを含む全ての支持者に感謝している。平和と寛容という【ウッドストック】の価値観は、これまで以上に重要で支持すべきものとなっている。我々はこれらの理想を尊重し、祝う方法を求めて未来に目を向ける」とラングは綴っている。
メリーウェザー・ポスト・パヴィリオンは、出演アーティストが確保できることを条件に、ラングが言及した慈善団体のための無料慈善コンサートとしての開催に前向きだった。
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