2019/05/31 11:00
次代を担うニューカマーをサポートし続け16年、【GLICO LIVE NEXT】の2019年が開幕。今年もFM802の番組『RADIO∞INFINITY』でDJを務める樋口大喜ナビゲートのもと、Age Factory、kobore、WOMCADOLEと、現場で叩き上げられた新世代のライブアクト3組が揃い踏み。命を燃やし尽くすようなライブでオーディエンスをブチ上げた、満員御礼ソールドアウトの一夜のライブレポートが到着した。
トップバッターのバンド名がコールされるや、会場から怒号にも似た歓声が湧き上がる。「奈良Age Factory、よろしく!」(vo&g・清水、以下同)と口火を切った瞬間に放たれた轟音と、それに呼応するように突き上がった拳と声がいきなり会場を埋め尽くしていく。そんな問答無用のハイボルテージナンバー『GOLD』から、「大阪、踊ろうぜ!」となだれ込んだ『WORLD IS MINE』でも鳥肌が止まらない。冒頭からオーディエンスの魂を焚きつけるような言葉でブチ抜いていく、徹底的で圧倒的なステージ。「今、歓声を上げたヤツ、分かってるね」という高速ビートとストロボライトの閃光、胸を貫く絶叫の波状攻撃に叩きのめされる『Puke』といい、ド頭から誰がAge Factoryを止められるのかと言わんばかりの強烈な磁場が、JANUSを完全包囲する。
「ロックバンドは気持ちいい」と語る姿に観てるこちらも納得しかない時間の中で、フルドライブするバンドサウンドに飲み込まれた『RIVER』に続き、「楽しい夜でした、最高でした、ありがとう。(照明を)蒼暗くしてもらっていいですか? 最近、人が人を想うことが一番いいなって思いましたね。誰か他の生命体を愛するってことが」と、壮大でメロウな愛の歌『See you in my dream』を披露する3人。リズムと鼓動がシンクロするこのざわめきは、まさに現場=ライブハウスならではの感情だ。
「さよなら、また会いましょう。奈良Age Factoryでした」。何度も沸点を超えていくような最後の『TONBO』まで、全曲リミッターなしの30分間。『GLICO LIVE NEXT』の長き歴史にその生き様を刻み付けた、Age Factoryの壮絶なライブだった。
1曲目からバンドのダイナミズムを感じさせる『ヨルヲムカエニ』のどっしりとしたビートでオーディエンスを掴みつつ、スタッカートなリズムに身も心も躍る『ティーンエイジグラフィティー』、「新曲やります!」(vo&g・佐藤、以下同)と衝動を爆発させた『ダイヤモンド』と一気に駆け抜けたのは、この日の二番手となるkobore。「東京から来たkoboreです、今日はよろしくお願いします! 最近は暑くなってきましたね。外で気持ちよくタバコを吸うもよし、コンビニにお酒を買いに行くもよし、好きな音楽を聴きながら散歩するもよし」……なんてMCから溶け込むように始まった『ヨルノカタスミ』といい、JANUSの最後部まで軽々と突き抜け広がっていくような佐藤の圧巻のボーカルと、ライブによって積み重ねられた4人のケミストリーは、まさに“NEXT”な予感がヒシヒシ。
後半戦も、「俺たちにはこれしかねぇんだよ!」という叫びもろとも突き刺した『テレキャスター』、『幸せ』、『君にとって』と、誰にでも分かる言葉で、誰もが知らず知らず心の奥底に閉じ込めた気持ちにそっと触れるようなエモーショナルな楽曲を連発! 「お前らの歌だ!」と最後にぶっ放した『爆音の鳴る場所で』まで、まじりっけなしの日常を切り取った全8曲30分をトップスピードで突っ走ったkobore。バンドの底知れぬポテンシャルを、満場のJANUSにきっちり知らしめた渾身のステージだった。
転換時に聴こえてくる爆裂サウンドから期待しかない空気を作り出し、ステージに登場するや「今日の残りのHP(ヒットポイント)、全部俺にくれよ!!」(vo&g・樋口、以下同)とぶちまけた今宵の大トリはWOMCADOLE。しょっぱなの『人間なんです』から、瞬時に歓声が巻き起こるハイエナジーなサウンドでオーディエンスをロックオンし、続く『ドア』でも楽曲のドラマを完全に理解したかのような照明とともに、WOMCADOLEここにありという激情を観る者の目に焼き付けていく。
「もっと動物的に、本能的に、ロックンロールしていきたいんでよろしく!」
その手を一切緩めることなく「いいか、本能、本質を忘れるんじゃねえぞ」とまくしたてながらの『リム』、グラマラスでヘヴィな新曲『R-18』の流れには、フロアも天井知らずの大盛り上がり。樋口が思わず「みんな動物的過ぎる(笑)。動物園かここは!」と笑うのも頷ける。古澤(g)の母親がグリコ主催のイベントへの出演にテンションが上がった話、安田(ds)のプリッツ好きの本気度とこだわりが分かるトークを挟みつつ(笑)、「俺の声が届く距離にいてくれてありがとう! 時にその距離を解決してくれるのがラジオだったりSNSだったりすると思うし、そうやってここにたどり着いてくれたと思うので」と樋口が想いを告げ、全身全霊で『アオキハルへ』を届けていく。
「いつだって先生の言うとおりにしてきたのか? 違うだろ? 俺たちに地図なんてなかっただろ? 俺たちで起こすから面白いんだろ? あんたと作りたい、あんたと生きていきたいんだ。痛くて当たり前だ、涙が出て当たり前だ。それでも何とか頑張ってるんだろ!? 革命を起こそう!!」
幾度となく突き付けられる言霊に、胸が揺さぶられないわけがない。最後の最後に『ライター』で凄まじい熱量をまき散らしたWOMCADOLEのライブで、【GLICO LIVE NEXT】の2019年はこれ以上ない幕開けを迎えたのだった。
なお次回8月5日の【GLICO LIVE NEXT】に出演するラインナップも6月早々に発表される予定だ。
◎イベント概要
FM802【GLICO LIVE NEXT】
2019年05月27日(月)心斎橋JANUS
出演アーティスト:Age Factory/kobore/WOMCADOLE
取材/文:奥“ボウイ”昌史
PHOTO:田浦ボン
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