2019/04/18 14:35
フレデリックのワンマンツアー【FREDERHYTHM TOUR 2019-2020】が、4月13日東京・新木場STUDIO COASTにてスタートした。本ツアーは、2020年2月のツアーファイナルまで、約1年を通して開催される自身最大規模のツアーだ。本稿では、そのキックオフ公演となる【夜にロックを聴いてしまったら編】の模様をレポートする。
SEより前のめりな手拍子がオーディエンスの興奮を物語る中、メンバーがステージに登場。ライブは、最新アルバム『フレデリズム2』の1曲目に収録されている「LIGHT」からスタートする。溢れ出す音楽愛を歌った「リリリピート」、自分たちの理想郷をストレートに描いた「TOGENKYO」といったバンドの金字塔とも言える楽曲を畳みかけ、序盤からフロアを焚きつけていく。
「夜にロックを聴いてしまったら、あなたは何を感じますか?」という三原健司(Vo./Gt.)の問いかけから始まった中盤戦は、フレデリックのディープな部分に引きずり込まれるような一幕だった。大量のスモークが会場を覆った「うわさのケムリの女の子」から、80’sポップを思わせるシンセが心地良い「RAINY CHINA GIRL」へ。天井まで霧が立ち込め、その中を浮遊感漂うサウンドが泳いでいく様子は、まるで白昼夢を見ているような夢見心地なムードを演出していた。さらに、「人魚のはなし」で音の海の奥深くへ潜っていくと、不穏なインタールードを挟み、『フレデリズム2』でも異彩を放つ「他所のピラニア」へ。アングラかつポップな世界観が、フロアを奇怪な高揚感に包み込んだ。
長めの暗転からFAB!!(Frederic Acoustic Band)のコーナーに突入することがアナウンスされると、客席からは驚きの歓声が上がった。「『フレデリズム2』の曲を俺達の色にもっともっと染めて、「こんなに自分の想像を超えてくるんだ」と思ってもらえるようやらせていただきます」と今日の意気込みを語りながら、ライブでもお馴染みの「シンセンス」「かなしいうれしい」をアコースティック・アレンジで披露。限られた音数だからこそ、ポップスとしての楽曲の良さや、個々のプレイヤーとしてのセンスが一段と際立ち、バンドの魅力をまた新たな形で体感できるパートとなった。
後半戦に入ると、「KITAKU BEATS」「オワラセナイト」とアッパーな楽曲を連投。豪快なベースソロから始まった「オドループ」で、会場の熱気は最高潮に達した。かと思いきや、「俺達の“フレデリズム”いかがでしょうか? じゃあ次は“フレデリズム2”、体感しませんか?」と「逃避行」のイントロが流れると、会場からは一際大きな歓声が湧き上がった。その勢いのまま、「エンドレスメーデー」「飄々とエモーション」と渾身のロックアンセムを轟かせ、本編は終了。「飄々とエモーション」でオーディエンスと見せたコール&レスポンスは、ツアーファイナルの横浜アリーナでの景色に期待したくなるほど圧巻だった。
アンコールでは、「色々やりすぎて、頭追いつかへん人もいるかもしれんけど(笑)こういう風にフレデリックはマイペースに自分たちの音楽鳴らしていくんで、これが救いになるならいくらでも鳴らしていきます。ファイナルまでよろしくお願いします!」と挨拶し、「夜にロックを聴いてしまったら」を投下。ラストは、「今、一つ一つ感じることが今後大事になって、また曲を大きくしていくのかなと思います。夜にロックを聴いてしまって、ミュージシャンになってよかったなと思います」と素直な思いを語りながら、出会いと別れを歌った「ハローグッバイ」でこの日のライブを締めくくった。ワンマンならではのディープな世界観や、アコースティック編成、そしてこの「ハローグッバイ」に象徴されるように、この先も自分たちの音楽を鳴らし続けようという強い決心が打ち出された一夜だった。
本ツアーは今後、リリリピート編と題した小規模のライブハウスツアー、UMINOYASU編と題した対バンツアー、Zeppツアーを経て、2020年2月に横浜アリーナでファイナルを迎える。フレデリックの音楽はまだまだ止まない。
Photo:ハタサトシ
Text:Mika Fuchii
◎公演情報
【FREDERHYTHM TOUR 2019~夜にロックを聴いてしまったら編~】
2019年4月13日(土)
東京・新木場STUDIO COAST
<セットリスト>
1. LIGHT
2. リリリピート
3. TOGENKYO
4. スキライズム
5. うわさのケムリの女の子
6. RAINY CHINA GIRL
7. 人魚のはなし
8. 他所のピラニア
9. シンセンス (FAB!!)
10. かなしいうれしい (FAB!!)
11. まちがいさがしの国
12. KITAKU BEATS
13. オワラセナイト
14. オドループ
15. 逃避行
16. エンドレスメーデー
17. 飄々とエモーション
EN1. 夜にロックを聴いてしまったら
EN2. ハローグッバイ
◎ツアー情報
【FREDERHYTHEM TOUR 2019-2020】
□SEASON2
[FREDERHYTHM TOUR 2019~リリリピート編~]
2019年6月4日(火)兵庫・神戸 太陽と虎
2019年6月6日(木)福岡・DRUM Be-1
2019年6月13日(木)宮城・仙台enn 2nd
2019年6月14日(金)新潟・CLUB RIVERST
2019年6月21日(金)香川・高松 DIME
2019年6月22日(土)広島・CAVE-BE
2019年7月2日(火)大阪・BIGCAT
2019年7月3日(水)愛知・名古屋 ElectricLadyLand
2019年7月7日(日)北海道・札幌 COLONY
2019年7月9日(火)東京・恵比寿LIQUIDROOM
□SEASON3
[FREDERHYTHM TOUR 2019~UMINOYASU編~]
2019年10月11日(金)岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
2019年10月12日(土)広島・BLUE LIVE
2019年10月14日(月・祝)高知・キャラバンサライ
2019年10月18日(金)宮城・仙台Rensa
2019年10月20日(日)新潟・LOTS
2019年10月22日(火/祝)石川・金沢 EIGHT HALL
□SEASON4
[FREDERHYTHM TOUR 2019]
2019年11月16日(土)北海道・Zepp Sapporo
2019年11月29日(金)愛知・Zepp Nagoya
2019年12月7日(土)福岡・Zepp Fukuoka
2019年12月14日(土)大阪・Zepp Osaka Bayside
□FINAL
[FREDERHYTHM ARENA 2020]
2020年2月24日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ
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