2019/03/02 11:00
さくらしめじが、2019年3月1日に中学校で行ったサプライズライブのオフィシャル・ライブレポートが到着した。
1日、現役高校生フォークデュオのさくらしめじが、神奈川県にある藤沢市立第一中学校にてサプライズライブを行った。
さくらしめじは高田彪我(たかだひょうが)・田中雅功(たなかがく)の2人からなる高校生デュオで、アコースティックギターによる弾き語りをベースにポップスをはじめ、昨今はバンドサウンドやロックテイストなどもミクスチャーするなど音楽性の幅を広げており、従来の“フォークデュオ”の常識に留まらない新たなスタイルで活動を続けている。
これまで1年以上かけて全国47都道府県を回るフリーライブを行ったほか、翌年には再び1年かけて全国のライブハウスを回るなど“武者修行”を行いつつ、2016年以降はTOKYO DOME CITY HALLや中野サンプラザでワンマンライブを行うようになり、シンガーソングライターのコレサワや、Every Little Thingの 伊藤一朗らとのコラボも実施。
着実に実力と活躍の幅を広げ続け、今年5月には2年連続となる日比谷野外大音楽堂でのライブも控えている今注目の若手アーティストだ。
今回のライブは卒業や新学期シーズンを控え、“生徒たちへエールを送りたい”と考えた学校側が、同世代でありながら、アーティストとして前向きに未来を切り開いているさくらしめじに着目。彼らへ熱いエールを送ったことから、“卒業記念公演”としてこの日のライブが実現した。
ライブでは「みちくさこうしんきょく」「ひだりむね」など、アンコールを含め全8曲を披露。
2人の登場はサプライズとの事で、体育館に生徒が集まるとアナウンスが流れ、「今日は卒業記念公演のライブを用意しました。サプライズゲストをお呼びしたいと思います!」という呼び込み後、激しいドラムの音とアップテンポチューンが鳴り響き、ギターを抱えたさくらしめじが登場すると、会場からは驚きの声が。
「皆さん楽しんで行きましょう、宜しく!」と勢いよく雅功が呼びかけて始まったのは1曲目の「スタートダッシュ」。さくらしめじらしい、息の合った疾走感のあるギターセッションが会場に鳴り響くと、会場からは大きな歓声が起こり、手を挙げさせたりしながら早速会場の観客を巻き込んで行く。
1曲目が終わると「さくらしめじです! みなさん元気良いですね! 1曲目から手拍子だったり、手を挙げて頂いてありがとうございます! サプライズということで、今回“一中”にお邪魔してます!」と挨拶。
そして「僕たちのライブの楽しみ方を知らない方もいると思いますが、僕たちのライブの楽しみ方は簡単! 手拍子したり、声をあげたり、とにかく自由に楽しんでください!」と語りかけ、「楽しむ準備はできていますか?」と会場へ呼びかける。しかし歓声が足りないと思った雅功は「中学生のパワーならもっと行けるだろ!」と力強く会場へ呼びかけ、それを受けた生徒たちからは大歓声が起こり、2曲目「菌カツ!」へ。
アップテンポチューンの中、「菌!」「カツ!」の掛け声を生徒たちと一緒にかけながら、一気にさくらしめじの盛り上がりの中へと生徒たちを巻き込んで行く。
すっかり盛り上がった空気感そのままに「ひだりむね」へ。会場にはジャンプをしたり、手を上に挙げたり、手拍子をしたり、まさに“自由にライブを楽しむ”生徒もちらほらと現れだしてきた。
それを見て「良いですね! 最高ですよ!」と口にしながら、青春時代の恋する気持ちを、明るく歌う2人。時折、ステージの前方に出てギターを高く掲げながらかき鳴らすパフォーマンスも見せ、会場をさらに沸かせていく。
その後のMCで彪我は「めちゃくちゃ盛り上がってもらって、ありがとうございます! 踊っている人もいて…」と嬉しそうに一言。
そしてさくらしめじの2人が生徒たちの事を知るべく「インタビューをしに行きたいと思います!」と突然雅功が会場へ降り出し、インタビューを行う一幕も。会場は突然の事に驚きを隠せず、雅功がインタビューをする生徒を探すために近づくと悲鳴に近い歓声が所々で沸き起こる。
彪我も「今から雅功が何を聴きに行くのかな?ちゃんと答えてくださいね」とニコニコしながら会場を盛り上げていく。
「君にしようかな……」と生徒の顔を見ながら、会場を駆け回る雅功に対して、手を挙げてアピールをしたりする生徒も現れだした中、1人目の生徒に対して雅功は「好きな給食」を質問。答えは「ソフト麺」との事で、「ソフト麺好きな人~」と彪我が会場へ呼びかけるも、パラパラとしか手が上がず、それを見てすかさず「そんなに人気無いかも…!?」といたずらそうに雅功が笑う。
その後も「2年生、手を挙げて!」と学年縛りでインタビュー相手を選んだり、駆け寄ってきて立候補をしてきた男子学生の肩を抱きながらインタビューをしたり、2人ともとても気さくな様子。またインタビューを終えた後、「引き続き、楽しんでいってくださいね」と優しく語り掛けたり、後ろにいる生徒に対して「もっと前においで。そうそう君!」と会場の生徒たちを巻き込む様子は、高校生としての“先輩”さながらだ。
いよいよ質問が最後の1人になったとき、雅功から突然「彪我、選んで!」の一言が。「う、ウソ!? 誰にしようかな…」と慌てながら選ぶ彪我。
部活についての質問をし、陸上部で長距離走をしているとの答えを聴いた彪我は、すかさず「(自分がやるとしたら)無理です無理です……」と小さくつぶやき、会場からは笑いが起こる。
インタビューが終わると「卒業シーズンということで、卒業をテーマにした曲を……」と彪我が口にし、生徒たちを一度座らせてから静かに始まったのは「ゆめがさめたら」と「恋音と雨空」を披露。
それまで大盛り上がりだったが、曲が始まると、まっすぐに2人を見つめて曲に聴き入る生徒たち。
じっくりと弾き語りによる2人の歌を聴く生徒を前に、静かに、しかし力強く、時折微笑みながら目を見合わせ、絶妙なギターセッションとハーモニーを響かせる。
その後、「ワン・ツー・スリー・フォー」と元気の良い掛け声でスタートしたのは、さくらしめじの中でも人気の高い「てぃーけーじー」の弾き語りバージョン。再び生徒たちを立たせ、TKGダンスを生徒たちに促す2人。練習の最中も雅功が「やってない奴、見えてるぞー! やり終わるまで、次に行きませんからね!」「ちょっと待った! 大人~! 先生たちも余裕を見せていますが、この会場全員に、やってもらいますからね!」といたずらっぽく笑いながら盛り上げ、会場全体を再び盛り上がりの中へ巻きこんで行く。
曲が始まると「手拍子!」と観客を煽りながら、「さあ、皆さん! せーの! 元気よく行きましょう!」と呼びかけると、TKGダンスがスタート。徐々に曲やダンスのスピードが上がっていくと、生徒たちは慌てながらも、その難しさと楽しさに夢中な様子を見せる。最後は“高速TKGダンス”が繰り広げられ、フィニッシュすると大歓声と大きな拍手が起こった。中には満面の笑みでジャンプをし、楽しさを表現する生徒も。
その様子を見て笑顔で「もっともっと、楽しんで手拍子したいと思います! 最後の曲、聴いてください!」と元気良く呼びかけ、スタートしたのは「えそらごと」。
明るいアップチューンナンバーで、曲が始まると会場のほぼ全員が高く両手を掲げて手拍子をしだし、後ろや端で見ていた生徒もジャンプをしたり、友達同士で楽しそうに身体を揺らしたり、
思い思いに自由にライブを楽しんでいる。
その様子を見ながら、満足そうに笑顔で頷く雅功と、ニコニコと笑顔を見せる彪我。とても楽しげで、大きな一体感が会場を一気に包み込む。
楽曲が終わり「ありがとうございました!!」と叫びながらギターをかき鳴らすと、大きな歓声と拍手が起こる。その後、深々とお辞儀をしてステージを去ろうとした2人に対し、早くも「アンコール」の大合唱が。
そして響くアンコールの声に答え、再び登場した2人。会場の観客へ感謝の気持ちを述べつつ、「最後の曲は、みんなで一緒に歌って終わりたいと思うので、最後までの楽しんでいってください!」と語りかけて「みちくさこうしんきょく』をアンコール曲に選んだ。
ラストには全員で手を左右に大きく振り、会場とさくらしめじでコーラス行う1曲だが、「後ろの方!」「男子! 思いっきりいくよ!」「1年生だけで!」とそれぞれ指名をしながら、コーラスを促していく。すると2年生の番になった時、これまでにない大きなコーラスが起こり、これを受けて「3年生! 頑張ってくれよ!」と呼びかけるとさらに大きな歌声が響き、会場が大きく盛り上がる。
そして「最後みんなで一緒に歌って終わりましょう!」と呼びかけ、さくらしめじと生徒たちによるコーラスが体育館に響き渡ると、大きな感動と一体感が会場中に作り上げられていく。
最後は高くジャンプしてギターをかき鳴らす2人の真似をして、生徒たちもジャンプをしてフィニッシュ。
「楽しかったですか!?」と呼びかけると、こぶしを高く上に挙げて、歓声を上げる生徒たち。
「僕たちもすごく、すごーく楽しかったですし、これだけ沢山盛り上がれて本当に嬉しかったです!(雅功)」「また皆さんと一緒にライブがしたいでーす!(彪我)」と感想を口にした。
最後に2人から「皆さんと僕たちは、ほぼ同世代です。部活や勉強を頑張っている人、夢を探している人、色々な人がいると思います。僕たちも音楽を頑張っていますし、みんなで応援しあって、楽しんで行けたら良いなと思っています!」と生徒たちへエールを送った。
その後、生徒たちから花束を贈呈され、記念写真を撮った後に「また皆さんと一緒に楽しみましょうね! 次はライブ会場でお会いしましょう!」と両手を高く上げながら笑顔で会場を後にした。
今回はワンマンライブとは異なり、はじめは端や後ろで見ていた生徒たちもいたが、最後にはほぼ全員が笑顔で身体を揺らして2人の音楽を楽しんでいる様子が見て取れ、学生生活の思い出に残るイベントとして、生徒たちの中に刻まれた事だろう。
※高田の高ははしご高が正式表記
TEXT:佐藤早雪
PHOTO:大庭 元
◎セットリスト
01. スタートダッシュ
02. 菌カツ!
03. ひだりむね
04. ゆめがさめたら
05. 恋音と雨空(short ver.)
06. てぃーけーじー
07. えそらごと
EN1. みちくさこうしんきょく
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