2019/02/12
ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディの『Hoodie SZN』が返り咲き、3週目の首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
2019年1月5日付チャートで2位にデビューし、登場3週目となる1月19日付チャートで自身初のNo.1獲得を果たした本作『Hoodie SZN』。翌1月26日付チャートと2週連続の首位をキープした後、2月2日付チャートでフューチャーの『The WIZRD』に押され3位までダウンしたが、安定したポイントでTOP3をキープし、3週ぶり、通算3週目のに首位復帰を果たした。
今週獲得したユニット数は47,000で、1位を記録した作品としては決して高い数字とはいえないが、登場7週目のユニット数としては悪くない。しかし、内訳45,000ユニットがストリーミングで、アルバムの実売(セールス)は1,000枚にも満たない。これは、ビルボード史上、1位を獲得したアルバムとしては過去最低の売り上げ枚数で、これまでの最低記録は、3週前に本作『Hoodie SZN』が記録した1,000枚だった。ストリーミングによるポイントが強化されてからは、珍しいケースではないものの、1,000枚も売れていないアルバムが1位を獲得するというのは、日本でも過去に例がない。今週は目玉となる新作のリリースがなかったことが、この最低記録を更新した要因だろう。
続いて、21サヴェージの新作 『I Am > I Was』が、週間40,000ユニットを獲得して、先週の8位から2位にジャンプアップしている。こちらも、そのほとんどがストリーミングによるポイントだった。今週ランクアップしたのは、2月3日に不法滞在の容疑で逮捕されたニュースを受け、注目が高まったため。ネガティブなニュースにより視聴回数や売上が伸びるというのも、日本では到底考えられない傾向。本作『I Am > I Was』は、『Hoodie SZN』が2位にデビューした1月5日付チャートで、初動131,000ユニットを記録してNo.1デビューを果たしている。
3位は、先週の2位からダウンしたフューチャーの『The WIZRD』がランクイン。週間ユニットは21サヴェージと僅差の40,000で、2週前に首位デビューを果たした際の126,000ユニットから1/3ほどポイントダウンしている。一方、トラヴィス・スコットの『アストロワールド』は、リリースから半年が経過しているにもかかわらず、先週から10%ほど上昇した38,000ユニットを獲得し、9位から4位に順位を上げている。理由としては、登場25週目にして未だTOP10にランクインし続けている先行シングル「シッコ・モード」の大ヒットが挙げられる。
映画『アリー/スター誕生 』のサウンドトラックは、先週の4位から5位にダウン。週間ユニット数は38,000で安定しているが、今週はアワード効果がさほどポイントには反映しなかった。なお、米ロサンゼルスで開催された【第61回 グラミー賞】では、本作収録の「シャロウ」 が<最優秀楽曲賞映画部門>を受賞するなど、注目が高まっている。次週以降は、グラミー効果がアルバムにも反映する可能性が高い。2月24日には【第91回アカデミー賞】も開催されるため、今後もランクアップが期待できる。
以下、6位にポスト・マローンの『ビアボングズ&ベントレーズ』(36,000ユニット)、7位がミーク・ミルの『チャンピオンシップス』(35,000ユニット)、8位には、先週の11位からTOP10復帰したドレイクの『スコーピオン』(34,000ユニット)が続き、ポスト・マローン&スウェイ・リーの「サンフラワー」が大ヒット中の映画サントラ『スパイダーマン:スパイダーバース』が9位(31,000ユニット)、コダック・ブラックの『Dying to Live』が10位(26,000ユニット)と、TOP10中9作がヒップホップ勢によるアルバムで占めた。先週首位デビューしたバックストリート・ボーイズの新作『DNA』は、2週目でTOP10圏外にランクダウン。初動セールスが高くても、ストリーミングの弱いアーティストは上位を継続できない傾向にある。
次週は、2月8日にリリースされたアリアナ・グランデのニュー・アルバム『thank u, next』が、No.1デビューすると予想されている。
Text:本家一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、2月15日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『Hoodie SZN』ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディ
2位『I Am > I Was』21サヴェージ
3位『Future Hndrxx Presents: The Wizrd』フューチャー
4位『アストロワールド』トラヴィス・スコット
5位『アリー/スター誕生』サウンドトラック
6位『ビアボングズ&ベントレーズ』ポスト・マローン
7位『チャンピオンシップス』ミーク・ミル
8位『スコーピオン』ドレイク
9位『スパイダーマン:スパイダーバース』サウンドトラック
10位『Dying to Live』コダック・ブラック
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