2019/01/23 16:00
2019年1月22日に発表された【第91回アカデミー賞】の<作曲賞>部門の顔ぶれは、ノミネート経験があるアレクサンドル・デスプラ(『犬ヶ島』)、マーク・シェイマン(『メリー・ポピンズ リターンズ』)、ニコラス・ブリテル(『ビール・ストリートの恋人たち』)と、初めてのテレンス・ブランチャード(『ブラック・クランズマン』)とルドウィグ・ゴランソン(『ブラックパンサー』)となった。米ビルボードが、ノミネートが決まった彼らにさっそく喜びの声を聞いた。
◎ルドウィグ・ゴランソン『ブラックパンサー』
ゴランソンは妻と米ロサンゼルスでiPhoneを使ってノミネートの発表を観ていたそうだ。「二人ともショックを受けてあぜんとしたよ。まだ自分をつねってるんだ」と彼は米ビルボードに語っている。
彼の“ワカンダ”への道のりは、西アフリカへの旅から始まった。「セネガルに行ったんだけど、Baaba Maal(セネガルのシンガー/ギタリスト)が1週間の旅に連れ出してくれたんだ。妻と一緒に15時間のフライトでセネガルのダカールに着いたら、車に乗ってまた15時間、まったく何もない場所を走った。舗装されてない道で、真っ暗闇の中。ようやく彼が朝の4時半ごろに何かのフェスで歌い始めたんだ。ピアノと彼の歌だけで。到着してから音楽を聴いたのがそれが初めてで、あの感覚があまりにも魅力的だった。鳥肌が立ちまくって、周りのエネルギーが熱狂的だった。宗教体験みたいだった。あれを聴いた時、「あの感覚を『ブラック・パンサー』の音楽に取り入れることができたらうれしいな」って思った。だからそうしたんだ。映画をそうやって始めた。あれはBaaba Maalが歌ってるんだよ」と彼は明かしている。
◎アレクサンドル・デスプラ『犬ヶ島』
デスプラは声明で、「ウェス・アンダーソン(監督)との素晴らしいコラボレーションで、音楽部門が再び私を選んでくださったことについては言葉も出ません。光栄であり、感謝しています。ウェスは素晴らしいアーティストであり、彼の映画を作曲する作業はいつもやりがいがあり、あらゆる期待から遠いところへと連れて行ってくれます。フォックス・サーチライトとほかのノミネート者の皆さんにお祝いを申し上げます」とコメントを寄せた。
◎ニコラス・ブリテル『ビール・ストリートの恋人たち』
ブリテルは自分の名前が発表された時のことについて、「友人たちと観てたんだけど、頭の中が真っ白になった」と明かし、「クレイジーな神経学的現象だったよ。普通の状況とはだいぶ外れているからね」と語っている。
『ビール・ストリートの恋人たち』の監督バリー・ジェンキンスは、【第89回アカデミー賞】<作品賞>受賞作『ムーンライト』も監督しており、ブリテルとジェンキンスはともに『ムーンライト』の音楽も手がけ、同作で<作曲賞>部門にノミネートされた。ブリテルは、「『ムーンライト』の共同作業を『ビール・ストリート』で続けることができたこと自体が喜びだった。バリーと芸術的な旅を続けられることが。アプローチに関して言えば、僕たち二人にとって正真正銘の学習体験だった。スタートする段階ではどんなサウンドになるかわからないし、当初は勘で始める。特にバリーは最初のアイデアやフィーリングが素晴らしくて、『ビール・ストリート』の場合、ブラスやホーンのフィーリングを想像していたんだ。彼は自分が求めている特定の種類のアイデアを出すのが本当にうまい。僕の任務はこれらのアイデアやフィーリングを、音符やサウンドに変換して音楽的な風景にすることだ。そこには本当の信頼があり、バリーが僕の指針なんだ」と語っている。
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