2012/09/06
放浪のシンガーソングライターとして人気を誇るエリック・アンダースンが7年ぶりに来日した。今回のステージはエリックに加えて、エリックの妻でバック・ヴォーカルのInge Andersen、ヴァイオリンのMichele Gazichによる3人編成による演奏となった。エリックの最新作は2010年にリリースされた『The Cologne Concert』というライブ・アルバムだが、それと全く同じ編成による来日公演でもある。
オープニング・ナンバーは『Blue River』と並んで日本でも非常に人気のある『Be True To You』より、「Moonchild River Song」が選ばれたが、このオープニング・ナンバーだけでもこの夜、エリック・アンダースンは我々が本当に聴きたい曲を多く歌ってくれるような予感が漂って来た。すると、その予感は的中。4曲目から順に「Florentine」「Sheila」「More Often Than Not」「Wind And Sand」「Pearl's Goodtime Blues」「Faithful」「Is It Really Love At All」「Round The Bend」「Blue River」と、何と『Blue River』から全曲が演奏されるという驚きセット・リストとなったのである。つまり『Blue River』の全曲が本人の歌で再現されたのである。『Blue River』はいわゆるシンガーソングライターといわれるアーティストの作品の中でも、一際その良さが表れた作品であり、とりわけ日本では評価も人気も非常に高い作品だ。まさかそれが生で全曲が聴けるとは思ってもいなかっただけに、感激極まりないコンサートとなったことは言うまでもない。
エリック・アンダースンの歌は見事に生き続けていた。しかも、Michele Gazichの奏でるヴァイオリンは、よりその歌に生命力を与えていた感すらある。例えばリヴォン・ヘルムなど、訃報が後を絶たない状況下、生きている人が生で歌い演奏すること、それがどれだけ素晴らしいことなのかを改めて感じさせられた。そして心底、コンサートに酔いしれることの出来た六本木の一夜だった。
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