昨年度の【東京国際映画祭】コンペティション部門に出品され大喝采を浴びた映画『負け犬の美学』が2018年10月12日より公開される。本作で映画初出演を果たしたフランスの歌手オリヴィア・ミリラティの場面写真が解禁され、監督と共演者のマチュー・カソヴィッツからの絶賛コメントも届いた。

　監督作『憎しみ』（95）で【カンヌ国際映画祭】監督賞を受賞し、大ヒット映画『アメリ』（01）でヒロインの相手役を演じるなど、マルチな才能で幅広く活躍するマチュー・カソヴィッツが、本作で本格的にボクシングに入れ込み、家族のために体を張るボクサーを熱演している。40代半ばを迎え、盛りをすぎた中年ボクサーのスティーブは娘の夢を叶えたい一心で、誰もが敬遠する欧州チャンピオンのスパーリングパートナーになることを決意。ボロボロになりながら何度も立ち上がり、スパーリングパートナーをやり遂げたスティーブにチャンピオンからある提案が舞い込む。そしてスティーブは愛する家族のため、そして自身の引き際のために最後の大勝負に出る。引退試合のリングで父として娘に伝えたかった思いとは？　どんなに負けても惨めな思いをしても家族のために奮闘する父、大好きな父を思う娘との家族愛を丁寧に描いた感動作に仕上がっている。

　本作で映画初出演を果たしたオリヴィアは、2005年にエレクトロ・ポップ・デュオ「ザ・ドー/THE Do」をダン・レヴィーと結成（oは小文字“o”に“/”）。ネットで人気に火が付き、2008年のファースト・アルバム『A Mouthful』はフランスのアルバム・チャートで首位に輝いた。2015年にリリースした『Shake Shook Shaken』でフランスのグラミー賞【ヴィクトワール・デュラ・ムジーク】の年間最優秀ロック・アルバム賞を受賞するなど、ヨーロッパを中心に高い人気を誇り、日本では2015年に【サマーソニック2015】に出演した経歴を持つ。

　そんな彼女が演じるのは、主人公スティーブを支える妻マリオンだ。決して裕福ではないが、夫が好きなボクシングを応援する家族想いの妻を演じており、時に厳しくも、愛情を持って夫を支える姿は映画初出演と思えない程の自然体で表現している。共演したマチューは、「本作のような家族愛を描いた映画の中では、個々のキャラクターが各々良い状態であるだけではなく、キャラクター同士がコミュニケーションを取りあって、それが画面に表れている必要があるんだ。オリヴィア・メリラティと娘役のビリー、息子役の少年、そして僕の間ではすぐに上手くいった。監督は僕らの相性の良さを誰よりも先に感じていたんだ。僕らは準備に長い時間をかける必要がなかったよ」とオリヴィアと自然に家族に成りきれた事を語っている。

　今回彼女は演技だけでなく本作の音楽も担当している。監督のサミュエルは「本当に刺激的なコラボレーションだった。音楽は、ただのBGMにするのは論外だった。スティーブの無意識や映像に映し出されない部分を語るものでないといけなかったんだ。本作では、マチューの演技があり、僕の撮影があり、そして映像に表れない語りとしてオリヴィアの音楽があるんだ」と音楽面でも彼女の才能がいかんなく発揮されたという。本業の音楽だけでなく、役者としても存分に本作で輝きを残したオリヴィアを是非劇場で確認してみては？

◎『負け犬の美学』予告編
https://youtu.be/JYcJqIKqJnM

◎公開情報
『負け犬の美学』
2018年10月12日（金）より、シネマカリテほか全国順次ロードショー
監督・脚本：サミュエル・ジュイ
出演：マチュー・カソヴィッツ、オリヴィア・メリラティ、ソレイマヌ・ムバイエ、ビリー・ブレインほか
配給：クロックワークス
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