2018/09/13
米ロサンゼルスのステイプルズ・センターで【LOVE YOURSELF ワールド・ツアー】の北米日程開幕4公演を終えたBTS (防弾少年団)が、2018年9月11日にグラミー・ミュージアムでQ&Aセッションを行った。
ミュージアムのエグゼクティブ・ディレクター、スコット・ゴールドマンが司会を務め、約200人の幸運なA.R.M.Y.が客席から見守る中、メンバーは創作やキャリアの変遷などに関する様々な質問に一人一人が丁寧に答えていた。以下、Q&Aセッションから主な内容をいくつか紹介しよう。
BTSのメンバーは、昔から曲作りやミュージック・ビデオ、ライブ演出などに積極的に関わってきたが、最近はその割合がさらに増えており、スタジオやステージでより自信が持てるようになったと彼らは語っている。ジェイホープは、制作の舞台裏でクリエイティビティをさらに発揮できるようになったことで、パフォーマンスの際にもっと自由な気持ちになれて、より楽しめるようになったと話している。
メンバーたちは常に何かを創作しており、「年中ソング・キャンプにいるみたいだ」とシュガは形容している。メロディーのアイデアや歌詞を所属事務所ビッグ・ヒット・エンターテインメントCEOのMr. Bangに提出し、彼とプロダクション・チームとともにこれらのアイデアのかけらをヒット曲にまで作り上げている。ジミンによると、スタジオに入ると曲作りが加速し、レコーディングの段階で歌詞を微調整したり音に華やかさが加えられたりするそうだ。
また、メンバーの創造性はメロディーと歌詞だけでなく、振り付け、美術、衣装やスタイリングにも及んでいるとシュガが付け加えている。これら全ての要素が総合されることによりBTSの美学が生まれている。
Mr. BangはBTSが結成された頃から、メンバーに心から表現するよう促してきた。彼らの曲は私的で、痛みと楽観のどちらからも書かれており、ファンに対して自分を愛して大事にすることを奨励している。彼ら自身がそうすることで辛い時を乗り越えてきたからだ。シュガは、昔自分が聴いて気晴らしになった音楽に触れ、自分たちのファンにも同じような健康的な音楽体験を提供したいと語った。
BTSのアルバムは大抵シリーズとして制作され、現在の“LOVE YOURSELF”でも例に漏れず壮大な概念やストーリー・アーク、そして複雑に絡み合う筋が複数のアルバムを通して展開している。個々の楽曲の意味はアルバム全体を聴かなければ理解できない場合もあり、ジンはアルバムの先行曲とミュージック・ビデオが大抵その作品全体のカラーやテイスト、そして包括的なメッセージを反映していると説明している。
RMも、このような大きなスケールでプロジェクトを展開するのはリスクもあったと明かしている。シリーズのコンセプトがファンの理解を得られなかった場合、目的を達成できず、結果満足感も得られない作品に延々と肉付けしなければならないからだ。音楽業界は飽きっぽい側面もあるため、ファンに受け入れてもらえないアイデアに2年半もかければ、グループとしての勢いが削がれる危険もある。
だが今のところ彼らの挑戦は成功しているようだ。『LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’』は『LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’』に続き、僅か4か月後に米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”でNo.1を獲得した。【LOVE YOURSELF ワールド・ツアー】はソールドアウトが続出しており、韓国のアーティストとして初の米国スタジアムでのコンサートも決定している。ゴールドマンが、BTSが【グラミー賞】のステージに立つ日もそう遠くないだろうと発言すると、会場からは盛大な拍手が湧き起こった。
ジャンルとしてのK-POPについて聞かれると、シュガは少し考えた末、K-POPをカテゴライズするのは躊躇してしまうと答えている。様々な音楽のスタイルや美学が韓国の音楽に組み込まれてきたこと自体に刺激されていると彼は語り、ジョングクも、韓国から米国のポップ・ミュージックに至るまで様々な音楽を聴いているとコメントしている。実際BTSの音楽はポップ、ラップ、エレクトロ、そしてR&Bの要素を組み合わせることで、ジャンルや文化を超えた訴求力を発揮している。色々な音楽スタイルが持っている、歌詞やプロダクションに対する異なるアプローチから生み出された、ジャンルにとらわれない音楽が彼らをスーパースターダムへと押し上げたと言える。
インタビューの終わりに、Vが来場したA.R.M.Y.に礼を述べ、BTSが現在の高みに到達できたのはファンに翼をもらったからだと感謝した。米国のファンについて聞かれると、RMはA.R.M.Y.がコンサートで韓国語の歌詞を歌ってくれていることに特に感動していると語った。ジョングクも、ファン層が広がりBTSが成功を収める中、最高の音楽を作ってファンを満足させる責任をこれまで以上に自分たちは感じていると述べている。
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