2018/08/18
菅田将暉のニュー・シングル「ロングホープ・フィリア」が8月1日にリリースされ、今週のBillboard JAPAN Hot100で11位を記録している(【表1】)。フィジカルのリリース週の集計である先週8/13付が14位だったので、3ランクもアップしているのだ。いわゆる「流行りモノ」としてのヒットは、初動で一気に売り切り、その後徐々にランクダウンしていく。ジャニーズもAKB系も大抵はそういった動きをすることが多い。しかし、この曲は逆の動きをしているのである。
ただ、配信やフィジカルのセールス・ポイントに関しては、先週が14位で今週は15位と少し減少している(紫のグラフ)。では、なぜ売上が落ちたのにチャートが上昇したかというと、ラジオでのオンエア回数(緑のグラフ)、PCでのCDの読み取り数であるルックアップ(オレンジのグラフ)、そしてミュージック・ビデオの閲覧数(赤のグラフ)がアップしているからだ。とくに、ミュージック・ビデオに関しては、先週の75位から一気に40位にまで上昇した。この曲は映画主題歌であるが、そことリンクするのではなく、リバースグラフィティという技法で歌詞を描くというユニークな映像表現が話題になっている。
菅田将暉は、もちろん俳優ということもあり、ビジュアルや映像は大きなキーポイントだろう。今年2月にリリースした前作のシングル「さよならエレジー」は、ドラマの主題歌ということでヒットを記録し、今週も56位に残っているが(【表2】)、やはり他のポイントは下がっても動画閲覧数は伸び続けているという印象だ(赤のグラフ)。これも単にかっこよく映すというだけでなく、アーティスティックで何度も観たくなるような映像表現のミュージック・ビデオを作っているからだろう。
「さよならエレジー」のYouTubeでの再生数はすでに4千万回を超えている。新曲「ロングホープ・フィリア」は、公開して1か月弱で240万回を記録し、じわじわと伸び続けている。もちろん、セールスなど他のポイントも重要ではあるが、動画再生をいかに促進するかが、菅田将暉を長く売れ続けさせるコツなのかもしれない。
Text:栗本斉
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