2018/08/15 12:00
2018年8月13日、80年代ニューウェイヴを代表するバンド、ヘアカット100の中心人物であり、ソロとしても多くのヒット作を生み出してきたシンガーソングライター、ニック・ヘイワードがビルボードライブ大阪に初登場した。
80年代初頭の英国ニューウェイヴ/ファンカラティーナを代表する名バンドにして、フリッパーズ・ギターの曲名に引用されたことでもお馴染みなヘアカット100の中心人物であり、ソロに転じた後も巧みなソングライティングと音楽性の高さでギター・ポップ系のファンから揺るぎない支持を集めてきたニック・ヘイワード。昨年に20年ぶりとなった新作アルバム『ウッドランド・エコーズ』を発表して衰えを知らない才を発揮した彼が久々に実現させた来日公演は、イイ感じで歳を重ねた彼のフランクな人柄とチャーミングさ、そしてヘアカット時代を含む新旧の名曲の惜しみない連打によって、改めてビートルズ直系なソングライターとしての非凡さに感嘆させられた好ステージとなった。
サックス奏者を含む5人編成のバンドとともに登場し、ギターを調整しながら“ハイ! いい雰囲気の会場だね”などと気さくに客席に声をかけると、冒頭から軽快なギターのカッティングとともにヘアカット100「Love Plus One」をプレイして一気に盛り上がりモードへ。そのままファンクっぽいギター・リフから「Take That Situation」、英国らしいメロディの良さが光る「On A Sunday」などと、83年に発表した初ソロ作『風のミラクル』に収録の人気曲を次々と取り上げ、曲間には彼の最新作でサウンド・エンジニアを務めて今回のツアーにもローディとして同行してきた息子のオリヴァーも紹介しながら、キャリア初期の名曲を立て続けに披露して久々に再会したファンを魅了した。
中盤には、アコースティック・ギターとハーモニカに持ち替えて93年に発表した『フロム・マンデイ・トゥ・サンデイ』に収録された名曲「Kite」などの90年代にリリースしたナンバーも取り上げ、自身の軌跡を辿るような曲の流れとともに、最新作に収録された「Who?」へ。ニューオリンズ風のピアノなども交えたアレンジや凝ったメロディ展開で、彼らしい軽快さはキープしながらも音楽的な深まりを増した新境地もしっかりと響かせると、クリエイション在籍時の95年に発表したアルバムからの「Rollerblade」でロック色を強めてビートルズ『リボルバー』収録のロッキンな名曲カバーへとテンション高く突入していく流れも最高だった。そして終盤は、最新作『ウッドランド・エコーズ』の収録曲を中心に聴かせたところで、ラストは誰もが歓声を上げずにおれないギターのカッティングから問答無用なファンカラティーナ・アンセムの「Favourite Shirts(Boy Meets Girl)」へ。かろうじて座って楽しんでいた観客たちも一気に立ち上がり、才人の久々の来日を祝福するように盛り上げた。
完全にヒートアップし切った客席からの拍手と歓声に包まれて、一旦ステージから去る間もなくそのままアンコールへと流れ込み、締めくくりは再びヘアカット100時代の代表曲である高揚感に満ちたメロディを伴った祝祭的な「Fantastic Day」を。リアルタイム世代も90年代インディ・ポップ以降の後追い世代も、英国ロック~ギター・ポップ・フリークならば、続くビルボードライブ東京で15日(水)と16日(木)に行われる公演、また18日に行われる【SUMMER SONIC 2018】の東京会場『Billboard JAPAN Stage』をどうかお見逃しなきよう。
◎公演情報
【ニック・ヘイワード】(単独公演)
2018年8月13日(月)<終了>
1st 開場17:30/開演18:30
2nd 開場20:30/開演21:30
ビルボードライブ東京
2018年8月15日(水)~16日(木)
1st 開場17:30/開演19:00
2nd 開場20:45/開演21:30
ビルボードライブURL:http://www.billboard-live.com/
【SUMMER SONIC 2018】※8/18東京会場へ出演
2018年8月18日(土)~19日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
Billboard JAPAN Stage
URL:http://www.summersonic.com/2018/
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