2018/08/13 11:15
yonigeが、8月10日に【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO】のEARTH TENTの2組目として登場した。
野心とは無縁のマイペースなスタイルに反して、飛ぶ鳥を落とす勢いで爆進中の2人。彼女たちへの期待値の高さは、初登場で用意されたそのステージの大きさや、満場のフロアからも十二分にうかがえた。今か今かと待ち構える観客の中、やはりゆったりと登場した牛丸ありさ(ヴォーカル・ギター)とごっきん(ベース・コーラス)。1曲目に披露したのは「最愛の恋人たち」。真っ赤な照明の中で〈灰になってもうどれほど経つだろう / 今思えばあなたのことは/好きじゃなかったけど好きだったような〉と恋に溺れた人間のやるせない気持ちを唄い上げ、瞬く間に会場を自分たちの色に染め上げた。続いて「リボルバー」「our time city」を披露しMCへ。
「改めまして、yonigeです。初めましてのライジングでこんなクソデカいステージを用意してくださって、ありがとうございます。雨宿りで入ってきた人もありがとう」と語ったのち、「私たち北海道が大好きで。何でかって言うと、露骨に食べ物が美味しいから! この後はジンギスカンを食べる任務があります」と熱い北海道愛を露わにしたごっきん。そして次第に強まる雨足に「イヤモニ外すと雨の音がすごいね」と驚いた牛丸だが、その後「アボカド」を筆頭としたとアッパーチューンを披露し、雨で凍てつく多くの観客たちの熱を上げさせた。その一方で、「沙希」といったしっとり聴かせる曲では、曲中に訪れる一瞬の静寂の合間に雨音が美しく響き、まるで雨も演出のひとつかのようにyonigeの音楽がより深く、色濃く彩られていた。ラストはCMでもお馴染みとなった「笑おう」で大団円。〈うまくいかないことが多くても / 泣いて生まれてきたから / 笑って行こう〉と綴られた前向きな詞は、何事もなんとかやっていけそうな勇気を与えてくれる。yonigeの曲は恋愛中の独りよがりな感情に共感させてくれる一方で、こんなふうに希望の光も与えてくれるのだから面白い。
計12曲も披露し、初登場とは思えない堂々としたパフォーマンスでEARTH TENTの夕刻を飾ったyonige。途中、雨宿りがてら入ってきた観客の多くが足を止めそのまま聴き入る姿が印象的で、強い雨をも味方につけて一瞬にして自分たちの世界を作り上げた2人がとても頼もしく見えた。彼女たちへの期待値はさらに増え続ける一方だし、一番大きいステージで演奏する日もそう遠くはないのだろうと思いながら、ステージを去る彼女たちの姿を見送った。
【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO】は1990年からスタートし、今年で20回目。全ての入場券がソールドアウトとなり、計74,000人が入場した。なお、【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO】は2019年8月16日、17日に開催される。
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