2018/07/01
7月2日付 Billboard Japan Hot100(集計期間:6月18日~6月24日)には多数の"2018 FIFAワールドカップ ロシア"関連楽曲がチャートインした。"2018NHKサッカーテーマ"の Suchmos「VOLT-AGE」が8位、"2018フジテレビ系サッカーテーマ曲"のRADWIMPS「カタルシスト」が14位、"日本テレビ系ロシア2018テーマソング"のNEWS「BLUE」が29位など、ワールドカップ中継時に流れる各局の今年のテーマ曲である。いずれも人気グループが今月発表した新譜であり、これは順当な結果といえよう。
むしろ過去のワールドカップ関連楽曲もチャートインしているところが興味深い。前回のFIFAワールドカップ(開催国:ブラジル)時の"2014NHKサッカーテーマ" 椎名林檎「NIPPON」(57位)、2010年のFIFAワールドカップ(開催国:南アフリカ)時の"2010NHKサッカーテーマ" Superfly 「タマシイレボリューション」(84位)などだ。これらがワールドカップから想起される楽曲であることはラジオのポイントが増加していることからも裏付けられる。また、現在も日本サッカー協会公認サッカー日本代表応援ソングであるため過去のテーマ曲ではないが、ウカスカジー 「勝利の笑みを 君と」も2014年の楽曲ながら74位にチャートインしている。
ではCDセールスへの影響はあるのか、SoundScan Japan タイトルレポートでCDセールスの推移を調査した。(図1)
※1 「タマシイレボリューション」収録シングル「Wildflower & Cover Songs;Complete Best 'TRACK 3'」の売上数
※2 「勝利の笑みを 君と」収録アルバム「AMIGO」の売上数
グラフに示す通り、これらはリリースから4年以上経っている作品にもかかわらず毎週絶えることなく売れ続けていたが、23週(集計期間:6月4日~6月10日)辺りから椎名林檎「NIPPON」とウカスカジー「勝利の笑みを 君と」収録アルバムの売上数が急上昇している。一方、「タマシイレボリューション」収録シングルに関しては顕著な変化は見られなかった。表題曲でないため、曲名だけ知っていても数あるSuperflyの作品の中から見つけ出すのが難しいことも一因かもしれない。ウカスカジー「勝利の笑みを 君と」も表題曲ではないが、こちらはウカスカジー自体がサッカーと音楽で繋がったMr.Children桜井和寿とGAKU-MCのユニットであることからサッカーとの親和性が高く、楽曲と同等にアーティストが想起されて購入につながっている可能性もある。
では、シングルやアルバム単位ではなく、曲単位の動向はどうなのか、CHART insight bizで動画再生の推移を調査した。すると「タマシイレボリューション」も「NIPPON」同様、23週から急激に増加しており、聴きたくなる人が多数存在していることが確認できた。
ワールドカップに限ったことではないが、イベントのテーマ曲に選ばれれば多くの人に聴かれる機会ができ、売上にプラスの影響が出ることは想像に難くない。さらに、そのイベントといえばこの曲、という存在になれれば、そのイベントが開催される度に聴き継がれ、売上にもつながっていることが見えてきた。冒頭に挙げた、今年のテーマ曲に選ばれた楽曲の中からそんな曲が現われるのか、今後の動向に注目したい。
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