2018/05/15
2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭【大地の芸術祭2018】のオープニングコンサートが、7月28日・29日に開催される。
【小林武史:交響組曲『円奏の彼方(Beyond The Circle)』 ~based on 柴田南雄「ゆく河の流れは絶えずして」~】と題した本コンサートは、安藤裕子、桐嶋ノドカ、Salyu、TOKU、寺岡清高(指揮者)の他、地元の方々も参加予定だ。
小林は今回のオープニングコンサートの為に、8楽章からなる交響組曲を新たに書き下ろし。楽曲は日本の音楽に偉大なる足跡を残した作曲家・柴田南雄(しばたみなお)の交響曲「ゆく河の流れは絶えずして」をベースにしたもので、オーケストラと個性豊かなシンガーたちとともに奏でられる。昭和50年を記念したこの楽曲中で合唱されるテキストは、鴨長明の随筆「方丈記」をもとに、日本の音楽家の音楽体験の回顧を試みるものとして作られたと言われている。
古より連綿と続く“無常”というベクトルが今、小林武史の手によって映像を含んだ<現代の交響詩>として生み出される。
◎小林武史コメント全文
柴田南雄さんの作品をあらためて観て、ある種の“触媒”のようなあり方を感じたんです。柴田南雄という人にはインスピレーションを表現する天才的な表現者の部分もあるのですが、日本/欧米、日本/アジアなどを世界を相対化して考えた音楽の研究者という“知”の側面があった。『ゆく河の~』という彼の作品はそんな彼の音楽を通した“旅”であったと思うんです。鴨長明をはじめとした先人たちが辿った“知の旅”ですね。
僕らの時代はいよいよAIが登場するまでになって、でも一方では東日本大震災のように自然の前ではまだ無力であることを思い知らされたりもする。そんな“無常”という大きなベクトルのなかで鴨長明が感じたこと、それを継いで柴田南雄さんが作った交響曲。それらを経ていま僕がそのバトン受け継いでいるんだと思う。
『大地の芸術祭』の場でこの公演を勧めてくれた北川フラムさん(大地の芸術祭総合ディレクター)もそのバトンを受け渡してくれたひとりです。
僕のこの交響組曲は、そういった先人からのバトンに共振した感性の旅行記のようなものだと感じています。
◎公演情報
【小林武史:交響組曲『円奏の彼方(Beyond The Circle)』 ~based on 柴田南雄「ゆく河の流れは絶えずして」~】
2018年7月28日(土)・29日(日)
新潟・越後妻有文化ホール・十日町中央公民館 「段十ろう」
[出演]
小林武史 / 安藤裕子、桐嶋ノドカ、Salyu、TOKU / 寺岡清高(指揮者)、他
◎イベント情報
【大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018】
2018年7月29日(日)~9月17日(月・祝)
新潟・越後妻有地域
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