2018/04/17
ゼイン・マリクの2018年第一弾シングル「レット・ミー」は、デビュー曲にして自身最大のヒット曲「ピロウトーク」(2016年1位)のプロデューサーであるメイクユーノウラヴとキャレド・ロハイムが手掛け、トップスターたちが使用する“ジャングル・シティ・スタジオ”でレコーディングされたという、気合いの一曲。
「恋人になれないかな?人生全てを君に捧げたい」……と、いかにもアメリカ人が好きそうな甘い台詞をひたすら並べる歌詞に、ナイーブで柔らかいファルセットを乗せたメロウ・グルーヴ。フォーク・ギターを基調としたオーガニック・サウンドも聴き心地良く、これから迎える初夏にもピッタリの爽やかさが漂う。ソロ・デビュー以降、フロアライクなタイトルをヒットさせてきたゼインだが、ワン・ダイレクション時代に回帰したようなポップさは、往年のファンに安心感を与える。
公開翌日に1千万回視聴を突破した話題のミュージック・ビデオが、早くもネットをザワつかせている。というのも、このビデオに出演しているモデルが、「ピロウトーク」のビデオに出演させた元カノのジジにそっくりだというのだ。言うほどか?とツッコミたくなるが、話題性を狙って“あえて”のキャスティングという噂も……。彼女との濃厚なラブシーンや格闘シーン等、見どころも満載で、ゼインのビジュアルもこころなしか1Dの頃のような小奇麗さを取り戻した気がする。
ゼインは、「自分が望んだようには注目されなかったから、もう複雑なことはやりたくない」と雑誌のインタビューに答え、新曲「レット・ミー」やニュー・アルバムについては、「間違いなく自信がついた」と自画自賛し、2ndアルバム(タイトル未定)は、「年齢を重ねたことで表現できる、前作とは違う作品になった」とラジオ番組で明かしている。ヒップホップやR&B色は薄め、「レット・ミー」のようなアーバンメロウや、アダルト・コンテンポラリーが中心のアルバムになるのだろうか。
評論家からも、「流行りの音に頼らなず、過去よりはるかに素晴らしい歌い手になった」と絶賛され、更にアーティスト性を高めたゼイン。米ビルボード・ソング・チャート最高2位をマークした、テイラー・スウィフトとのデュエット「アイ・ドント・ワナ・リヴ・フォーエヴァー」や、最先端のサウンドと流行を取り入れたパーティネクストドアとのコラボ・シングル「スティル・ゴット・タイム」も悪くなかったが、25歳になり良い方向に転換するアルバムも期待したい。新曲「レット・ミー」では、あくまで歌で勝負したいという意気込みを感じられた。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
「レット・ミー」
ゼイン
2018/4/12 RELEASE
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