2018/04/12
1999年「あなたとふたりで~Be with me all day long~」で鮮烈なデビューを果たして以来、2018年現在まで一貫して「たかが恋、されど恋」とラブソングを歌い続けてきた傳田真央。最初で最後となるオールタイムベストアルバム『Eternal Best 2000-2018』を2018年3月14日にリリースし、5月2日にshibuya duo MUSIC EXCHANGEで開催されるツアーファイナルをもって、アーティスト活動を休止することを発表した。
そんな音楽人生のひとつの分岐点に立った彼女にインタビューを敢行。活動休止についてはもちろん、今回のベストアルバムやツアーについて話を伺いつつ、未来への夢想も語ってもらった。活休前最後のツアー【Eternal Voice Tour 2018】開催直前となった今ここに解禁する。
◎傳田真央 活動休止前インタビュー
<新しい自分の人生の道筋が見えてくればいいなと思っている>
--アーティスト活動休止。これを決断した経緯や理由を教えてもらえますか?
傳田真央:昨年、アルバム『Love for Sale』をリリースしたんですけど、それも「オリンピックか!」と思うぐらい時間をかけて制作していたんで(笑)、それでライブとかもいろいろやったあとに「じゃあ、次は何を作ろうか」という打ち合わせをして。でも4年かけて『Love for Sale』を作ったところだったから「新しいモノをまた作る」という感覚にならなかったんです。
--なるほど。
傳田真央:ここ数年修行もさせてもらいながら、アコースティックライブとかたくさんやってきて、いろんなお客さんのリアクションも直接見ながら、甘酸っぱいデビューの頃からのいろんな思い出を振り返ったり、同時にこれからのことも考えたりするようになっていて。そんな中で「無理に新しいモノを作る」というチョイスをしなくても良いんじゃないかなって。あと、ベスト盤を出すのは念願でもあったんです。「ベスト盤を出したい!」って何年も前からスタッフさんには言っていたんですけど、このタイミングで出させてもらえて嬉しいですね。
--それで一区切りしようと。
傳田真央:そうですね。ひとりのアーティストとしても、ひとりの女性としても、ベスト盤を作るということで振り返りたかったし、新しい自分の人生の道筋が見えてくればいいなと思っているんですけど。
<すべてが愛おしい……傳田的青春時代のそばに居てくれた人たちへの感謝>
--傳田真央の19年間から生み出されてきた楽曲群=『Eternal Best 2000-2018』を通してどんな印象を持たれましたか?
傳田真央:まず……恥ずかしい! 直視できない(笑)。
--どの辺が恥ずかしいんでしょう?
傳田真央:自分で「ベスト盤作りたい」と言いながら、めっちゃ照れながら作っていて、特に映像のほうはね、私の恥ずかし映像を大放出する形になるので(笑)。歌声も全然変わっているし、デビューの頃の声とか今聴くとあどけなくて無防備で「この人、大丈夫かな?」と思っちゃうぐらいで。自分で意図的に歌い方を変えて歌っているつもりは全くないんですけど、やっぱり歌という楽器は面白いし、ここまで自分の心の変化と共に進化してきたんだなって思いましたね。本当に違う人みたいに違うから。
--いちばん恥ずかしかったのは?
傳田真央:「抱き寄せたDestiny」のビデオかな(笑)。その当時2000年でミレニアムみたいな感じもあったし、自分もR&Bのムーヴメントの中でデビューしたというのもあったし、すごく夢溢れる派手な時代だったから、ビジュアルワークとかもめっちゃ派手で。当時お世話になっていたビジュアルチームのユーモア溢れる皆さんにエキセントリックな感じに……オブジェみたいになってて「なんでこのラブソングでこんな格好してるんだろう?」みたいなところがいっぱいあって(笑)面白いです。すごく奇抜でしたよね。
--また、今回のアルバムタイトルが『Eternal Best 2000-2018』。そして、活休前最後のツアーのタイトルが【Eternal Voice Tour 2018】となっていて、かのファーストアルバム『Eternal Voice』とリンクさせていますよね。自身の音楽ストーリーを意識的に一度完結させようとしている印象も受けました。
傳田真央:一回ちゃんと走馬灯を辿って、一括りしたいという想いはあって。ちゃんと自分のここまでのヒストリーを振り返るタイミングが次いつ来るかも……私はこんなマイペースな性格なので分かんないなと思ったし(笑)。ここに来て自分の……特にファーストアルバムですよね。あの頃の自分の歌たちとか、書いてきたメロディとか言葉とか、そのとき周りに一緒に居てくれたクリエイティブスタッフの人たちとか、そこで出逢った人たちとか、そのすべてがすごく愛おしく思えて。そういう良き時代の、傳田的青春時代のそばに居てくれた人たちへの感謝を伝えられればなと思ったんです。
<歌うこと自体を辞めたいとは全然思っていない……未来の自分にワクワク>
--そうした作品やライブをここで打ち出すことで感じるモノもあるでしょうし、それらを携えてまた表舞台に戻ってくると信じていますし、そう考えると今回の活休は決してネガティブなものではないのかなって。
傳田真央:そうですね。引退ということではないので。他のアーティストさんよりリリースは少ないですが、ここまでの活動を一度ベスト盤で一括りすることによって、たぶん生まれ変わろうとしているんだと思うんです。今後のことはまだ何も考えてはいないんですけど、前向きに生まれ変わる意味での一括りにしたいなと思っています。
--そう捉えると、この先の生まれ変わった傳田真央に何が舞い降りるのか楽しみになってきますね。
傳田真央:始めてしまったからには「このあと一生歌わない」ということにはならないと思うし、歌うこと自体を辞めたいとは全然思っていないので、私も「次の自分はどんなスタイルで、どんなメッセージ、どんなメロディを発信していくことになるのかな?」って未来の自分にワクワクしています。音楽に対しても前向きな気持ちですし、ファンの皆さんにもそういう風に捉えてもらえたら嬉しいなって。
<私、どれだけマイペースなんですか(笑)。ギネス、載るかな?>
--活休前最後のツアーは、どんなライブを繰り広げたいなと思っていますか?
傳田真央:タイトルが【傳田真央 Eternal Voice Tour】なんですけど、実はファーストアルバム『Eternal Voice』リリース時にワンマンライブをしていなかったんですよ(笑)。その叶えられていなかった『Eternal Voice』のワンマンライブを実現させたいなと思っています。念願のライブになります!
--およそ20年越しの実現になる訳ですもんね。
傳田真央:そうなんですよ!
--ファーストアルバムのツアーを忘れずに楽しみにしていた人もいるかもしれないし。
傳田真央:お待たせしました(笑)!
--史上最長だと思いますよ。ファーストアルバムの発売からそのツアー開催までのインターバルの長さ。
傳田真央:私、どれだけマイペースなんですか(笑)。ギネス、載るかな?
--でもすごくドラマティックだと思います。あのみんなに愛されたアルバムを約20年後の傳田真央が歌いに行くツアーというのは。
傳田真央:最近はアコースティックライブ中心に活動してきていたんですけど、そんな自分のライブへの修行時代も経て、今回のツアー……東京公演は特になんですけど、ちょっと原点回帰な部分も含めてR&Bなコーナーも設けたりしたいなと思っています。ダンサーさんにも来てもらって、私は昔みたいには踊らないですけど(笑)、ぜひ観に来てほしいです。
取材&テキスト:平賀哲雄
◎ライブ情報【傳田真央 Eternal Voice Tour 2018 ~Premium Final in TOKYO~】
2018年05月02日(水)shibuya duo MUSIC EXCHANGE
OPEN 18:15 / START 19:00
料金:全自由5,500円(tax in.)
※ご入場時、ドリンク代が別途必要となります。
問い合わせ:Shibuya duo 03-5459-8716
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