2018/03/12
震災の年から続いている【全音楽界による音楽会】が、 復興支援の灯を消さないようにと、 震災から8年目となる今年も多くのアーティストの賛同によって3月10日に開催された。
2011年の東日本大震災に被災された多くの人が、 いまだ元の生活を取り戻せないにもかかわらず、 その後に起こった多くの事件や災害に、 その記憶はどうしても薄れがちになっていく。しかし、大友直人、コシノジュンコ、三枝成彰、堤剛、林真理子、矢内廣、湯川れい子が発起人となり、震災の年から続いている「全音楽界による音楽会」が、 復興支援の灯を消さないようにと、震災から8年目となる今年も多くのアーティストの賛同によって開催さた。
入場時に集めた義援金を、丸ごと被災地に渡したい、という発起人の思いから、このコンサートでは、 チケットは原則無料、そのかわりにチケット1枚につき1万円の寄付を募るというユニークな方式をとっている。
会場となったサントリーホールの前には、公演のだいぶ前から多くの人が集まり、発起人をはじめ、アナウンサーの小島慶子、女優の藤真利子、放送作家の山田美保子、パティシエの鎧塚俊彦も駆けつけ、募金バケツを持って義援金を募った。この日はまだ肌寒い曇り空だったにもかかわらず、会場が開く前から、募金テーブルの前には多くの人が集まり、開演時間の間際まで募金の列は途絶えることなく、暖かな笑顔があふれた。
発起人である湯川れいこは、東日本大震災の遺児、孤児の支援にも力を入れており、「子どもたちが自分のやりたいことを目指せるようにしたい。彼らが成人するまで見守りたい」という思いで、この音楽会の開催に尽力している。このコンサートのもうひとつの特徴は、発起人みずからが、東日本大震災の復興支援に共感するアーティストに声を掛けていること。そのため、このコンサートには、クラシック、ポップス、演歌と、音楽のジャンルを超えて、発起人の思いに賛同する多くのアーティストが集まっている。
クラシックの美しい調べ、演歌の力強い歌声、ポップスのメロディアスな世界観、ふだんは聴くことのないジャンルの音楽に触れ、2000名を超える満員の客席からは大きな拍手と歓声が上がった。
クラシック界からは、上野星矢(フルート奏者)、大島幾雄(オペラ歌手)、大山大輔(オペラ歌手)、小川里美(オペラ歌手)、神楽坂女声合唱団、coba(アコーディオニスト)、佐藤しのぶ(オペラ歌手)、ジョン・健・ヌッツォ(オペラ歌手)、東京女声合唱団・VOJA FAMILY、紅林弥生(ピアニスト)、服部百音(ヴァイオリニスト)、宮田大(チェリスト)、横山幸雄(ピアニスト)、黒木雪音(ピアニスト)、吉田誠(クラリネット奏者)、六本木男声合唱団ZIG-ZAGが出演。
ポップス、演歌界からは小林幸子、さだまさし、氷川きよし、平原綾香、三浦祐太朗、由紀さおり&安田祥子、LE VELVETSが出演。ふだん滅多に共演することのないアーティストが、震災からの復興支援という共通の思いを抱き、舞台に立った。
この日集まった義援金の金額が、コンサートのフィナーレで、ボランティアから発表された。この日、被災地に渡される義援金の金額は、20,756,733円。寄付された義援金から、最低限の運営経費を引いた金額となっている。
発起人のひとりである三枝成彰から、 来年もこのコンサートを開くことが約束され、【第6回「全音楽界による音楽会」】は幕を閉じた。
◎コンサート情報
【第6回『全音楽界による音楽会』3.11チャリティコンサート】
2018年3月10日(土)
サントリーホール
チケット:無料。入場時に1人10000円以上の義援金。
<指揮>高井優希、 渡辺俊幸
<総合司会>露木茂、 永井美奈子
※お客様、 出演者からの義援金は、公益社団法人3.11震災孤児遺児文化・スポーツ支援機構と一般社団法人チームスマイルに贈呈する。
※このコンサートは、 入場料収益の全額を公益社団法人3.11震災孤児遺児文化・スポーツ支援機構と一般社団法人チームスマイルに寄付するコンサートであるため、 一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より、 著作物の利用について無償で許諾を受けている。
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