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2018/02/05

ロックトリオ、BE THE WOLFのフェデリコがFROZEN CROWNで披露する“メロパワ”センス【Review】

イタリアはトリノ産人気ロックトリオ:BE THE WOLFのフェデリコ・モンデッリ(Vo&Gt)がニューバンドを結成。FROZEN CROWNにて1stアルバムをリリースした。BE THE WOLFと言えば、2015年にデビューして以来、その危険な香り漂う甘いメロディーのロックサウンドで瞬く間に人気を博したバンドだ。そのVo&Gtおよびソングライターを担うフェデリコが新たに組んだこのFROZEN CROWNの音楽性がまた面白く、本家とは全く違ったモダンなメロディック・パワー・メタル系サウンドを聴かせてくれているのだ。

 日本のカルチャーが好きでX JAPAN「紅」のライブ映像に衝撃を受けたというフェデリコは、SONATA ARCTICA、HELLOWEEN(アンディ・デリス加入後)から、DARK TRANQUILLITY、IN FLAMES、CHILDREN OF BODOMなどのメロデス系、さらにはOPETHやブラックメタルからも影響を受けているとのこと。本作ではそのSONATA~を基盤とし、所々で自身によるグロウルも導入したモダンスタイルの北欧メタルを披露している。

 フェデリコらしいアイディアのユニークなメンバー編成にも注目したい。自身でGtとVoの他にキーボードを務めつつ、専任の女性シンガーおよび女性ギタリストを迎えているのだ。ハスキーかつ中音域を軸とする自身の歌(とグロウル)は要所要所で使用し、メインはジャーダ・エトロの伸びやかな透明ヴォイスに任せている。この点からも彼がBE THE WOLFとは一線を画すサウンドを体現したかったことが理解できるだろう。

 収録曲を見てみよう。SONATA直系の「Fail No More」をはじめ、勇壮な漢メタル系の「I Am The Tyrant」、「Everwinter」、CHILDREN OF BODOM系の「Netherstorm」などは所謂“分かりやすい”曲。代わって静寂かつ北欧民謡風でありながらも、どこか日本的な雰囲気も醸し出すエキゾチックな「Chasing Lights」から、自身のグロウルもあるAmaranthe的なモダンメタルチューン「Queen Of Blades」へと流れる組曲は非常に実験的だ。この辺もBE THE WOLFでは出来ない表現を試した結果だろう。

 恐らく意図してのものだろうが、本家と打って変わって直線的なメロディーがBE THE WOLFのファンに受け入れられるのか、はたまたメロパワ/メロスピ・ファンにアピールし得るのか正直微妙なラインだ。しかしながら、フェデリコのBE THE WOLFとは異なるクリエイティヴィティを自身で楽しみながら発散出来るのであれば、個人的にはこのFROZEN CROWNの方も応援したい。才能豊かな彼がロック/メタルの境界線を取り去ってくれることを期待したいからだ。 (Manabu.H)

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