2017/12/26
超特急が、12月24日と25日に恒例のクリスマス公演を幕張イベントホールにて行った。
注目度急上昇中の彼らだけに、チケットは即完売。多芸多才なクリスマスメドレー等、クリスマスだからこその演出で最高のプレゼントを贈ると同時に、これまでとは一味違う新境地で2日間に集まった計2万人を驚かせた。
クリスマスライブを行うのは4年目となる超特急だが、今年は5周年イヤーの締めくくりとして4都市5公演に上る全国アリーナツアー【BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning】の初日&2日目公演として実施。5号車のユーキが総合演出を務める等、メンバーそれぞれがライブ制作に関わっているのが今ツアー最大の特徴で、そのぶん8号車と呼ばれるファンに7人の想いがダイレクトに伝わるものとなった。クリスマスツリーが置かれたステージの上、煙突の煙のように噴き上がるスモークの中から超特急サンタが登場すると、7号車のタカシが「8号車のみんな、メリークリスマス!」と挨拶をして、クリスマスソング「Joy To The World」をドレッシーなソロダンスで披露。その際のメンバー紹介ナレーションを担当していたのはリーダーの3号車・リョウガで、白と黒のモノクロームを基調とした衣装は、2号車のカイが“超特急版サンタクロース”をテーマにプロデュースしたものだ。ファーがあしらわれたファンタジックな装いはクリスマス公演にピッタリで、カイも「衣装プロデュースはずっとやりたかったので幸せ。それぞれのメンバーに着てほしい衣装を着てもらって、世界一カッコよかった!」とご満悦。おまけに24日は奇数号車メンバーが黒で偶数号車メンバーが白、翌25日は奇数号車が白で偶数号車が黒と、衣装の色合いが入れ替わっていたのもニクい仕掛けである。
「Burn!」では「最高に楽しい1日にしようぜ!」と言い放った1号車のコーイチから順に、クリスマスという大事な日への想いを伝え、続く「超えてアバンチュール」でも6号車のユースケが「クリスマス!」と絶叫。クリスマスならではのワードが数々飛び出すと、客席では推しメンカラーのペンライトが勢いよく振られ、その歓声の大きさに「これは最高のライブをするしかない!」とリョウガもMCで誓う。会場を埋め尽くす8号車のペンライトに「僕たちが世界で一番リア充です」とユーキが断言した直後、なんとメンバーがステージ上で生着替えして、それぞれのイメージカラーの入ったジャケット&パンツに早変わり! キュートな表情に黄色い声が湧きまくる「Pretty Girl」から、ハードなフォーメーションで魅せる「Kura☆Kura」、腰を揺らす様がセクシーな「We Can Do It!」(25日は妖しい笑みで投げキスを飛ばしまくる「Kiss Me Baby」)。そしてジャジーにオシャレな「Whiteout」と、タイプの異なるラブソングで多方向から8号車の心を撃ち抜くが、どの角度でも格段に“男の色気”が増していたのは、さすが25日に結成6周年を迎えただけのことはある。切ない冬バラード「Snow break」でもエモーショナルな歌声と、そこにシンクロするダンサー陣の緩急鋭い動きが、天井から降る雪と相まって実にドラマティック。さらに「UNKNOWN…」では別々のメロディを歌いながらも絶妙に絡み合うコーイチ&タカシのボーカルアンサンブルに、アクロバティックでいながらアンニュイなダンスが大人のムードを爆発させて、グループとしての成長と成熟を証明してみせる。
24日のMCではそれぞれがクリスマスイブの思い出を語り、カイは「ここ数年はライブで、どこよりも綺麗なイルミネーションを見せてもらっている」と8号車に感謝。また、ちょうどこの日に22歳の誕生日を迎えるユースケのために、8号車で「Happy Birthday」を合唱すると、その歌声にリョウガは「上手いよな! 俺たちが知らない間に集まって練習してるの?」とビックリ。さらに、4号車のタクヤがユースケを見つめながら一人で「Happy Birthday」を独唱するレアな場面には大喝采が湧いた。翌25日は超特急の結成記念日ということで、8号車から「おめでとう!」の祝福も。また、結成当初のリリースイベントでユーキがバク転したとき、貼っていたカイロが飛び出したという思い出話も微笑ましい。そして「僕たちからのクリスマスプレゼント、受け取ってほしいなと思います。8号車の皆さん、メリークリスマス」(カイ)と、このクリスマス公演のテーマソング「BREAK OFF」をステージ初公開。“無礼講”と掛けたタイトルの曲らしく、指を頭に立てて鬼のポースでおどけるコミカルなハイテンションソングからは怒涛のノンストップ・セクションに突入し、「Drive on week」では「超特急がやってきた!」と、ユーキが8号車とのコール&レスポンスを誘ってゆく。
そしてストライプのカラータキシードに着替え、驚きが満載のクリスマスソング・メドレーが幕を開ける。まずはコーイチとタカシが向き合い、なんとアカペラで「ホワイトクリスマス」を熱唱! ぴったりと重なり合うハーモニーの滑らかな美しさでドッと拍手を湧かせると、「ジングルベル」ではタクヤとユースケが側転を決め、「きよしこの夜」ではカイ、リョウガ、ユーキがタップダンスで魅せる。そこから「くるみ割り人形」のバレエ曲が続き、妖しい調べに乗って人形のようなモーションでスモークの中から現れたタクヤは、ボーカル2人に挟まれて“君が好きだぜ”とまさかのラップを初披露。8号車の大歓声を浴びるや、今度はカイとリョウガがトナカイ、ユーキが雪だるま、ユースケがクリスマスツリーの着ぐるみで飛び出して大はしゃぎする。せり上がり等の舞台装置を活かしながら、次々にメンバーが入れ替わるスペクタクルな展開に、8号車のテンションも上がるばかり。何より7人のあくなき挑戦心と多才ぶりには恐れ入るばかりだ。
メドレーが「We wish you a Merry Christmas」で金吹雪の中ハッピーに締めくくられ、25日には「Happy Birthday Dear超特急!」と会場の全員で歌うと、そのままラストスパートへと雪崩れ込んで、互いの絆と一体感を確かめ合うことに。超特急結成時に初めて作られた曲「No More Cry」を華やかなベルや金管音の入ったクリスマスバージョンで贈り、「浮つきWAVES」ではステージを縦横無尽に駆け回って「超特急と一つになりましょう!」(タクヤ)と客席に大きなウエーブを作り出す。極めつけに24日の「バッタマン」では、ユースケにメンバー全員でキスを迫る誕生日サプライズもあり、ユースケは「メンバー大好き! ホントありがとう。毎年みんなと過ごせてほんとに嬉しいよ」と感激を露にした。「BREAK OFF」からここまで35分超を休みナシで駆け抜け、アドレナリンを大放出させた末に届けられた本編ラスト曲は「Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」。2年前のクリスマス公演のために作られ、その後もクリスマスにしか歌われていない大事な曲の登場に歓声が湧き、クリスマスカラーの銀テープが発射すれば天にも昇るような幸福感が心に沁み出す。それは「8号車と超特急が一緒にいる場所はどこでも特別になる」とコーイチが語った言葉を、心から実感させてくれた瞬間だった。
さらに、超特急の進化を最も感じさせてくれたのがアンコール。ツアーのメインヴィジュアルでもあるシルバーのスーツに着替え、お披露目されたのが12月27日の横浜アリーナより始まる東名阪アリーナツアーのテーマソング「The End For Beginning」だ。コーイチも作詞に参加した本作は、迷いや苦しみにもがきながらも光を目指すシンフォニックかつ雄大なナンバーで、振り絞るような熱いボーカルと、その想いを体現するようなドラマ性の高いダンスが見どころ。人間のネガティブな感情までひっくるめた楽曲は超特急には珍しく、これも5周年を経て彼らが切り拓いた新境地と言えるだろう。Tシャツ姿で和やかなトークを繰り広げる普段とは全く異なるエンディングだが、たった1曲のアンコールだからこそ意味合いは重い。25日にはそれぞれ7年目への抱負を語り、タクヤは「自分とみんなと仲間を信じて、世界に羽ばたけるようなグループになりたい」と、リョウガは「クリスマスという大事な1日を超特急に捧げてくださった皆さんを、一人も降車させないで最高の人生を歩んでいきたい」と宣言してくれた。終演後には「2018年、誰にも負けないグループになっていきたい」と言い切ったタカシのデザイン&プロデュースによる切符が来場者全員に配布され、そこに記載された暗号には感涙を誘うメッセージが隠されていた。支えてくれる8号車と共に進み、その笑顔をいつまでも守りたい――。その願いを叶えるために、年を跨いで開催される東名阪ツアー3本では、さらなる変貌を遂げてくれるはずだ。Text by:清水素子、Photo by:米山三郎、深野輝美
◎公演概要
【BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning】
2017年12月24日(日) 千葉・幕張メッセイベントホール
2017年12月25日(月) 千葉・幕張メッセイベントホール
2017年12月27日(水) 神奈川・横浜アリーナ
2017年12月30日(土) 愛知・日本ガイシホール
2018年1月6日(土) 大阪・大阪城ホール
※全公演完売
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