2017/11/10
マルーン5がリリースしたニュー・アルバム『レッド・ピル・ブルース』がこれまでの作品より若干落ち着いて聴こえるとしたら、それは気のせいではないようだ。
ギタリストのジェイムス・ヴァレンタインは米ビルボードとのインタビューで、「注目すべきは、俺たちがもう全然ひよっこではないってことで、ああいうゆったりとしたヴァイブの方が俺には成熟しているように感じるんだ」と語り、「ちょっとミニマルでさ。例えば“オーヴァーエクスポーズド”みたいな、全力を尽くした最大限のテクニカラー・ポップ、全楽曲で何でもかんでも詰め込むようなやり方よりは確実にミニマルだよ。(新作の)多くの楽曲で起きていることは結構シンプルだ。もちろん、詰め込んでいる曲もあるけど、全体としてトリップ・ホップやR&Bのレコードみたいなシンプルなミニマリズムをキープして、空きスペースをアダムの声にあてたかった」と今回のアルバム制作について明かしている。
このアプローチはボーカルのアダム・レヴィーンの歌唱法にも影響を与えたそうだ。「アダムの声の低音部を使っていて、彼は今そこを探るのをすごく楽しんでいるんだ。彼はすごく高音の、甲高いテナーで知られているだろう、例えば“メイクス・ミー・ワンダー”とか、ああいうような。このアルバムでは自分の声の低音域を探っていて、そうやって歌うことをすごく楽しんでいる。だからそういうキーやヴァイブに引き寄せられてるんだ」とヴァレンタインは説明している。
『レッド・ピル・ブルース』を、2014年の『V』から合理的に前進している作品と位置づけている彼は、マルーン5が「同時代の音楽で起きていることについての会話の一部でいられるよう」最先端のプロデューサーやソングライターとコラボしたそうだ。「最初からずっとそうやってきたから、それを続けるんだ。世界中にいる最高のプロデューサーを集めてくるという、これまでと同じやり方だよ。“V”の時もそうで、うまくいったみたいだから、変えることないだろうって」と彼は話している。
『レッド・ピル・ブルース』は長年の仲間、サム・ファラーが正式メンバーになってからの初めてのアルバムで、SZA、ランチマネー・ルイス、エイサップ・ロッキー、ジュリア・マイケルズがゲスト参加している。マイケルズは来年5月から開幕するマルーン5のツアーのオープニング・アクトも務める。
楽曲をツアーで演奏することについてヴァレンタインは、「レコードでは常に、自分たちの演奏家としての技能よりも楽曲そのものが大事だ。でもライブでこれらの曲を演る時は、それとは大抵違う感じの、バンドをもっと見せるようなライブ用アレンジができる。スタジオで作った曲について、“これをどう演ろうか”って考えるプロセスがあるんだ。で、それがツアーをしながら進化して、何がうまくいって何がうまくいかないかが見えてくる。これも最初からやり続けてきたことで、ワクワクすることでもあるんだ」と話している。
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