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2017/10/26 19:15

映画『エンドレス・ポエトリー』主演アダン・ホドロフスキー、父アレハンドロ監督とのエピソードを明かす

 【第30回東京国際映画祭】の特別招待作品、映画『エンドレス・ポエトリー』の主演を務めるアダン・ホドロフスキーが26日、東京・EXシアター六本木でのQ&Aイベントに登壇し、本作の監督であり、実父でもあるアレハンドロ・ホドロフスキー監督との思い出などについて語った。

 『エンドレス・ポエトリー』は、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の自伝的作品『リアリティのダンス』の続編で、監督の末息子であるアダン・ホドロフスキーは青年時代のアレハンドロ・ホドロフスキーを演じている。本作について「大変な映画でした。父に演出されながら父を演じ、弟は祖父の役、そして父の妻が衣装を担当していて親族一同に会して挑んだ作品です」と語った。

 また本作の音楽も手掛けているアダンは、パリでミシェル・ルグランが使っていたピアノで作曲したことを明かし、父から音楽についてリクエストがあったか問われると、「『リアリティのダンス』でも一緒にやったので父が求める音楽は分かりました。ピアノ、ヴァイオリン、フルート、オーボエの4つの楽器を中心とした楽曲を好んでいて、サティ、ベートーヴェン、ストラヴィンスキーあたりが(父は)好きなんです」と述べる。そして「『ホーリー・マウンテン』『エル・トポ』で使った音楽を参考にしました」と続けた。

 中盤、観客から「ホドロフスキー家に生まれたことをどう感じていますか」と質問を受けると「まったく普通ではなかったです」と笑顔できっぱり。そして、「食事の前に男の子は椅子の上に立って、詩を朗読しなければならなかった」「音を立てずに忍者のように歩く修行もさせられました」など客席が仰天する父親のエピソードを披露した。そして、ホドロフスキー監督の演出について尋ねられると「父は人の意見は聞かずにすべての動きを決めて、僕がその通りにできないと2テイクまでいったところで“後は自由にやれ”と怒り出すんです。だけど、そこでの自分の即興を気に入ってくれて、かなり残してくれている」と撮影を振り返った。

 最後にアダンは「人に与えるものは実は自分に与えているものです」と哲学的な言葉を口にしたかと思うと「なので皆さんにお金を渡します」とお金を取り出すパフォーマンスを見せて観客を盛り上げステージを後にした。 

 本作は、フランス、チリ、日本の共同製作で、新作を望む世界中のファン約1万人からキックスターター、インディゴーゴーといったクラウド・ファンディングで資金の多くを集めて製作された待望の最新作。父親との軋轢や自身の葛藤を抱えたアレハンドロが、初めての恋や友情、古い規則や制約に縛られない若きアーティストたちとの出会いと交流を経て、囚われた檻から解放され、詩人としての自己を確立する姿が独特の映像表現で描かれている。なお、映画『エンドレス・ポエトリー』は11月18日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次ロードショー。

◎映画『エンドレス・ポエトリー』予告編:
https://youtu.be/BmzF3SR-ic0

◎公開情報
『エンドレス・ポエトリー』
11月18日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
撮影: クリストファー・ドイル
出演:アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、ブロンティス・ホドロフスキー、レアンドロ・ターブ、イェレミアス・ハースコヴィッツ
配給:アップリンク
(C) 2016 SATORI FILMS, LE SOLEIL FILMS Y LE PACTE

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