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2017/10/01

ゴリラズ/MGMT/ハイム/Mura Masa/デ・ラ・ソウルら出演! 【Life Is Beautiful】最終日レポート

 米ラスベガスのダウンタウンを会場とするミュージック・フェスティバル【Life Is Beautiful Festival】が2017年9月22日から3日間開催された。会場内の至る所にはグラフィック・アーティストによるウォール・ペイントが描かれ、若手アーティストの作品が展示してあるミニ・ミュージアムなど、アートも楽しめるこのフェスに、今年はチャンス・ザ・ラッパー、ゴリラズ、ミューズなど豪華なアーティストが集結。3日間で合計14万人動員を記録したフェスの模様をお届けする。

 最終日はゴリラズをヘッドライナーに迎え、ヒップホップ界の大御所デ・ラ・ソウル、MGMT、ハイムなどが出演。またシルク・ドゥ・ソレイユがメインステージに出演し華麗なショウで観客を沸かせた。

◎Blue Man Group & Cirque du Soleil
メインステージをブルー・マン・グループとシルク・ドゥ・ソレイユがジャック。ラスベガスのホテルで行われてる世界最高峰のパフォーマンスが全て集結し一つのステージでダイジェスト形式で見られるという超豪華なステージが繰り広げられた。ステージのスタートを飾ったのはブルー・マン・グループ。その後シルク・ドゥ・ソレイユのO(オー)、MJ ONE(マイケル・ジャクソン)、Zumanity(ズーマニティ)、KA(カー)、The BEATLES LOVE(ザ・ビートルズ・ラブ)、Mystere(ミスティア)、Chris Angel Believe(マインドフリーク)とステージで披露される華麗な舞と過激なアクロバットが圧巻のステージであった。

◎Hippo Campus
インディ・ポップ・ロック界の期待の新人。スカイブルーの青空に彼らのキャッチーで陽気な曲がマッチする。バンドに友人でもあるパーカッショニストを迎え、さらに変幻自在のステージを繰り広げ、観客は体を動かさずにはいられなくなる。インディ・キッズのみならず大人をも巻き込んでダンスパーティーモードに突入した。

◎De La Soul
MCのトゥルーゴイはステージに出てくるなり、観客を見渡し「あっちのセクションは何だ?」とガラガラのエリアを指差す。観客からの返答でそこがVIPエリアと分かると、「VIPなんて無くそうぜ!身分も人種も関係ない。音楽で一つになる場所がフェスだろ?それに俺たちの大統領があんなだからこそみんな一つにならなきゃ」観客に伝え、拍手喝采の嵐。さらにポスことケルヴィン・マーサーがステージを降り観客の中で歌う。前日ケイジ・ザ・エレファントで見られた光景を大御所が再現するサプライズに会場が沸く。「Oooh」では、フォトピットにいるフォトグラファーに「君達も撮影するのを一旦やめてハンズアップで一つになろうぜ!たまには仕事を忘れて楽しみな」と最高にクールで楽しい時間をプレゼントしてくれた。

◎Mura Masa
何よりも驚いたのが、彼のステージに集まった観客の数だ。同じステージで初日に出演したブリンク182と同じくらいの多くの観客が彼を見るために集まっている。デーモン・アルバーンも絡んでるデビュー・アルバムも関連して、アメリカでも大注目のアップカマーだと大入りの観客を見て伺える。ステージに登場する少年のような彼が音を奏でた瞬間、誰も足を踏み入れたことのない異空間へ誘われる。その音楽は、麻薬みたいにその場にいる人を妄想的幻想的な空間へ導き光沢感を味わえる。それを毎夜体感したくなるという中毒性があるのだ。その瞬間は彼のために集まった人たちにとって特別なものになった。

◎Kali Uchis
コロンビア出身、24歳のシンガー・ソングライター/プロデューサーの彼女は、曲のみならず自身のスタイルも完璧にプロデュースし、今やラティーノのみならず若いファンを中心にカルト的な人気を誇る。今宵の彼女は真っ赤なドレスに、リタ・ヘイワースのようなクラシックなヘアスタイルで登場。スパイスの効いた歌声に、古典的なファッション・スタイルで唯一無二の存在感を見せつけた。

◎Pusha T
ベテラン・ラッパーの登場だ。1曲目の「King Push」からダイナミックでハイエナジーなパフォーマンスに観客も興奮気味。カニエ・ウエストとのコラボ曲「Runaway」やヒット曲「Nosetalgia」を披露し、今もなおヒップホップ界のカリスマ的存在であることを観客に思い出させた。

◎Dua Lipa
バックにラスベガスのホテルのネオンが見える夜のステージに、彼女を一目見ようと多くの人が集まっていた。登場した彼女はベガスに合わせてか黒のジャケットに黒のパンツでいつもより少し大人っぽく見える。彼女の足元に群がるフォトグラファー達を蹴散らすかのようにダンスする彼女。少し前まで少女のようなあどけなさが垣間見られていた彼女だったが、今宵は鋭い眼差しにディープ・ヴォイスにジャジーなダンスで新たな魅力を見せつけた。

◎HAIM
お揃いのエナメルのシャイニーなボトムで登場したハイム三姉妹。ファンから熱狂がすごい。末っ子のアラナが「ワッツアップ!ベガス!明日は月曜だけどダンスしまくるわよ!用意はいい?」と叫び新曲「Want You Back」で幕を開けたステージ。シンガーのダニエルがギターをかき鳴らすと、男性の観客から拍手喝采が起こる。男気溢れるギターテクと彼女が持つエレガントがステージ上で光り輝く。長女のエステがリードボーカルを取るシャナイア・トゥエインのカバー「That Don’t Impress Me Much」は若いファンだけでなく大人の観客も沸かせた。アラナは「“ゲーム・オブ・スローンズ”が放送しない日曜はつまらない!それこそシェイム!シェイム!シェイム!」と言って笑いが起こった。大歓声の中、エステが「ガールズ!肩車してもらって!いつもより違った世界が見れるわよ!」と言うと多くの女性達が肩車されて携帯のライトを照らす。彼女達は常に観客に問いかけ、一緒にステージを作って行く。どのステージよりもキラキラした光景がそこにはあった。

◎MGMT
フェスの前日にラスベガスのダウンタウンにある老舗のプラザホテルで深夜プライベート・ショウを行ったMGMT。ホテルの2階にあるボールルームがクラシックな雰囲気でスペシャル感が満載だ。フェス前のウォームアップ的なものかと思いきや、バンドと長年ツアーを共にしてるVJアーティストがのアレハンドロがライブ形式で映像を作り出す本格的なショウで、新曲数曲とソウル・アサイラムのカバー「Runway Train」、そして1stアルバムの曲のみを演奏する1時間半のステージというスペシャルな夜だった。

フェスのセットは、メインステージではゴリラズが同じ時間帯に演奏していたが、ハイムからの流れで観客は大入り。今年のショウで演奏している新曲の一つ「Me & Michael」はメランコリックでドリーミーでキャッチな曲で発売が待ち遠しい。他の新曲は今までとは違ったエレクトロポップ路線で80年代の映画ミュージックのようでかっこいい。バンドメンバーのベースにKuromaのサイモン・ドームが新たに加入したことによって、彼のダイナミックで観客を盛り上げるプレイスタイルがバンドに新しい波を与えている。アンドリューは終始ご機嫌で「サンキューベリーマッチ」を連呼し、即興でサンキューベリーマッチの歌を唄うほど。彼らのヒット・チューンである「KIDS」のバンドスタイルで途中のインターバルもアレンジもこれまでにないほどかっこよくアレンジされていた。

◎Gorillaz
最終日のトリを飾ったのはデーモン・アルバーン率いるゴリラズ。ステージ上の巨大なスクリーンにゴリラズのおなじみのカートゥーン・キャラクターが映し出されると、リアルなデーモン&バンド・メンバーが登場しヒット曲のオンパレードセットにバックアップボーカルのアンサンブルが壮大なスケール感をラスベガスの夜に導いた。フェスの出演者でもあるプシャ・Tに加えヴィンス・ステイプルズも登場。デ・ラ・ソウルはおなじみの「Feel Good Inc.」だけでなく「Superfast Fellyfish」でも登場。豪華ヒップホップ勢のサプライズ登場に観客は怒涛の雄叫びをあげる。ラストデ・ラ・ソウルソングではサヴェージズのシンガーであるジェニー・ベスが登場し「Clint Eastwood」を共演。デーモン・アルバーンは2時間近くのステージでボーカル、ギタープレイ、キーボードをこれまでにないほどアグレッシブにこなし、彼の超越的な才能を見せつけられた夜であった。


Photo & Text:ERINA UEMURA
Gorillaz Photos:Jeff Kravitz

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