2017/09/30
米ラスベガスのダウンタウンを会場とするミュージック・フェスティバル【Life Is Beautiful Festival】が2017年9月22日から3日間開催された。会場内の至る所にはグラフィック・アーティストによるウォール・ペイントが描かれ、若手アーティストの作品が展示してあるミニ・ミュージアムなど、アートも楽しめるこのフェスに、今年はチャンス・ザ・ラッパー、ゴリラズ、ミューズなど豪華なアーティストが集結。3日間で合計14万人動員を記録したフェスの模様をお届けする。
◎Broods
ニュージランド出身の兄妹のエレクトロ・ポップ・デュオ。透けるような白い肌にハイトーンボイスでリズミカルにステージを右往左往するシンガーのジョージア。ラスベガスらしからぬ涼しい気温の中、早々にジャケットを脱ぎ華麗なダンスで観客を魅了する。彼らを知らない観客は一瞬で虜になってしまった。
◎Jacob Banks
イギリス出身のソウル・シンガー。若干27歳ながらそのパワフルでソウルフルなボーカルはチャールズ・ブラッドリーを彷彿とさせる。彼は惜しくも前日に亡くなってしまったが、彼の魂のサウンドはジェイコブに受け継がれた。
◎Whethan
米シカゴ出身の若干18歳のDJ&プロデューサー。リミックス「XE3」はサウンドクラウドで再生回数9億回とエレクトロ界の超新星。ティーンエイジャーを中心にテントステージを溢れかえるほどの人で埋め尽くされる。ロードの「Perfect Places」のリミックスを彼がプレイしサビの部分では大合唱が起きた。
◎Sigrid
ノルウェー出身の21歳のシンガー・ソングライター。小柄な彼女からは想像つかないパワフルなボーカルに堂々としたパフォーマンス。フローレンス・ウェルチやロードが世に出てきた時と同じような大物感をすでに持っている。犬を連れている観客を見つけた彼女は、その犬をステージあげ犬の横でパフォーマンスをして観客を驚かせた。
◎Capital Cities
LA出身のエレクトロ・ポップ・デュオ。とびきりハッピーでノリノリでご機嫌な曲の連続。幼少期にマイケル・ジャクソンに夢中になったシンガーのライアンはステージ上でムーンウォークを披露するなどメインステージに集まったファンをのっけから楽しませた。
◎Clasixx
メランコリックなポップサウンドで観客の心を掴むと、ニュー・ディスコやハウスへと曲は変化し観客はそれに合わせてダンスを変化させていった。
◎ScHoolboy Q
グッチのジャケットで登場したクィンシー・マシュー・ヘンリーことスクールボーイ・Q。ケンドリック・ラマー率いるブラック・ヒッピーのメンバーでもある彼は今最も注目を浴びるラッパー。この日も彼を一目見ようと多くの観客がステージに集まっていた。ケンドリックの楽曲「HUMBLE.」をカバーすると、ファンもリリックをともに口ずさむ。
◎Goldroom
今年の【FUJI ROCK FESTIVAL】でのプレイが記憶に新しいジョシュ・レッグのプロジェクトのゴールドルーム。ベガスではバンド・セットで登場。「Spread Love」では美形シンガーのニッキーの伸びやかなボーカルと軽快なダンスでこの日一番の盛り上がりを見せた。
◎Cage the Elephant
彼らは今ではフェスの台風の目となる存在だ。しょっぱなからギターのブラッドがステージを降り観客にダイブ。かと思ったらシンガーのマットが上着を脱ぎシャツを脱ぎズボンを脱ぎ、頭に避妊具をかぶりだした。こうなったら誰も止められない。観客は彼らのジェットコースター並みの展開のステージが楽しくてたまらないと言った様子だ。来年こそは日本でもこのステージが観れることを切に願う。
◎Tycho
トリオ編成から新たにベース・プレイヤーを加え4人編成となり、さらなる音の進化を遂げる彼ら。テントス・テージはそれまでアップテンポなダンス・ミュージックばかりだったが、彼らの登場により会場は一転し、オーガニックで無機質で繊細な空間を作り出し別空間を作り上げた。
◎Local Natives
ここ数年ツアーと主要フェスをこなし着実にファンを増やしている彼ら。ドラム以外のメンバー4人がずらりと横並びで演奏するスタイル。シンガーのテイラーの人気はもちろんすごいのだが、キーボードのケルシーのコールも多く聞こえてくる。この日、新曲の「Close Your Eyes」を披露した。
◎MUSE
SFXのイントロが鳴りだし照明が落とされると地鳴りのような完成が会場を覆う。
ステージセットの支柱にメンバーの映像が映し出されドムとクリスが登場し「Dig Down」のイントロが演奏され、マシュー・ベラミーが光るシェードサングラスをつけて登場。ドムのリードにクリスのベースラインのユニゾンに観客は拳を突き上げ合わせる。マシューはステージの端に駆け寄りひさまずき、ミューズサウンドの中核となるギタープレイを見せつける。もちろんここラスベガスでも観客は始終バンドとともに大合唱。昨夜のチャンス・ザ・ラッパーの観客と違うのは若者から年配まで世代の垣根を超えた観客で成り立っていた。ザ・クランプスのカバーを含む18曲にアンコール2曲と合計2時間のステージで1万人近くのラスベガスの観衆をうならせた。
◎Wiz Khalifa
裏のミューズに引けを取らないくらい大入りの観客に迎えられ登場。「ベガス、決まっているか?吸っているか?」と繰り返すウィズ。お馴染みの「Roll Up」では壮大なハンズアップの光景。携帯のライトを照らしラスベガスのネオンのようであった。
Photo & Text:ERINA UEMURA
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