2017/07/01
近年のガールズバンドシーンのど真ん中を突き進んでいるChelsy。7月2日に自身最大規模となるワンマンライブ【Chelsy LIVE 2017~ちぇる子とちぇる男のカーニバルはじめちゃうんだツアー~】最終公演をSHIBUYA CLUB QUATTROにて開催するのだが、その直前に美しいグラビアでも話題沸騰中のメンバー・SHIZUKA(b,vo)が意気込みを語ってくれた。
◎SHIZUKA(Chelsy)インタビュー
<リアルな女子の……ストーカーになっちゃいたくなるような気持ちとか(笑)>
--Chelsyは今どんなバンドになっているなと感じていますか?
SHIZUKA:最近はメンバーの個性や人間性もすごく出せるようになっているんですけど、バンドとしてはもちろん「人としても好きになってもらいたいな」という想いがあるんです。だから変に演じたりとか自分を抑えたりとか、そういう意味で作り込んでないバンドになってきているなと感じてます。等身大でイヤなことは「イヤ」って言うし、好きなことは好きだし、そこは素直に出していこうって。
--結成から5年以上の歳月でどんなところが進化してきたと思う?
SHIZUKA:結成当時は高校生だったんで、みんな「音楽が好き」という気持ちは今と変わらずあったんですけれども、作詞の能力だったり、作曲やアレンジの能力だったり、演奏力も含めて弱かった。自分たちだけでは何にも出来なくて、スタッフの方に協力してもらわないと楽曲制作も出来ない状態だったんですけど、そこから5年以上バンドを続けてきて、それぞれにレベルアップして。今まではメンバーが作った曲を誰かにアレンジしてもらったり、作家さんに楽曲を頂いて演奏したりしていたんですけど、自分たちで作詞も作曲もどんどんしていきたい気持ちも強くなって、今は創作意欲が凄いんですよ。
--そんな中で、具体的には今後どんなことがしたいと思ってますか?
SHIZUKA:まだフルアルバムを出してないんですよね。
--5年以上やってるのに(笑)?
SHIZUKA:そうなんですよ! ミニアルバムは3枚出せてるんですけど、まだ1stフルアルバムがないんです。だから可能であれば「メンバー全員が作詞作曲したフルアルバムを出したいな」という話をよくしてます。
--どんな音楽を発信したいと思ってるんでしょう?
SHIZUKA:これまでのChelsyのイメージをガラッと変えたいとは思ってなくて、やっぱり多くの人にとって聴き馴染みの良い、良質なJ-POPを作りたいという気持ちはすごくあるんです。でも例えば私はポップスをやりながらもロックベーシストだなと思うんで、よく聴くとロックな部分もあるし、そういう面ももっと出していきたい。あと、歌詞も今までは抽象的でキレイな内容のものが多かったんですけど、それも私たちは好きなんですけど、これからはもっとリアルな女子の……ストーカーになっちゃいたくなるような気持ちとか(笑)、そういうものも打ち出していきたいなって思ってます。
<「謙虚になんかしてたら損するわ!」と生きてきた学生時代~3人の関係性>
--たしかにSHIZUKAさんは「なんで出来ないの?」とお客さんに突然キレ出したこともあったり(笑)、ステージ上の言動もロックじゃないですか。このSHIZUKA像はどういった人生や背景によって形成されたものなんでしょう?
SHIZUKA:地元にサバサバした友達が多かったんですよね。そういう環境で小中は過ごしていて、高校は都立の国際高校に入ったんですけど、そこはちょっと英語の授業が多い学校で、東京に暮らしている外国人とか、外国で長く暮らしていた経験がある人もたくさんいて、3分の2ぐらいが英語ペラペラなんです。基本的に外国人ノリ。みんなアメリカ人なんです(笑)。それで「謙虚になんかしてたら損するわ!」という気持ちを培ったというか、そういう環境にずっといたことが人格形成に大きく影響しているのかなって。私、大学は上智大学に進学したんですけど、女子校から来た女の子がすごく多くて、お嬢様みたいな女の子もすごく多くて、そのときに「あ、こういう女子もいるんだ?」って初めて知ったんですよ。私は「ワガママと思われたとしても言いたい事が言うべきだ!」と思って生きていたので、そうじゃない女の子がたくさんいて驚きました。
--そんなSHIZUKAさんからすると、MIO(g,vo)さんもAMI(dr,vo)さんも全く自分とは違うタイプじゃないですか。そこで聞きたいんですが、まずAMIさんはどんなメンバーだと思いますか?
SHIZUKA:AMIは人の気持ちをすごく考えることが出来る子。そこは私に足りていない部分だなって思うんですけど、私は「この人、怒ってるよね? 機嫌悪いよね?」って言われても全然分かんないんですよ。AMIはそういうことをすぐ察することが出来て「今、あの人、怒ってたよね? ウチら、悪いことしたかな?」って伝えてくるんですけど、「え、怒ってた?」みたいな(笑)。それぐらいAMIは人の気持ちの変化に気付けるから、周りの空気もすぐ読めるし、だから現場が暗い雰囲気だったら無理してでも明るくして盛り上げようとする。そういう気遣いのできる子ですね。
--たしかに、あの子がいると明るくなりますよね。いつも元気だし、ポップスを奏でていく上で重要なキャラクターだと思います。
SHIZUKA:ポップでキャッチーですよね。
--ゆえに性格が正反対のSHIZUKAさんからするとイラっとすることもありそう(笑)。
SHIZUKA:たまにあります! こっちは疲れてると「話しかけないでほしい」って思っちゃうタイプなんで、そういうときに鼻歌とか歌われるとイラッとしたり(笑)。でもその雰囲気に助けられてる現場もたくさんあるんで、必要な存在だなって思っています。
--2人の関係性、少女コミックみたいですもんね。
SHIZUKA:『NANA』みたいな?
--矢沢あいの世界観を地で行くバンド、Chelsy。
一同:(笑)
--続いて、MIOさん。
SHIZUKA:やっぱり「ボーカリストなんだな」ってよく思います。ひとつひとつのことに対する拘りが凄いというか、世界観が凄いんですよね。一見、何を言ってるかよく分かんないときもあるんですけど(笑)、自分の世界があるから、グッズの色とかそういう細かいところも拘っていく。「色なんて人それぞれの好みで変わるから何でもいいんじゃない?」と私は思っちゃうんですけど、MIOは「うーん……この赤、もうちょっとくすんでないとヘン」みたいな。でもそのおかげですごく良いものが出来ているんです。あと、ムードメイカーのAMIさんと、拘りのMIOさんのバランスも良いんですよ。MIOが拘って変な空気が流れたとしても、AMIがすぐ良い感じの空気にしてくれたり。
--そのトライアングルの中で自分はどんなメンバーだなと思ったりします?
SHIZUKA:3人の中では私がいちばん冷静だと思うんで、バンドのことも客観的に見れているかなって。AMIはムードメイカーではあるけれど、本質的にはワチャワチャした人間だから考えないで行動しちゃったりすることもあるし、MIOはMIOで個性が強いから自分の世界観の中だけで考えちゃったりすることもあるから、そういうところを全部冷静に見て「いやぁー、多分、普通の人が見たらこうだと思うよ?」みたいな。そういうポジションにいるのかなって自分では思います。
<ちょっと気に障ったから「ブロックしてやろうか!」と思いました(笑)>
--そんな3人の絶妙なバランスから成るChelsy。音楽性はずばりガールズポップのど真ん中という印象ですが、昨今のガールズバンドシーンはサブカル寄りというか、変化球を投げる人たちがメインに打って変わってますよね。そうしたバンドと対バンもしていく中で、この状況にはどんなことを感じていたりしますか?
SHIZUKA:私が思うのは、SHOW-YAさんとかプリンセス プリンセスさんといった大先輩たちは除いて、今の若い世代のガールズバンドが盛り上がった一番のキッカケはSCANDALさんだと思っていて、その次にSilent Siren。この2組が出てきたことによってガールズバンドの母数がすごく増えたと思うんですよね。で、元々のガールズバンドのイメージって可愛くて、ロックで……みたいなところがあるじゃないですか。でも今はもうそうじゃなくて“ガールズバンド”って括りがなくなってきたのかなって。男の子のバンドにはいろんなジャンルがあるじゃないですか。そのいろんなジャンルに女子も挑戦できる環境が整った。だから今は“ガールズバンド”という枠組みで誰かを敵対視したりもしてないし、その枠を取って考えてます。
--その状況下でChelsyはどういった立ち位置で在りたいと思ってるんですか?
SHIZUKA:でもやっぱり王道では在りたいと思ってます。自分で言うのもアレですけど、ちょっと可愛らしい3人がせっかく揃ってバンドをやってて、みんなJ-POPを作るのが得意なメンバーですし、王道はやっぱり必要だと思っているので、その道を突き進みたい。でもさっきも言ったように「リアルな女の子の歌詞も書きたいな」と思ったりしているので、サブカルとまでは言わないですけど、そういう要素も入れていきたいなとは思ってます。
--ただ、その王道ポップス的な立ち位置ってナメられることも多いじゃないですか。しかもChelsyはビジュアルが可愛いから「顔で売ってるんだろ?」と思われやすいだろうし、そういう標的になりやすいバンドだと思うんですよね。そこに対しては、今までどんなことを感じたりしてきました?
SHIZUKA:結成当初は10代だったんで、すごくメラメラしていて「見た目で判断されたくない!」とか「いや、ウチらは音楽と真剣に向き合ってるし!」みたいなことはよく思ってました。でも今は大人になってるから、顔が好きでファンになってくれる人も全然有り難いなと思っていて。とは言え「顔が好き」で終わったら悲しいですよね。昨日、平賀さんにも出て頂いたLINE LIVEで生演奏したじゃないですか。その事前に「どんな曲、演奏してほしいですか?」ってツイートしたんですけど、「SCANDALやってほしい」みたいなリプが結構来たんですよ。曲のタイトルもないんですよ? ただ「SCANDALやってほしい」って書かれると「女の子が演奏しているのが好きなだけじゃん」と思うし、実はちょっと気に障ったから「ブロックしてやろうか!」と思いました(笑)。
--実際にブロックはしなかったの?
SHIZUKA:ここでブロックしたら「再生数が落ちる」と思い。。。。止まりました。
--さすが冷静担当(笑)。
SHIZUKA:でも今は5年以上続けて演奏力にも自信があるので、顔から入ってでもライブに来てくれたら「あ、ちゃんと音楽やってるんだな」って伝わると思っているので、きっかけが何であれ、ライブに来てもらえれば有り難いし、それで認めてもらえたら嬉しいなと思っています。
--それこそSCANDALも最初はバンドシーンでナメられまくってましたからね。それがいつしか「SCANDALのライブが凄い」とか「格好良い」と言われるようになった。Chelsyもその道は避けて通れないと思うんですけど、逆にナメられるというのは「これは凄い」と思わせた瞬間に爆発的な好転を生みます。
SHIZUKA:だからこそ自分たちで作詞作曲もしていきたいと思うし、説得力のあるベースを弾かなきゃいけないとも思うんです。そういう気持ちは人一倍強いバンドだと思う。ビジュアルが可愛かったりすると、ちょっと間違えただけで「ヘタだな。。。。」になっちゃうんですよ。そのハードルが高いから。
--モデルさんや女優さんが歌手デビューすると、どんなに上手くても文句言いたくなるあの感じでしょうね(笑)。
SHIZUKA:「なんか言いたい」みたいな(笑)。
<グラビア写真が公開されたら「ベーシストがこんなことする必要あんの?」>
--そんな中、賛否両論巻き起こったグラビアデビューがありました。SHIZUKAさん単独でのアプローチでしたが、あれこそ「ナメられたくない」とか「イメージに捕らわれたくない」という想いの表れでもあったのかなと。実際にはどういった経緯や想いがあって実現することになったんですか?
SHIZUKA:経緯から話すと、魚住誠一さんというカメラマンさんに撮影して頂いたんですけど、昔『BASS MAGAZINE (ベース マガジン) 』でも撮影してもらった有名カメラマンで、ご自身もバンドもやってるんですよ。それで音楽の話で気が合ってから、お茶したり散歩しながら撮影してもらう機会もあったりして、その写真がすごく良くて「みんなにも見せたいね」みたいな話をしてたんです。そしたら「『月刊デジタルファクトリー』で連載してみないか?」というお話を頂いたので、ぜひやってみたいと思って。それでグラビアを撮ってもらったんですけど、私は元々インスタとかで海外の『PLAYBOY』誌の写真とかよく観てて、ああいう世界観の写真が昔からすごく好きなんですよ。だから肌を出すことにもあんまり抵抗がないんですよね。
--なるほど。
SHIZUKA:ただ、Chelsyとは真逆の世界観じゃないですか。だから「ChelsyのSHIZUKAだからああいう世界観は見せられない。バンドのイメージが変わっちゃう」と思って変にストッパーをかけてたんです。でもせっかく個人の仕事として連載が出来るという話だったし、魚住さんはグラビアを撮るのがめちゃくちゃ得意な方なので、まずスタッフさんに「せっかくだからやりたい」ってお願いして。最初は「え、本当に?」みたいな空気もあったんですけど、何度も何度もお願いしたらやらせてくれることになって、応援してもらえることになって、それで実現に至りました。
--実際に初のグラビアを実現してみていかがでした?
SHIZUKA:結構アンチも増えましたね(笑)。Chelsyは王道なので、嫌いな人はいないタイプの曲をやっているし、今まではエゴサーチとかしても批判的な意見って出てこなかったんですけど、いざグラビア写真が公開されたら「え、なんでベーシストがこんなことする必要あんの?」とか「やりすぎでしょ?」みたいな意見もたくさんあって。でも結果として『月刊デジタルファクトリー』の閲覧ランキングで上位を独占することが出来て、それで「支持してくれている人もたくさんいるんだな」って。女の子でも「可愛い」って言ってくれる人たちがいたので嬉しかったです。
--あと、アンチの人たちも結局見てますからね(笑)。興味持っちゃってる。それこそ「きっかけが何であれ」Chelsyを知ってもらえた訳で、何かの拍子に「あ、こんな曲やってるんだ。こんなライブやってるんだ」と好きになるかもしれないし、そういう意味では確実に母数を増やせたアクションでもありますよね。
SHIZUKA:だとしたら嬉しいです。あと、グラビアとひとえに言ってもいろいろあるじゃないですか。ベージュのビキニとか、分かりやすく男の人がそういうことをする為の写真もあると思うんですけど(笑)、私はポスターにしても格好良い写真。部屋に貼ってもオシャレみたいな。そういうグラビアをやってるんで、これからも機会があれば続けていきたいなと思ってます。
<「ソロ活動もしていいバンド」分かりやすく例えると、SMAPさん>
--グラビアに限らず、今後も各々が各々のキャラクターに合ったソロ活動もしていけたらと思いますか?
SHIZUKA:思いますね。私たちはオーディションで会った3人なので、性格もみんな全然違うし、「Chelsyを良いバンドにしたい」という想いはみんな一緒なんですけど、それ以外にやりたいことはみんなバラバラなんですよ。実際にMIOはソロでもライブをやってたり、AMIは舞台に出たりとか、いちごのアンバサダーをやってたりもするし、私的には「ソロ活動もしていいバンドだな」と思っていて。分かりやすく例えると、SMAPさんですよね。司会をやる人もいれば、俳優をやる人もいて、バラエティに出ていく人もいる。そういう感じで各々にやりたいことをやっていって、その各所から「Chelsyのライブも観に来たよ」という人が増えていけばいいと思ってるんです。そうやってみんなでChelsyを育てていく形もあるんじゃないかなって。そこはみんなで理解し合ってやってます。
--ますますChelsyの今後が楽しみになってきましたが、まずは7月2日に大一番となる渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライブを控えています。そこへ来てほしいファンの皆さんにメッセージをお願いします。
SHIZUKA:ワンマンライブをやる度に「今の自分たちが一番良い」というのは自信を持って言えていることなので、1回ライブ観たけど「まぁまぁだったなぁ」と思っている人に対しても、絶対にその記憶を上書きできるようなライブを見せられると思ってます。あと、今回はライブをショーとして捉えているので、対バンでのイメージしかない人にもぜひ渋谷CLUB QUATTROに来て頂いて「これがウチらがやっていきたいことなんだよ」ということを知ってほしいなと思っています。とにかく来てほしいです。
--では、まだChelsyのライブを観たことがない人たちへメッセージを。
SHIZUKA:Chelsyのライブを観たことがないバンドマンの人とか来ると「あ、ちゃんとしてるんだね」って言われるんですよ(笑)。だからネットとかで見るChelsyと実際にライブで観るChelsyにはギャップがあるんじゃないかなと思っていて。なので、ちょっとナメてる人にこそ観てほしいですね! その上でナメてくれる分には全然良いですし、散々叩いてくれても構わない。「SHIZUKAのベース、めっちゃヘタだな」とかツイートしてくれていいから、まずは来てほしいです。
--では、最後に。先日増えたというアンチSHIZUKAの皆さんへメッセージを。
SHIZUKA:アハハ! でもアンチって実際はめっちゃファンですよね? なので、そんなに気にして頂いてありがとうございます! よかったらライブも観てほしいです。観た上でもう1回叩いてほしい(笑)。
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:Jumpei Yamada
◎ライブ情報【Chelsy LIVE 2017~ちぇる子とちぇる男のカーニバルはじめちゃうんだツアー~】ツアーファイナル
2017年07月02日(日)SHIBUYA CLUB QUATTRO
OPEN 16:45 / START 17:30
お問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION TEL03-5720-9999
スタンディング:4,000円(税込)
※未就学児入場不可
※入場時にドリンク代別途必要
各プレイガイド:
・チケットぴあ TEL0570-02-9999
・ローソンチケット TEL0570-084-003
・イープラス http://bit.ly/2ulv0hH
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