2017/06/17
ビルボードのHot100に加算されるポイントから、今回はラジオのオンエア回数について注目してみたい。このポイントだけみてみると、実際の売り上げとはまったく違う動きをしていることがわかる。とくに洋楽に関しては顕著。シングルカットされていない楽曲も、発売前の楽曲であっても、パワープレイのプッシュ曲になればチャートの上位に食い込んでくるからだ。もちろん邦楽においても、ラジオでかかりやすい楽曲の傾向がある。
そのオンエア回数で今週1位となったのは、平井堅の新曲「ノンフィクション」だ(【表1】)。ドラマ『小さな巨人』の主題歌ということもあって、セールス自体も好調のため、Hot100でも5位を記録。ただ、上位の強豪と肩を並べられた要素には、やはりラジオの力が大きい。彼の場合は全国各地のラジオ局にシンパも多く、加えてラジオ・フレンドリーなオンエアしやすい楽曲ばかり。だからこそこの結果を出せるわけであって、オンエア回数ということに限っていえば、常に安定しているといってもいいだろう。
一方、MONDO GROSSOの「ラビリンス」は、Hot100では36位なのだが、ラジオのオンエア回数では今週4位と大きな成果を上げている。大沢伸一率いるMONDO GROSSOは、なんと14年ぶりのアルバム・リリースということで話題だが、先行シングルとなったこの曲も満島ひかりのヴォーカルをフィーチャーしてニュースになった。こういったこともラジオでのオンエアにつながっているのだろう。ただそれだけでなく、彼のようなキャリアの長いアーティストだと全国の放送局に強力なシンパがいるはず。そう考えると、きめ細かくラジオ・キャンペーンを行えば、ポイントを稼いでチャート上昇することも難しくないのだ。
他にも、ラジオのオンエア回数では、SING LIKE TALKINGやI Don't Like Mondays.、FIVE NEW OLDなどが上位に食い込んでいる。彼らが他の要素も取り込みながらチャートに上がってくれば、さらに面白いチャートになっていくことだろう。text by 栗本斉
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