2017/04/15
昨年、全米でもっとも成功した楽曲として挙げられる一曲といえば、ザ・チェインスモーカーズの「クローサー」だろう。アンドリュー・タガートとアレックス・ポールからなるEDMデュオが、注目のシンガーであるホールジーをフィーチャーしたこの曲は、通算12週にわたって米国のビルボードHot100で首位を独走。2016年の顔となった。
では日本ではどうかというと、米国や諸外国に比べるとそれほど目立っての盛り上がりはない。「クローサー」のチャート・アクションを見てみれば、そのことはすぐに分かるだろう(【表1】)。日本では、昨年の7月に配信限定でリリースされているが、チャートの上位に上がってきたのが9月になってからで、昨年の最高位は1/3付の29位。今年に入ってからは、グラミーのノミネートが発表された後の1/23付で再び29位まで上がっている(青のグラフ)。いってみればそれほど盛り上がっていないのだが、動画再生数は現在に至るまで安定しているし(赤のグラフ)、ラジオのオンエア回数もむらはあるとはいえ健闘している(緑のグラフ)。面白いのは、ダウンロード数が今年に入ってからグッと上がってきていること(紫のグラフ)。ようやくグラミー以降で実績が伴ってきたといってもいいのかもしれない。
そんななか、4/7に彼らのアルバム『メモリーズ...ドゥー・ノット・オープン』がリリースされた。Hot Albumsでは初登場3位という輝かしい記録を作ったが、Hot100の方でも、コールドプレイとコラボレートしたシングル「サムシング・ジャスト・ライク・ディス」が今週11位と、じわじわチャートを伸ばしている(【表2】)。現状は「クローサー」と同じくラジオのオンエア先行で盛り上がっているが(緑のグラフ)、動画再生数やダウンロード数もそこに追従していく可能性は大。アルバムが売れているのですでにブレイクといってもいいかもしれないが、まだまだチャートを上昇していく余地はある。今後の動向に期待したいところだ。text by 栗本斉
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