2017/04/03
つい最近70歳になったエルトン・ジョンはミュージシャンとして今もバリバリの現役であるだけでなく、自身の<ロケット・ミュージック・マネージメント>と契約している多数の人気若手アーティストのマネージメント業務も請け負っている。今をときめくエド・シーランもその一人で、彼がまだ駆け出しだった頃からエルトンは彼に目をかけ、様々なアドバイスを与えてきたと、ローリング・ストーン誌の最新インタビューで明らかにしている。
「マネージメント会社を設立したかったのは正にそういうことでね、私は若い彼らに、“私もそれは経験した。君はこうすべきだ。私がこういう人物だからこそ君を助けることができる”と言ってあげたかった。そして(エドに)感謝されてるよ。私は彼のことがたまらなく好きなんだよ」とエルトンは話している。
◎アルバム『x』(マルティプライ)のファースト・シングルに関するアドバイス
『x』をリリースした時に彼は事務所で「シング」を演奏して私は、「ファースト・シングルはそれがいい」と言ったんだが彼は、「いや、世間はちょっと“ファレル疲れ”してると思うんですよ」とためらったんだ。私は、「そんなことは忘れなさい。これまで君はアメリカのチャートでは“Aチーム~飛べない天使たち”と“レゴ・ハウス”がヒットしてるね。どちらもバラードだ。A地点からB地点に早く到達したいのなら、このシングルが君を後押しする筈だ。“ドント”はリリースしちゃダメだよ。世間が予想しないようなことをするんだ」と言った。それでも彼は躊躇してたけど、同意した。するとあの曲はあっという間にブレイクして、やはり最初のリリースとしては最善だった。あのアルバムの中では一番売れなかった曲だったけれど……「フォトグラフ」、「ドント」、「シンキング・アウト・ラウド」(の方が売れた)……でもあの時期には最適のシングルだった。
◎シーランが2016年に世間からしばらく身を引いたことや、体重管理について
2015年は彼が至る所で目についたものだから、「エド、私でさえ君がうんざりだ。どこか行け」と言ったんだ。すると彼はその通りにした。恋人と極東を旅して、とても楽しんで、たくさん食べて増量して帰ってきた。私は彼が出発する前に、「太るなよ」って言ったんだよ、彼は私と同じで太りやすい体質だから。そして案の定太って帰ってきたけど、今回のアルバムの前までに全部落としたな。
◎デビュー・アルバム『+』(プラス)のリリース後、すぐレコーディングすべきか、テイラー・スウィフトとツアーに出るべきかの判断
彼のファースト・アルバム『+』が発売された後、彼から電話をもらって、「レコード会社にはすぐ次のアルバムを作れって言われてるんですけど、テイラー・スウィフトに88日間のツアーに同行しないかとオファーされたんです。どうしたらいいでしょう?」と聞かれた。私は、「考えるまでもないじゃないか。テイラー・スウィフトのツアーをやりなさい。君のファン層じゃないし、彼女が君の友人だからだ。最初は開場中のガラガラの会場で演奏することになるだろうが、君にとって素晴らしい経験になるよ。この先君がもっとビッグになった時に必要なものを全て得ることができるだろう」とアドバイスした。彼はそれを聞いてくれて、結果的に最善の選択をした。後から、「ありがとう、すごくいい判断でした」というメールを送ってくれたよ。
◎音楽的方向性について
「エド、君はこればかりをずっとやり続けるわけにはいかない」と私は言っている。「遅かれ早かれ君にはバンドを結成して、ミュージシャンとして、ソングライターとして更にステップアップして次の段階へ進んでほしいと思っている。もうそろそろループ・ペダルだけでステージに立つのも限界だろう。この先2年くらいは可能かもしれないけれど、次に何をするのか考えなければいけないよ」と話してるんだ。そして彼もそれは分かっている。彼はレイ・ラモンターニュの大ファンなんだ。『トラブル』のようなアルバムを作ってみたいと言っているよ。彼はたくさんの長所を持っている。イギリスのヒップホップとグライム・シーンとも強い繋がりがあって、アーティストと交流があるし、そういう音楽に造詣が深い。彼にできないことなんてないだろう。
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