2017/03/03
カナダ・モントリオールを拠点とするフューチャー・ポップ・デュオ、ピュリティ・リング(Purity Ring)が、2017年3月6日に単独来日公演を東京・WOMBで開催する。「ピュリティ・リング」とは婚前交渉は一切しないという誓いの意が込められた指輪だが、そんなバンド名にも劣らない神聖さと近未来感を兼ね備えた音楽は、東京の夜を静かに輝かせるに違いない。
ヴォーカリストで作詞も手がけるミーガン・ジェイムズ(Megan James)と、トラックと楽器を担当するコリン・ロディック(Corin Roddick)により、2010年に結成されたピュリティ・リング。元々はゴブル・ゴブル(Gobble Gobble ※現在はボーン・ゴールド(Born Gold))というバンドのメンバーだった2人だが、ドラマーだったコリンが自身で制作した楽曲のヴォーカルにミーガンを誘い、デュオとしての活動をスタートさせることとなった。
2011年に発表されたこの「Ungirthed」は大きな注目を集め、2012年には英名門レーベル“4AD”と契約。同年、1stアルバム『Shrines』をリリースした。当時は長く続くものと思っていなかったというが、アルバムもまた高い評価を受け、米ビルボード「BILLBOARD 200」(2012/8/11付)では第32位を獲得し、ピッチフォーク「2012年のベスト・アルバム TOP50」では第24位、ステレオガムでは第29位に選出。2013年にはカナダの名誉ある音楽賞「ポラリス・ミュージック・プライズ」にもノミネートされている。
常に斬新で、且つ一貫していることが求められるエレクトロミュージック。『Shrines』では作品に整合性を持たせるため比較的平坦なサウンドを凝縮していたこともあり、すぐには新しいアイデアも沸いてこなかったとのこと。それでも時間を経てフレッシュな気持ちを取り戻した彼らは、2015年に2ndアルバム『Another Eternity』をリリースした。
自分たちの関係を見つめ直し、初めてすべての楽曲を一緒にスタジオ・レコーディングしたというこのアルバム、チャイルディッシュで憂いを帯びたミーガンの歌声と、HIPHOPのビートにインスピレーションを受けて育ったというコリンのしなやかで重厚なトラックはそのままに、2人の親和性の高さとサウンドの余韻がより際立つ開放的な作品となっている。
また、ピュリティ・リングはこれらオリジナルのほか、ダニー・ブラウン「25 Bucks」でのフィーチャリング、レディー・ガガ「Applause」やケイティ・ペリー「Rise」のリミックスなど、様々なアーティストとのコラボレーションでもたびたび話題に。彼らの音楽を多く聴いたことがない人にもこれはわかりやすいと思うが、ひとたびその手が加わると、どんな楽曲にも幻想的な靄がかかる。さながら魔法のようである。
【2013年】ジョン・ホプキンス/Jon Hopkins「Breathe This Air」
【2013年】ダニー・ブラウン/Danny Brown「25 Bucks」
【2013年】レディー・ガガ/Lady Gaga「Applause」
【2016年】ケイティ・ペリー/Katy Perry「Rise」
【2016年】ヘルス/HEALTH「LIFE」
2012年には【FUJI ROCK FESTIVAL】で来日を果たしているものの、単独公演は今回が初。なお、ミーガンは「Push Pull」のビデオ(http://on.mtv.com/1wEvh8t)で自身のコスチュームを手がけているほか、ライブでもステージ衣装のデザインや裁縫をこなす器用ぶり。一方のコリンは自らカスタムメイドした楽器を使用したり、ライティングなど舞台装飾にも強いこだわりを持っているため、公演ではこういったビジュアル面にも期待できるかもしれない。
チケットは好評発売中。Billboard JAPANでは後日、ライブレポートを掲載する予定となっている。
テキスト:佐藤悠香
◎公演情報
【ピュリティ・リング 単独来日公演】
2017年3月6日(月)東京・WOMB
OPEN 18:30 / START 19:00
チケット:ADV 6000円(All Standing/tax in./1Drink別)
◎リリース情報
アルバム『Another Eternity』
2015/03/25 RELEASE
<CD>BGJ-10233 / 2,263円(tax in.)
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